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王子と従兄弟の生活
王子3 ※
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僕がこの家に来て、一年が経った。
あれからおばさんは、僕を殴ったり鞭で叩いたりするようになったけど、そうした後で必ず兄様を撫でたりする様になって、兄様は笑っているけど嬉しくはなさそう。
僕はお母様に撫でられて嬉しかったけど、兄様は…
きっと撫でられることより、打たれた数の方が多いのだろう。頭に手を置かれるたびに体が震えているのがわかる。
それを見た僕が泣きそうになってると兄様は困ったような、仕方ないなって感じの顔をするのだ。
おばさんがいない時みたいに。
おばさんがいない時の兄様は、よく笑っている。
僕が嬉しいって思っていると、僕より幸せそうな顔で笑うんだ。
その時の笑顔が、僕の一番好きな顔なんだ。
だって、僕のお父様とお母様も同じ顔をしていたから。
───でもね。
その顔は、すぐに見れなくなっちゃったんだ。
………? あれ?
日向ぼっこをしていたはずなのに、なんで天井が見えるの?
「あら、目を覚ましたのね。」
僕の大嫌いな女の人の声が横から聞こえた。
そう、おばさんだ。起き上がった僕に、おばさんは僕の頬を両手で挟むと、横を向かせてきた。そこには……
赤や青、紫の痕を付けた僕の兄様が、見知らぬ大人にナニカをされていた。
それがなんなのか、僕にはわからなくて。
大人たちを気持ち悪いって思ったんだ。
でも、兄様が嫌がって、涙を流しているのだけはわかった。
僕は兄様が泣いている姿を初めて見た。
僕が何をしたって笑って許してくれた兄様。
そんな兄様は虚な目で何を映しているのかわからない。
「ねぇ?」
女の声が耳元で囁く。
「お前の慕う“兄“は今、どんな風に見える?」
悪魔の囁きだった。
僕は、正直に……
その『声』に答えてしまった。
「とても……綺麗だ…………」
この日、僕は。
兄様に纏わりつく男たちに憎悪して。
そして一糸纏わず、涙を流す兄様を見て。
最低なことに、初めて『恋』をしました。
あれからおばさんは、僕を殴ったり鞭で叩いたりするようになったけど、そうした後で必ず兄様を撫でたりする様になって、兄様は笑っているけど嬉しくはなさそう。
僕はお母様に撫でられて嬉しかったけど、兄様は…
きっと撫でられることより、打たれた数の方が多いのだろう。頭に手を置かれるたびに体が震えているのがわかる。
それを見た僕が泣きそうになってると兄様は困ったような、仕方ないなって感じの顔をするのだ。
おばさんがいない時みたいに。
おばさんがいない時の兄様は、よく笑っている。
僕が嬉しいって思っていると、僕より幸せそうな顔で笑うんだ。
その時の笑顔が、僕の一番好きな顔なんだ。
だって、僕のお父様とお母様も同じ顔をしていたから。
───でもね。
その顔は、すぐに見れなくなっちゃったんだ。
………? あれ?
日向ぼっこをしていたはずなのに、なんで天井が見えるの?
「あら、目を覚ましたのね。」
僕の大嫌いな女の人の声が横から聞こえた。
そう、おばさんだ。起き上がった僕に、おばさんは僕の頬を両手で挟むと、横を向かせてきた。そこには……
赤や青、紫の痕を付けた僕の兄様が、見知らぬ大人にナニカをされていた。
それがなんなのか、僕にはわからなくて。
大人たちを気持ち悪いって思ったんだ。
でも、兄様が嫌がって、涙を流しているのだけはわかった。
僕は兄様が泣いている姿を初めて見た。
僕が何をしたって笑って許してくれた兄様。
そんな兄様は虚な目で何を映しているのかわからない。
「ねぇ?」
女の声が耳元で囁く。
「お前の慕う“兄“は今、どんな風に見える?」
悪魔の囁きだった。
僕は、正直に……
その『声』に答えてしまった。
「とても……綺麗だ…………」
この日、僕は。
兄様に纏わりつく男たちに憎悪して。
そして一糸纏わず、涙を流す兄様を見て。
最低なことに、初めて『恋』をしました。
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