GAKU~神様に想像魔法というチートスキルを貰ったけど俺より強い奴が山ほどいた~

ゆりぞう

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回想

アピスとの出会い

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 ミーフィアの店を出たガクはミノスの家が何処にあるのか知らないという事に気付き、頭を悩ませていた。



 俺、ミノスが何処に住んでるか知らないんだよな・・・。ウィル爺の家に戻って聞くのは、スーが正気に戻ってたらはっきり言って面倒だし。かと言ってミーフィアの店に戻って聞きに行くってのもな・・・。さっきの屋台のおっさんに聞きに行くか。



 屋台のおっさんにミノスの住んでいる場所を聞くと、知っていたので教えてもらい、感謝を告げミノスの住む家に向かった。



 ミノスの家は湖の傍にあるようで、ウィリアムが住んでいる家と近く、何件か家が建っていたのでそのどれかだろうと推測した。




「ここか・・・。というか、分かりやすくて助かったわ。ミノスいるか?!」



 大きく【ミノス】と書かれた表札の横の玄関をノックしながら叫ぶと、少しすると玄関の扉がゆっくり開いた。



「モゥ・・・?」



 すこし開いた玄関の隙間からまだ子供であろうミノタウロスが顔を覗かせていた。



 ミノスの子供か・・・?あいつに子供なんて居たんだな。



「俺はガクって言うんだけど、ミノスに用事があるんだけどいるか?」



「ガク・・・?父は朝早くから出かけてまだ戻ってないです。あの、父の知り合いのようですし、もしよろしければ中でお待ちになられますか?」



 ウィル爺の家にはまだ戻りたくないしな・・・かと言って何処かに行く程この町の事なんか知らないしな。



「じゃあ悪いけど中で待たせてもらってもいいか?」



 家の中はミノスがでかいからなのか天井がやけに高く家具なども巨大でミノス仕様って感じだな。意外と綺麗だし、もしかして綺麗好きなのか?案内された場所はリビングのような場所で、でかいソファーがある。




「ありがとな。えーと・・・」



「あ・・・すいません。まだ僕の名前を言ってませんでしたね。アピスと言います。」



「へー、アピスは礼儀正しいな。父親があんなだから少しびっくりしてるよ。」



 本当にミノスの子供とは思えない位、礼儀正しいし、この町に来てから変な奴にしか会ってないからなんか癒されるな。



「父は・・・今お茶をお持ちしますね。どうぞ座って待っていて下さい。」



 ん?なんだ今の間。そうか、ミノスの事を馬鹿にしたつもりはないけど、そう捉えられてもしかたがない言い方しちまったか・・・失敗したな。



 少し待っていると、お茶をアピスが持ってきてくれた。



「アピス、ありがとな。上手いなこのお茶・・・飲んだことない味だけど、香ばしくてなんか懐かしいような味がするな。」



「ありがとうございます。そのお茶は先日、近所に住んでいるスーお姉様という方にお裾分けして頂いた物なんです。」



 スー・・・?お茶の色は麦茶のように茶色。一見普通にみえるんだが、あいつが真面なお茶を渡すとは思えないんだが・・・。



「あー参考までに聞きたい、というか見たいんだけど、スーにお裾分けしてもらったのを見せてほしいんだけどいいか?」



 アピスは不思議そうにしながらも、スーから貰ったというお茶を持ってきてくれた。



 アピスが持ってきた茶葉は一見、普通の茶葉に見える。だからこそますます怪しい。



「普通・・・だな。アピスはこれがどうやって作ったとか知ってたりするか?」



「はい。コロガリバッタを天日干しにしてから、少し粗めに砕いて炒ったお茶の葉と混ぜた物と聞いております。何か問題でもありましたか?」



 また出たよ・・・コロガリバッタ。あいつはなんでも虫を入れなきゃ気が済まないのかよ。



「あー・・・いや、美味かったからさ、少し気になってな。これをミノスは飲んでるのか?」



「はい。父もこのお茶が好きなようでして、無くなったらスーお姉様にいつも頂いているんです。」



 もしミノスがこのお茶をスーから貰ったことを知っていたら飲んでいないはず。飲んでいるという事は、恐らくミノスはこのお茶が虫から出来ている事は知らない・・・今朝、ミノスは俺を生贄にして逃げやがったからな。



 あの時感じた絶望をお返ししてやるッ!!



「今帰ったぞ!!ん?誰か来てるのか?おー、ガクじゃねぇか。どうした?」



 ガクが黒いオーラを出していると丁度良くミノスが自宅に帰ってきたようだ。



「ちょっとミノスに用事があってさ、お邪魔させてもらってるよ。まぁ座れって。」



「用事?というか俺の家だぞ?寛ぎすぎだろうがッ!」



「そんな小さい事は気にするなよ。今日はミノスに渡したい物があってさ。その前に、アピス。さっきのお茶貰ってもいいか?」



「いや、だから俺の家・・・まあいいか。アピス俺にもくれ。どうせ、朝の飯の残り物でも持ってきたんだろ?」



「あれか・・・いや、あれはミノスの分まで全部美味しく頂いてきたよ。それとは別の物なんだけど、沼蛇の肉好きなんだろ?ウィル爺から聞いたからミノスに渡そうと思ってさ。」



「あんな物食べて良く無事でいられたな・・・ガクは人間じゃなくて蛙人フロッグマンだろ。おッ!!気が利くじゃねーか!ウィリアムに頼んでたけどこいつは見つけるのが面倒だから、今回は狩ってないと思ってだぜ!」



 蛙人とはスーの種族の事である。どちらかというと、魔物というよりかは亜人と呼べるだろう。



 喜んでいるミノスの元にアピスが例のお茶を持ってきてくれた。



「ありがとよ。アピス、沼蛇の肉が手に入ったぞ?今日の夜はこれのステーキでも食うか。」



「僕はちょっと沼蛇の肉は苦手だから、父さんが全部食べていいですよ?」



 ガクはこの時少しの違和感を感じていた。一見すると微笑ましい親子の会話だが、お互いの間に1枚の小さな壁があるようなそんな些細な違和感。



「この味が分からんとはまだまだ子供だなッ!!しかしこのお茶は美味いな。」



「・・・そういえばさ、俺に稽古つけてくれるって言ってたよな?暇なら今からどうだ?」



「いいぜ。」と言い、一気にお茶を飲み干すミノスを見てガクは小さく笑った。
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