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三、調査は進行して・・・いない!?
3ー19、扉はすでに閉まっていた。
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資料によると薬の効果を出すために必要な摂取量はどちらも約一抓み。原料はセヴァーニブル、魔族や魔獣の時界とエターナニル、タイラたちが暮らしていた妖怪や妖精時界にのみ存在する低木になる実。乾燥させた実を粉末状にし、幾つかの薬品を添加して作り出す。死亡したり依存性があったりするわけではないが、理性がなくなり、やたらと攻撃的になる。感覚と理性がなくなるのでそのままだとどちらかが死ぬまで戦いを止めない。平凡な人を狂戦士に変える薬。大事に至っていないのは摂取量が足りていないためだろう。公に調査が始まったら逃げられない。
「いや、違うな」
最初は人間に必要な量を調べるため。しかし、いざ本格的に使おうとした途端、漢蜀、つまり、自分たちに仇なす者が現れた。いや、勘違いされたのかもしれない。
今まで姿がわからなかった存在が表立って動き出した。追い詰められたと感じたはずだ。それで一旦実験を止めた。
だが、実際に見るとそいつらは知らな過ぎた。それで一日置いて実験を再開した。そのため、実験施設の位置がばれたのだろう。出来上がった地図の不審な点、階段下の倉庫の隠し扉の先には孟起が想像した通りに怪しげな薬の保管庫と何かの実験施設があった。
しかし、孟起が辿り着いた時にはすでに何者かによって破壊されており、再生不能になった瓶の破片が保管庫から発見されただけだった。無数の銃弾の後が残っていたし、使われただろうマシンガンや拳銃も死体のそばで発見された。不法侵入のため、その場で連絡はできなかったが、その分十分に現場検証できた。だが、微かに残っていた瘴気が魔族の魔法によるものか魔獣の死骸が四散したものかまではわからなかった。さすがに長時間現場にいるわけにもいかず、自分のいた痕跡を消すと落ちていた瓶の破片をハンカチに包んでから発見されやすいようにドアを少し開けてから帰った。
しかし、学校が警察に連絡することはなかった。売店に買いに行くついでに見に行ったが、扉はすでに閉まっていた。落ちていた破片を特別調査課の検視士に回してくれと例のメールで送信し、今に至る。
「きっと、あいつらも気付いているんだろうな」
「あいつらって子龍さんと小龍のことでござるか?」
「さあな、だが、絶対先越されている」
「どうしてそう思うでござるか?」
「情報収集はあいつらの方がプロだからな。俺たちの一歩も二歩も前を進んでいるはずだ。まだ核心に触れていないんならまだマシなんだがな」
記憶が無いのが事実なら確実に負ける。そして、負けはそのまま死に繋がるのだ。残酷な死に。
「それはサードのことでござるか?」
小龍は根っからの看護兵で回復魔法と防御魔法しか使えなかったと雲長が話していたのをタイラは思い出した。
「さあな、サードと子龍の仕業かもしれないし、彼ら以外の干渉者がいるのかもしれない。どっちにしたって俺ら以上に情報を持っているのは確かだ」
子龍のことを調べるため、孟起は午前中の授業をすっぽかして彼が通っていた大学を尋ねた。これは雲長からの依頼でもあった。
続く
「いや、違うな」
最初は人間に必要な量を調べるため。しかし、いざ本格的に使おうとした途端、漢蜀、つまり、自分たちに仇なす者が現れた。いや、勘違いされたのかもしれない。
今まで姿がわからなかった存在が表立って動き出した。追い詰められたと感じたはずだ。それで一旦実験を止めた。
だが、実際に見るとそいつらは知らな過ぎた。それで一日置いて実験を再開した。そのため、実験施設の位置がばれたのだろう。出来上がった地図の不審な点、階段下の倉庫の隠し扉の先には孟起が想像した通りに怪しげな薬の保管庫と何かの実験施設があった。
しかし、孟起が辿り着いた時にはすでに何者かによって破壊されており、再生不能になった瓶の破片が保管庫から発見されただけだった。無数の銃弾の後が残っていたし、使われただろうマシンガンや拳銃も死体のそばで発見された。不法侵入のため、その場で連絡はできなかったが、その分十分に現場検証できた。だが、微かに残っていた瘴気が魔族の魔法によるものか魔獣の死骸が四散したものかまではわからなかった。さすがに長時間現場にいるわけにもいかず、自分のいた痕跡を消すと落ちていた瓶の破片をハンカチに包んでから発見されやすいようにドアを少し開けてから帰った。
しかし、学校が警察に連絡することはなかった。売店に買いに行くついでに見に行ったが、扉はすでに閉まっていた。落ちていた破片を特別調査課の検視士に回してくれと例のメールで送信し、今に至る。
「きっと、あいつらも気付いているんだろうな」
「あいつらって子龍さんと小龍のことでござるか?」
「さあな、だが、絶対先越されている」
「どうしてそう思うでござるか?」
「情報収集はあいつらの方がプロだからな。俺たちの一歩も二歩も前を進んでいるはずだ。まだ核心に触れていないんならまだマシなんだがな」
記憶が無いのが事実なら確実に負ける。そして、負けはそのまま死に繋がるのだ。残酷な死に。
「それはサードのことでござるか?」
小龍は根っからの看護兵で回復魔法と防御魔法しか使えなかったと雲長が話していたのをタイラは思い出した。
「さあな、サードと子龍の仕業かもしれないし、彼ら以外の干渉者がいるのかもしれない。どっちにしたって俺ら以上に情報を持っているのは確かだ」
子龍のことを調べるため、孟起は午前中の授業をすっぽかして彼が通っていた大学を尋ねた。これは雲長からの依頼でもあった。
続く
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