38 / 93
36、
闇の紛れる
しおりを挟む
「・・・・て、・・・・きて、・・ナナちゃん、起きて」
「むにゃ?」
眠い目を擦りつつ、窓を見る。まだ、暗いと判断したナナはまた布団に潜り込もうとした。だが、掛布団がなかった。防寒着の冒険者が片付けたからだ。
「ほら、準備しろ」
服を投げたのはカイだった。逃げていた時と同じ真剣な眼差しで、ナナはただ頷いてパジャマから着替えた。こういうのは3回目なので、できるだけ素早く。
「準備、できました」
投げられた服は、カイ用にと買ったTシャツとズボンだった。裾が余るので折っていると、防寒着の冒険者がフード付きの防寒着を貸してくれた。まだ日が出ていないので少し肌寒い。ありがたく、着ることにした。フードのところ、何の毛皮かわからないが、とても柔らかくて暖かい。
「・・・どうだ?」
「丁度引いてます。今なら」
「よし、行くよ」
3人は手を繋ぐと、暗闇の路地に溶けるように駆けて行った。
続く
「むにゃ?」
眠い目を擦りつつ、窓を見る。まだ、暗いと判断したナナはまた布団に潜り込もうとした。だが、掛布団がなかった。防寒着の冒険者が片付けたからだ。
「ほら、準備しろ」
服を投げたのはカイだった。逃げていた時と同じ真剣な眼差しで、ナナはただ頷いてパジャマから着替えた。こういうのは3回目なので、できるだけ素早く。
「準備、できました」
投げられた服は、カイ用にと買ったTシャツとズボンだった。裾が余るので折っていると、防寒着の冒険者がフード付きの防寒着を貸してくれた。まだ日が出ていないので少し肌寒い。ありがたく、着ることにした。フードのところ、何の毛皮かわからないが、とても柔らかくて暖かい。
「・・・どうだ?」
「丁度引いてます。今なら」
「よし、行くよ」
3人は手を繋ぐと、暗闇の路地に溶けるように駆けて行った。
続く
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
45
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる