っておい

シロ

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三、調査は進行して・・・いない!?

3ー2、ぶりっ娘ポーズだ。

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「・・・・・・あいつ、本当に医者なのか?」
そこいらのヤクザより絶対強い。それどころか凄腕SPも指一本で瞬殺しそうだ。
「しかもスタートウ唯一の医者でござる。ここカーレントでも有名な医者で、多くの武勇伝が語られている」
「戦士としてではない、よな?」
崩壊後、一線を退いたと熱狂的なファンに聞いたからな。
「こっちでプロレスラーやってた時代もあったそうでござる。しかも、無敗」
「・・・・・・だろうな」
乱雑に閉められたドアの留め具は壊れ、扉は縁を壁にめり込ませて固定された。あれでは除けなければ出られない。半分以上壁に埋まったドアを取り除けるか。二人がかりでも難しいだろう。白い壁には鋼が埋め込まれていて、鉄製の扉は変形せずに隙間なく挟み込まれていた。戦乱が終結したから少しは丸くなったと思ったのに、昔と全然変わっていない。ファンクラブのメンバーはないて喜ぶだろうが。
「そういえば、どんなヒントを貰ったのでござるか?」
「あ、計七行に及ぶ訳のわからん数字とアルファベットの羅列だ」
見てみろと渡されたボードには記述欄に何も書かれていない診断書に端から端まで小さい字でびっしりと不規則な文字と数字が並んでいた。
「・・・これ、なんに使うんでござるか?」
「俺が知るか。あいつの言葉から人の名前を示す可能性が高いが、サッパリだ」
そう言い放つと孟起は自分の携帯のメモ機能に打ち込んだ。
「さて、行くか」
「え、まだ当てがあるのでござるか?」
「まあな、そっちにはもうないのか?」
ない・・・・・・・そう言いかけてタイラは止めた。
「明日もう一度慎司君のところに行ってみるつもりでござる。一日置けば何か新しいことを思い出しそうなそうな気がすることもあるかと」
「じゃあ、また別行動だな」
「明日学校にて報告でござる」
適当に頑張れよと孟起は部屋を出て行った。
「・・・・・・あんさんは出ていかへんのか?」
「まだ聞きたいことがあるでござるよ」
「まだかよ。わいもう眠いんや。堪忍してくれへんか」
「そなたが正直に答えてくれればすぐに帰るでござる」
「ええけど、何時誰が来るかわからへんからな。あん娘の姿に化けとくからな」
「別にいいでござるよ」
「ほな、変化や」
天井にぶつからないように器用に宙返りをすると軽い爆発音と共に現れた白い煙がウサギの姿を消し、煙が晴れてとさっとタイラの隣に腰掛けたのはベッドで寝ていた女の子だった。
「で、質問って、なぁに?」
初恋の人に化けているからだろうか。ぅん?と小首を傾げる仕草が何とも可愛らしい。別人だとわかっていてもここまでそっくりだと本人ではとつい思ってしまい、タイラは一瞬にして顔を茹蛸よりも真っ赤に変色させる。その様子をばっちり特等席で見たウサギは口元を緩ませた。
「私ね、とっても眠たいの」
両手で拳をつくり、口元にもっていく。俗に言うぶりっ娘ポーズだ。上目遣いで目をウルウルさせるもの忘れない。
「だ・か・ら・・・」
「え、ええ、あの・・・・・」
チュッ


                                       続く
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