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三、調査は進行して・・・いない!?
3ー1、皆の視線が集まった。
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「スタートウでござろう」
「「へ」」
アッサリと答えたタイラに皆の視線が集まった。
「だから、彼がスタートウの最強四人組の一人、カカワン殿でござるよ」
医者の動きがピタリと止まる。
「・・・当たり、なのか」
「もちろんでござる。拙者、そこでこの方に会ったことがあるから間違いないでござるよ」
「スタートウって俺たちのいた世界の跡にできた所だよな。時界の中で最も新しい世界」
世界は全五時界で形成され、一つの空間に全種族を集めて石を投げたら当たる確立が最も低いのがスタートウ住民である。総人口が百にも満たないとか。孟起も噂程度しか知らない世界だ。なんでも、漢蜀メンバーが支援輸送部隊をやっていた時界が崩壊した後にできた新しい世界だとか。しかし、住民の能力値は他の世界と比べものにならないほど高い。他の世界から運命という名の絆で勧誘又は誘拐された住民は皆一癖も二癖もある人ばかりだ。
その中でも特に高い能力を持つのが、最強四人組と呼ばれる人たちである。戦闘実力もさる事ながら個性的な能力もと性格を持っている。核爆弾でも生物兵器でもアメリカとソ連が協力した軍隊でも敵わないスターティアンの代表的人物だと孟起は聞いた。
しかし、それが元上司だとまでは知らなかった。そうではないかとは思ってはいたが、まさかそれが現実だとは。
そんな奴に殺気を向けたことを二人は心底で後悔した。最強四人組に殺気を向けて生き残るチャンスができたことこそ奇跡だ。普通向けた瞬間に即死となる。噂を信じるなら彼らは全員、人の中で最も能力の低い人間族だとか。もちろん、否定の意見も多い。特に魔族からの。
「そうでござる。簡単に説明すると他界との交流が最も盛んな時界でござるよ。人間の時界、カーレントの住人は伝承そのものを知っている人ですら極少人数。それも時流を守る祈りの神子と導きの神子に何らかの関わりがある者、そしてカーレント特有のガーディアンズと呼ばれる者達に限られているでござる。ちなみに拙者らの所属する漢蜀も守り人の中の一組なのでござる。もし、拙者らがいなければ、この世界を護る二人の神子は疲労で一年も持たなかったと父も言ってたでござるよ」
「ちっ。おまえ、あのときのチビ猫、雲長とこのガキだな」
「猫じゃない。虎、でござる」
いや、タイラの獣姿だと虎よりも猫に近い。雲長ならその言い分も通っただろう。
「俺にとってはどっちも同じだ。片手で捻れる。ま、おまえらの勝ちに変わりはない。見逃してやる」
部屋に充満していた殺気が消えた。身体から重圧感が抜け、孟起は張り詰めていた息を抜いた。
「そうだ。確かおまえらチャゲ、玄劉のとこのやつだったな。何をやっているか知らんが、定期連絡をさっさと入れろと伝えろ」
「社長ならそっちに帰ってるぜ」
「また、例の勧告が来たって訳か。あいつも懲りないな」
持っていたカルテに何かをメモると孟起に投げた。用は終わりだと出て行こうとしたが、そういえばと主治医は振り返った。
「ついでだ。そこに寝てる奴の本物に会ったら来週定期健診だと伝えとけ。逃げたら総戦力で捕縛するともな」
伝え忘れたら殺すとその瞳は語っていた。この様子だと会ったことを黙っていてもばれるだろう。言うことを言うとシャオの主治医は返事も聞かず乱暴にドアを閉めて出て行った。
「「へ」」
アッサリと答えたタイラに皆の視線が集まった。
「だから、彼がスタートウの最強四人組の一人、カカワン殿でござるよ」
医者の動きがピタリと止まる。
「・・・当たり、なのか」
「もちろんでござる。拙者、そこでこの方に会ったことがあるから間違いないでござるよ」
「スタートウって俺たちのいた世界の跡にできた所だよな。時界の中で最も新しい世界」
世界は全五時界で形成され、一つの空間に全種族を集めて石を投げたら当たる確立が最も低いのがスタートウ住民である。総人口が百にも満たないとか。孟起も噂程度しか知らない世界だ。なんでも、漢蜀メンバーが支援輸送部隊をやっていた時界が崩壊した後にできた新しい世界だとか。しかし、住民の能力値は他の世界と比べものにならないほど高い。他の世界から運命という名の絆で勧誘又は誘拐された住民は皆一癖も二癖もある人ばかりだ。
その中でも特に高い能力を持つのが、最強四人組と呼ばれる人たちである。戦闘実力もさる事ながら個性的な能力もと性格を持っている。核爆弾でも生物兵器でもアメリカとソ連が協力した軍隊でも敵わないスターティアンの代表的人物だと孟起は聞いた。
しかし、それが元上司だとまでは知らなかった。そうではないかとは思ってはいたが、まさかそれが現実だとは。
そんな奴に殺気を向けたことを二人は心底で後悔した。最強四人組に殺気を向けて生き残るチャンスができたことこそ奇跡だ。普通向けた瞬間に即死となる。噂を信じるなら彼らは全員、人の中で最も能力の低い人間族だとか。もちろん、否定の意見も多い。特に魔族からの。
「そうでござる。簡単に説明すると他界との交流が最も盛んな時界でござるよ。人間の時界、カーレントの住人は伝承そのものを知っている人ですら極少人数。それも時流を守る祈りの神子と導きの神子に何らかの関わりがある者、そしてカーレント特有のガーディアンズと呼ばれる者達に限られているでござる。ちなみに拙者らの所属する漢蜀も守り人の中の一組なのでござる。もし、拙者らがいなければ、この世界を護る二人の神子は疲労で一年も持たなかったと父も言ってたでござるよ」
「ちっ。おまえ、あのときのチビ猫、雲長とこのガキだな」
「猫じゃない。虎、でござる」
いや、タイラの獣姿だと虎よりも猫に近い。雲長ならその言い分も通っただろう。
「俺にとってはどっちも同じだ。片手で捻れる。ま、おまえらの勝ちに変わりはない。見逃してやる」
部屋に充満していた殺気が消えた。身体から重圧感が抜け、孟起は張り詰めていた息を抜いた。
「そうだ。確かおまえらチャゲ、玄劉のとこのやつだったな。何をやっているか知らんが、定期連絡をさっさと入れろと伝えろ」
「社長ならそっちに帰ってるぜ」
「また、例の勧告が来たって訳か。あいつも懲りないな」
持っていたカルテに何かをメモると孟起に投げた。用は終わりだと出て行こうとしたが、そういえばと主治医は振り返った。
「ついでだ。そこに寝てる奴の本物に会ったら来週定期健診だと伝えとけ。逃げたら総戦力で捕縛するともな」
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