異世界空想映〜魔界編

白銀狂神

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王子と従兄弟の生活

王子2

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 『ばしゃ』にゆられて、ぼくがついたばしょには ちいさなおうちがあった。そばにはおおきな木と、女の人と男の子。

 お母さまと おわかれのあいさつをしないで ここにきたぼく。
じいやは ていねいにあたまをさげて、いなくなってしまった。
ぼくは ひとりぼっちに なった。

女の人は ニコニコしているのに こわい。
男の子は わらっているけど ちがうきがする。

女の人は ニコニコをやめて、男の子をたたいた。
男の子は たおれてしまった。
なにをしているのか わからない。
女の人は そのままおうちのなかへ はいってっちゃった。

男の子をみていると、むくりとおきあがって ひとりでたちあがっていた。 すごい。
でも、血がでてきて いたそう。
ぼくは ばあやにもたされたハンカチを 男の子にわたした。
いらないって いわれちゃった。

そのあと、男の子は ぼくをじっと みつめていたけど、
ぼくに なにができるか きいてきた。
でも なにができるか きかれたって、
ぼくは おべんきょうもまだで、
お父さまとお母さまが いそがしいときは
じいやとばあやが あそんでくれた。
おとなしくするのも ちょっとニガテ。

それで なにもわからないぼくは、くびをよこにふった。
ためいきをついてたけど、ぼくをみすてたり しなかった。
このおうちを あんないしてくれて、やさしい人だった。




 ぼくがここにきてから一週間。

あの女の人は、兄さまのお母さまらしい。
ぼくはお母さまに たたかれたことはない。
もしかしたら、兄さまの本当のお母さまでは ないのかもしれない。

それと、このおうちは小さくて、ぼくのおへやはない。
兄さまのおへやで いっしょにねている。
だれかといっしょにねるのは はじめてだったけど、
兄さまのうでの中は あたたかかった。

あと、兄さまには「かていきょうし」という人がついてて、
ぼくにもおべんきょうを おしえてくれた。
『れいぎさほう』というものを おしえてもらっているけど、
なんでこんなものを おしえてもらってるんだろう?

 ちらっと兄さまを見る。
ぼくがきたときと おなじわらい方をしていて、
なんだか お人形さんみたい。
それに、兄さまは ぼくとおなじ目の色をしていて、
やさしかったお父さまを おもい出す。

見つめているのがわかったのか、兄さまはこちらを見ている。

「兄さま?」

ぼくがそうよぶと、いやそうなかおをする。
そういえば、人のまえでこのよび方はやめるように いわれていたっけ。じゃぁ、兄さまのなまえを よべばいいかな?

「に、……ゼウス兄さま」

つい兄さま、とよびそうになった。
でもなまえもつけてよんだし、これでしらないフリを されたりはしないはずだ。

でも かえしてもらえなかったら…、

「僕とお前は兄弟じゃない。血の繋がりはない。」

ああ、やっぱりこの人は、
やさしいけど つめたくしようとしてる。
なんでだろう?

「それで、何の用だ?」

……ああ、やっとぼくを 見てくれた。
兄さまのきれいなアメジストの目は、ぼくのたからものだ。
お父さまは「宝物は大切にするものだ」といっていた。
ぼくはゼウス兄さまを たいせつにすることにした。

でも、たいせつにするって、どうすればいいんだろう?

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