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9ー1、カメ、二度寝したい
エターナニル魔法学園特殊クラス
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耳慣れた電子音でレイカの意識は覚醒した。重く気怠い手を伸ばして音源を叩く。ピッと短い音がして音が途切れる。妙に怠い。体を包む懐かしい温かさ。もう少しだけこのまま・・・・・・・
「こら、何もう一度寝ようとしはりますか」
耳に飛び込んできた決して大きいとは言えない、しかし、はっきりと聞こえた音刺激でレイカの脳は起動した。
「ユーキ姉はん!?」
自分の部屋に、自分の布団、自分の目覚まし時計の音。目覚まし時計は持って行ったが、苦情が来たのでそれ以降はセットしていなかったはずだ。そして目の前には二つを除いてレイカと瓜二つの容貌を持つ従姉がいる。似ていないのは瞳くらいだろう。レイカのような灰色ではなく、陰陽の紋になっている。
「今、10時やな。おはようございます」
「おそようございます」
「しっかりしい。明日から独りどすえ」
慌てて壁にかけられたカレンダーの元に行く。×印は○印が付いた前日で止まっていた。そして○印の横には入学の文字がある。
「何で・・・・・・」
顔から血が抜けていく音がする。レイカは絶望した。それはまた日にちが巻き戻った証拠だった。膝をついて項垂れるレイカの肩を小さな慈愛が叩く。
「まずはご飯どす。食べんと始まらんぇ」
窓を開けながらユーキが言う。外はレイカの気持ちを受けているかのようにシトシトと小雨が降っていた。
「そん時話ぃ。少しずつ、話せる部分でええから」
同じ顔なのに大人びて見えた。たった一日、されど一年の年齢差が悔しかった。
続く
「こら、何もう一度寝ようとしはりますか」
耳に飛び込んできた決して大きいとは言えない、しかし、はっきりと聞こえた音刺激でレイカの脳は起動した。
「ユーキ姉はん!?」
自分の部屋に、自分の布団、自分の目覚まし時計の音。目覚まし時計は持って行ったが、苦情が来たのでそれ以降はセットしていなかったはずだ。そして目の前には二つを除いてレイカと瓜二つの容貌を持つ従姉がいる。似ていないのは瞳くらいだろう。レイカのような灰色ではなく、陰陽の紋になっている。
「今、10時やな。おはようございます」
「おそようございます」
「しっかりしい。明日から独りどすえ」
慌てて壁にかけられたカレンダーの元に行く。×印は○印が付いた前日で止まっていた。そして○印の横には入学の文字がある。
「何で・・・・・・」
顔から血が抜けていく音がする。レイカは絶望した。それはまた日にちが巻き戻った証拠だった。膝をついて項垂れるレイカの肩を小さな慈愛が叩く。
「まずはご飯どす。食べんと始まらんぇ」
窓を開けながらユーキが言う。外はレイカの気持ちを受けているかのようにシトシトと小雨が降っていた。
「そん時話ぃ。少しずつ、話せる部分でええから」
同じ顔なのに大人びて見えた。たった一日、されど一年の年齢差が悔しかった。
続く
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