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6人目:イマドキJKの話
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「私の居場所がないというか……。人数合わせで来たとはいえ、友達みんなかわいいからさ!やっぱり男の子たちもみんなそっちに行っちゃってるっていうか?」
まるで愚痴みたいな口調になってきていることは、自分でも気づいている。
だけど押し込めたはずの醜い感情は、一度出したら止まらなかった。
「まあ私は用無しなんだよ。ああいう場は顔面が強くなきゃ楽しめない。私は来るべき場所じゃなかったんだよー」
言えば言うほど捻くれてて醜くなる。
だけどどうせ、今更取り繕ったところで私の女としての価値なんてそんなもんだ。
「……なんでそんなこと言うの?」
私の止まらない愚痴と不満たっぷりの話を聞き、隼くんが少し険しい顔をしてそう言ってきた。
「え……?」
「愛莉さん、自分のことそんなふうに言っちゃダメだよ?用無しとか居場所がないとか…そんなはずないよ」
「いやだってそうだったよ?男子は私の時だけみんな話聞かないし」
「それは…普通に男たちが悪いよ。あとで瑠千亜たちに言っておくね」
「いやいや言わなくていいから!てか、瑠千亜くんはまだ平等に接してくれてたし、五郎くんは既に渚といい感じだったから仕方ないよ!だから大丈夫!」
「じゃあ今日初めて来た人たちがってこと?」
「まあ…ね。うん、けどまあ仕方ないことだから!隼くんだって、可愛い子とそうじゃない子がいたらやっぱり可愛い子に行くでしょ?」
こんなことを聞いて何がしたいんだろう…
傷ついてる自分を更に傷つけるような質問だ。
それなのに……
「いや…可愛いとかよりも、話してて楽しいなって思ったらその人と話してたくなるかも。俺は愛莉さんと話すのすごい楽しいよ!だから、もし俺が今日その場にいたとしたら、愛莉さんといっぱい話してたと思う」
真っ直ぐ私の目を見てそんな優しい言葉をくれる。
見えないようにしていた私の傷口に、優しい軟膏を塗られたような気分だ。
「ありがとね……!隼くん…お世辞うまいね」
まさかあんなに捻くれた話にこんなに優しい言葉をかけてくれるとは思ってなかったから、咄嗟に照れ隠ししてしまう。
「お世辞じゃないよ??楽しそうにしてる愛莉さんの笑った顔、すっごいいいと思う!」
「えっ……ええ」
「さっきみたいに好きなものの話をしてる時とか、こっちまでつい笑顔になっちゃうくらいだったよ。それって、相手を癒すことができるっていう大きな魅力だと思うよ」
確かにお世辞じゃなさそうだ。
真顔で本心で褒めてくれてるのはわかる。
でも、だからこそ言われると心臓に悪いくらいドキドキする。
どうしてそんなことを恥ずかしげもなくサラッと言ってくれるんだろう……
「だから、愛莉さんも難しく考えずに思いっきり楽しめばいいと思うよ!相手側に気になる人がいるならまた別だけど、特に居ないんだとしたら、とりあえず今日は楽しもう!っていう気持ちでいいんじゃないかな?そうすればきっと、見え方も変わってくると思うし。」
まるで太陽みたいな満面の笑顔でアドバイスをくれる。
隼くんの魔法みたいに蕩ける言葉が、私の心の傷を癒やした。
「うん…!ありがとね隼くん!」
私はこみ上げるいろんな感情を咄嗟には整理できず、そう言うのが精一杯だった。
まるで愚痴みたいな口調になってきていることは、自分でも気づいている。
だけど押し込めたはずの醜い感情は、一度出したら止まらなかった。
「まあ私は用無しなんだよ。ああいう場は顔面が強くなきゃ楽しめない。私は来るべき場所じゃなかったんだよー」
言えば言うほど捻くれてて醜くなる。
だけどどうせ、今更取り繕ったところで私の女としての価値なんてそんなもんだ。
「……なんでそんなこと言うの?」
私の止まらない愚痴と不満たっぷりの話を聞き、隼くんが少し険しい顔をしてそう言ってきた。
「え……?」
「愛莉さん、自分のことそんなふうに言っちゃダメだよ?用無しとか居場所がないとか…そんなはずないよ」
「いやだってそうだったよ?男子は私の時だけみんな話聞かないし」
「それは…普通に男たちが悪いよ。あとで瑠千亜たちに言っておくね」
「いやいや言わなくていいから!てか、瑠千亜くんはまだ平等に接してくれてたし、五郎くんは既に渚といい感じだったから仕方ないよ!だから大丈夫!」
「じゃあ今日初めて来た人たちがってこと?」
「まあ…ね。うん、けどまあ仕方ないことだから!隼くんだって、可愛い子とそうじゃない子がいたらやっぱり可愛い子に行くでしょ?」
こんなことを聞いて何がしたいんだろう…
傷ついてる自分を更に傷つけるような質問だ。
それなのに……
「いや…可愛いとかよりも、話してて楽しいなって思ったらその人と話してたくなるかも。俺は愛莉さんと話すのすごい楽しいよ!だから、もし俺が今日その場にいたとしたら、愛莉さんといっぱい話してたと思う」
真っ直ぐ私の目を見てそんな優しい言葉をくれる。
見えないようにしていた私の傷口に、優しい軟膏を塗られたような気分だ。
「ありがとね……!隼くん…お世辞うまいね」
まさかあんなに捻くれた話にこんなに優しい言葉をかけてくれるとは思ってなかったから、咄嗟に照れ隠ししてしまう。
「お世辞じゃないよ??楽しそうにしてる愛莉さんの笑った顔、すっごいいいと思う!」
「えっ……ええ」
「さっきみたいに好きなものの話をしてる時とか、こっちまでつい笑顔になっちゃうくらいだったよ。それって、相手を癒すことができるっていう大きな魅力だと思うよ」
確かにお世辞じゃなさそうだ。
真顔で本心で褒めてくれてるのはわかる。
でも、だからこそ言われると心臓に悪いくらいドキドキする。
どうしてそんなことを恥ずかしげもなくサラッと言ってくれるんだろう……
「だから、愛莉さんも難しく考えずに思いっきり楽しめばいいと思うよ!相手側に気になる人がいるならまた別だけど、特に居ないんだとしたら、とりあえず今日は楽しもう!っていう気持ちでいいんじゃないかな?そうすればきっと、見え方も変わってくると思うし。」
まるで太陽みたいな満面の笑顔でアドバイスをくれる。
隼くんの魔法みたいに蕩ける言葉が、私の心の傷を癒やした。
「うん…!ありがとね隼くん!」
私はこみ上げるいろんな感情を咄嗟には整理できず、そう言うのが精一杯だった。
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