FGO【フリーゲームオンライン】

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エピソード7、ゴブ洞窟ダンジョン(仮)

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あれからゲーム時間で半日くらいか。ログアウトできないことを知ってから1時間くらい経った。フィードバックの頭痛は収まった。これだから強制イベントは・・・さて、食事とお手洗いをどうしようかと考えていたところだった。視界、画面に反応があった。気絶が回復したようだ。
「あ、きゃぁぁぁぁぁあああッ」
ゴブリンのドアップは心臓に悪い。さすが、蛮族不細工ランキングトップ5に入るブサ面である。向こうもこっちの悲鳴に驚いたのか、壁際まで下がって呼吸を整えている。こちらも胸に手を当てて落ち着こうとして動けないことに気が付く。カメラをローアングルにしたら謎は解明された。鎖で壁に固定されている。アイテムは・・・ない。捕まった時に没収されたのだろう。足は自由だが、硬直状態に近いからできる行動は限られている。とりあえず、
「状況判断よね」
キョロキョロと辺りを見渡してみる。どこかの洞窟を住処にしているようだ。マップ標示もできなくなっている。鎖の鍵は目の前の壁にかかっているあれだろう。視界の中に入っているところが、またムカつく。耳を澄ませてみると、かなりの数がいることがわかった。何やら規則正しい呻き声が聞こえる。そもそも、ここのゴブリンは何かがおかしい。群れで行動することもあるが、あれほど大規模な集団をつくることはなかったはずだ。せいぜい小さな盗賊団レベルである。それに、特別何かに執着する種族でもなかったはずだ。人の町を襲うことはあっても目的は食料と女くらいで・・・・・・。
「ま、まぁ、その辺は大丈夫よね」
FGOは全年齢対象ゲーム(15歳以下は保護者同伴)である。ん、なことはないはずである。現に、目の前のゴブリンもこっちをチラチラ見てはいるが、襲ってこようとしない。そう確認した途端に何かが捻るような音がした。ゴブリンの腹の虫である。知性低いのキャラだからそういうことには本能的に行動する。すぐにご飯を探しに出て行った。
「そうね。さすがにそれは心配し過ぎよね」
実はかなり冷や汗ものだったのだ。ゴブリンは肉食寄りの雑食である。そして蛮族である。PCは人族である(例外もあるが)。キャラロストの危険があった。そんなことになったら、即R-18Gの印を付けないといけない。まずないと思うが、どうもシステムにエラーが出ているらしいので油断は許されない。標準を合わせられなかったのはそれだろう。今ログアウトできないのはイベント中だから、だと思いたい。
「・・・謝らなくっちゃ」
足音が聞こえなくなったのを確認する。壁を蹴り、鎖の連結部分を壊した。自然の洞窟の壁に直に打ち込んであるだけだから通常よりも脆かったのだろう。ちょっとした衝撃と共にボロリと落ちた。音をたてないように鎖を手繰り寄せる。鍵に手を伸ばした、その時だった。
「ゴブッ!?」
「あっ」
考えるよりも先に身体が動いていたとはまさにこのことで、咄嗟に放った一撃は見事にゴブリンの後頭部を捕らえていた。ブクゥと泡を吹いてゴブリンはその場に倒れ、消えた。これは死体処理の面倒とグロさを解消するために取り入れられたシステムで、HPが0以下になるとその場から強制退去されてしまう。エネミーの場合はそのまま消滅してしまうが、PCの場合は始まりの町の神殿に送られる。同行している仲間がいる場合はまた違うが、ここでの説明は止めておこう。先程の青年はその処理不十分で途中に放り出されたのだろう。HPが回復完了した状態だったのが幸いだった。
2人は無事だろうか。小さな横穴がたくさんある通路が続いている。土壁に固定された鎖から察するに、牢屋の代わりとして使われているのだろう。一つずつ覗いて確認していく。誰もいなかった。最近使った形跡はある。武器がないのと方向がわからないのが辛い。前者は蹴りで何とかなることは検証済みである。残る問題は方向と空腹度メーターの減少。方向は自分の勘を信じて動いていくしかない。その場にじっとしていても進まないからだ。それに空腹度メーターが黄色になっている。お腹が空いた状態であり、これがさらに進んで赤になると、行動に支障が出る仕組みだ。などと思いながらさ迷っていると、倉庫として使っている一角に出た。すまないと思いつつ果物を2,3失敬する。念のためカードにして鑑定する。今度は普通の林檎だった。同じくパンを鑑定してから二つに割る。林檎を割ろうとした時に気が付いた。ナイフがないのだ。刃物なら無造作に積まれているのがあるが、人やモンスターを斬る用ではちょっと、かなり不衛生である。
「ってか、私の装備どこかしら?」
二丁拳銃×2はもちろんのこと、ガンホルダーに、ダガー・・・は特に執着はないか。保存食などのその他諸々。ようやく旅ができる装備になったのだ。是が非でも取り戻したい。保存食は・・・諦めるとしても、装備品は諦めきれない。こういう時、魔道士なら印を付けて在り処をハッキリさせられるのだが、私に魔法系スキルはない。まぁ、その代わりの緊急回避、だっ。
後ろから襲いかかろうとしていたゴブリンの咽喉元にヒットした。後ろにいた三匹を巻き込んでデータになって消えた。壁に叩きつけられて怯んだ隙に更に蹴りを入れる。どちらも二撃目で霧散した。
「下っ端みたいだし、知らないわよね」
行儀悪いと思いながらもどうせ誰にも見られていないからと林檎を齧りながら移動する。目下の目的は武器の奪取と出口の探索である。

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