GAKU~神様に想像魔法というチートスキルを貰ったけど俺より強い奴が山ほどいた~

ゆりぞう

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回想

いざ外の世界へ

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 ダンジョンコアの部屋から転移したガク達はウィリアムの拠点である集落に向かう為、照りつける太陽の中、灼熱の砂漠をひたすら歩いていた。



 空気は乾燥し、気温はおよそ50°に達していて、入念に砂漠越えの準備をしている人間ですら生き残るのは難しい環境の中、意外にもガクの足取りは軽く、汗一つかいていないように見える。



「やっと砂漠を歩くのも慣れてきたな。コツさえ掴んでしまえば余裕だな。」



「全く・・・器用な男じゃの。魔法を使いながらこうして長時間も歩く事なんて普通の人間にはできんぞ?」



 ダンジョンの外に出て初めて外が砂漠地帯という事をガクは思い出したと同時に、この装備で砂漠の中を歩くのは自殺行為だと悟った。



 そこでガクは魔法を使い、身体の表面に薄い水の膜を纏わせることによって暑さから身体を守っていたのであった。



 幸いにも魔力の消費量は少なくて済んだのでこの状態で砂漠を歩いていたのだった。




「ウィル爺は骨なんだから暑さとか感じないからいいだろうけど、さすがに俺はこの暑さの中歩ける気がしないって。使える物はなんでも使っていかなきゃな。この状態を維持するのも魔法の訓練になってるから一石二鳥だろ。」




「なるほどのぅ。片時も時間を無駄にしないで魔法の訓練までするとは、本当にガクは努力家なんじゃのう。いやはや感服じゃわい。」



「・・・いきなりなんだよ。」




「儂はガクに剣術を教えた、言わばガクにとって師匠じゃ。そんな可愛い弟子が成長の為に努力し続けているのじゃ。」



「いや、ちょっ「儂はどうやらガクの成長を妨げる事をしていたかもしれんのぅ。今から襲ってくる魔物は全てガクに対処してもらう事にしよう。この暑さは老骨にはちときついわい。」



 ガクはすぐにツッコミを入れようとしたが、咄嗟に口を閉じた。これ以上言ったらとんでもないことになると直観的に感じたからだ。




 なにもガクの軽口にウィリアムは怒ったからこのような事を言ったわけではない。砂漠の移動にも慣れてきて、そろそろ戦闘でもさせてみようかとウィリアムが思っていた時にガクが軽口を言ってきた為、ただ単にウィリアムはガクの事をからかっていただけだった。




 これまでの道中、ガクが砂漠を歩くのが初めてだったという事もあり、魔物との戦闘は全てウィリアムが請け負っていた。



 1度や2度の戦闘ではない、数えるのが馬鹿らしくなるほどの魔物がガク達に襲い掛かってきていた。



 その全てをウィリアムは大した苦労もせずに剣の一振りで魔物を一刀両断していた。



「・・・実はさ、そろそろ俺も外の世界の魔物と戦ってみたいなーと思ってたんだよね。ウィル爺だけに任せるのも悪いと思っていたし・・・たださ、初めてだから1体づつにしてくれないかな?たのむよーウィル爺!」



「そうじゃな、何事も詰め込みすぎるのはよくないな。始めは1体、少しづつ慣らしていけばよいか。」



 半泣きになりながら頼み込む姿を見て、内心苦笑いをしながらもガクの頼みを聞くウィリアム。やはり弟子には甘いようだ。



「そんなことを言っておったら砂漠のサメが出てきよったな。」



 前方から砂塵をまき散らし、砂上から背ビレを出しながら数体の魔物がこちらに向かってきていた。ガクはすぐさま鑑定をして戦闘態勢を整える。




 砂漠にサメなんかいるのかよ?!大人しく海でも泳いでろよ!!



 襲ってきた【サンドシャーク】は合計6匹いたが、近くまでくるとガクとウィリアムの周りを囲み、徐々に包囲網を狭めてきている。



「このように、こやつらは群れで狩りをする魔物じゃ。単体ではさほど強くはないが、群れになると少々厄介な魔物となるぞ。相手が弱るまで決して近づいてこずに、魔法で攻撃を仕掛けてくるからきおつけるんじゃ。」



 ウィリアムが悠長に魔物の説明を続けている間にもガクはサンドシャークから集中砲火を受けていた。四方八方から砂の槍がガク目掛けて次々と襲い掛かってくる。





 な、なんで俺ばっかり狙ってくるんだよ!?肉が付いてるからなのか?くそッ!!骨にも少しは興味を持てよ!!





 内心で悪態をつきながら、危なげなく砂の槍を躱していく。ガクも自分がこうも執拗に狙われているのがなんとなく分かっていた。弱い方から仕留めて行くのが狩りの基本だ。



 砂の中を泳ぎ回ってるから攻撃ができねぇ・・・というか避けるので精一杯だな。なんとなくこの魔物を見た時から試してみたいことがあったんだよな。



 サンドシャークの攻撃が一瞬の間止んだのを見計らい、砂漠に両手をついたガク。



 地形変化テレインチェンジ



 瞬く間に半径10メートルほどの範囲の地面がコンクリートのように固くなりサンドシャークの群れは脱出することも出来ずに、その場から動けなくなっていた。



「おー。上手くいったな。後は適当に止めをさしていけばいいな。」



「なんじゃ。1人でも倒せるではないか。これならば大丈夫そうじゃな。」





「勘弁してくれ・・・。」といいながらも動けなくなったサンドシャークの群れに止めをさしていき、魔物をインベントリに入れていく。



 このインベントリにはほぼ無限に物を入れられる、中に入れた物の時間が停止しているに加え、魔物を入れると解体してくれるという便利機能まであった。これを知ったのは、外にでてからウィリアムが道中の魔物を狩った時に勿体ないからと、インベントリに収納した時に気付いた。



 この事実に気付いた時、ガクは大層喜んだ。なにせ解体の技術を覚えなければ魔物の内部にある魔石すら取り出すことも出来ないのだから。





「もう3時間は歩いてるけど、ウィル爺の集落まで後どの位かかるんだ?」



 ダンジョンから外に出た時は真上にあった太陽も、今は西に沈みつつあるが依然として太陽の光は弱まる気配が見えない。周りは見渡す限り砂漠が広がっており、この景色にもうんざりし始めてきたようだった。




「もう少しじゃよ。若いんじゃから文句を言っておらんで歩かんか。」



 軽口を言い合いながらも進んで行き、途中で牛ほどのサイズの蠍、【デビルスコーピオン】に襲われたり、巨大なミミズ、【サンドワーム】に襲われたりしたが、危なげなくガク1人で対処していた。



 太陽が西に傾き辺りが薄暗くなり始めた頃、ようやくウィリアムの拠点となる集落が見えてきた。




「・・・なぁウィル爺。あれがまさかウィル爺の拠点の集落なのか?勝手に村を想像してたんだけど・・・。」



「村というには少々物騒かもしれんな。小さいことは気にするようではいかんぞ。」



 ガク達はウィリアムの集落が見下ろせる砂漠の丘に立っていた。



 大きな湖があり、その湖には緑が生い茂っている。



 その周りを巨大な石造りの塀で覆われており、頑丈そうな門がある。ここから集落までは300メートル程離れている為、正確な大きさは分からない。



「これが小さい事か?!どう考えても村じゃなくて、町だろう?!俺はウィル爺の友人が数人いるだけの寂しい寒村を想像してたぞ。」



「これでも儂は長生きしとるんだから、友人が数人だけとは考えにくいこと位わかるじゃろう。もしかして人見知りなのか?情けない男じゃのぅ。」



 言い合いをしながらも歩いていると、門の方から砂塵をまき散らしながら何かがこちらに向かってきていた。



 戦闘の準備を整えようとするガクを制してきたウィリアムは「1番面倒臭いのがきてしまったのぅ・・・。」と小さな声で呟いた。



 暫くすると向かってきているのは、サンドシャークという事が分かったが、ガクが倒したサンドシャークよりも一回り以上でかく、地面から1メートルは突き出ている、その巨大な背ビレに何者かが捕まりながらこちらに向かってきているのが分かった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【名前】 サンドシャーク C+ランク

【年齢】  ?

【種族】  魚類

【体力】  C

【攻撃】  B

【防御】  E

【魔力】  C

【素早さ】 B

【運】   B

【固有スキル】 土魔法



中央大陸には生息していない、体長3メートル程の砂漠を泳ぐ鮫。

単体のランクはC+だが、基本的に群れで狩りをする砂漠のハンターな為、群れの規模にもよるが最低でもB+。

獲物が弱るまで決して近づかず、砂の槍で攻撃を仕掛けてくる。

 
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