転移者と転生者と現地チート

シロ

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36、

闇の紛れる

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「・・・・て、・・・・きて、・・ナナちゃん、起きて」
「むにゃ?」
 眠い目を擦りつつ、窓を見る。まだ、暗いと判断したナナはまた布団に潜り込もうとした。だが、掛布団がなかった。防寒着の冒険者が片付けたからだ。
「ほら、準備しろ」
 服を投げたのはカイだった。逃げていた時と同じ真剣な眼差しで、ナナはただ頷いてパジャマから着替えた。こういうのは3回目なので、できるだけ素早く。
「準備、できました」
 投げられた服は、カイ用にと買ったTシャツとズボンだった。裾が余るので折っていると、防寒着の冒険者がフード付きの防寒着を貸してくれた。まだ日が出ていないので少し肌寒い。ありがたく、着ることにした。フードのところ、何の毛皮かわからないが、とても柔らかくて暖かい。
「・・・どうだ?」
「丁度引いてます。今なら」
「よし、行くよ」
 3人は手を繋ぐと、暗闇の路地に溶けるように駆けて行った。

                             続く
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