これ番外編なんです!私小説「僕のこの恋は何色?」本編に書けなかった削除部分特集

歴野理久♂

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理久の宝塚回想

瀬戸内美八・大地真央・麻実れい・松あきら・若葉ひろみ・峰さを理

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★この項には実在の宝塚スターの芸名が明記されますので「番外」としました。

 この項は僕の宝塚歌劇についての回想を綴りました。
 宝塚歌劇に興味の無い方には全くちんぷんかんぷんな内容となっております。
 また、ストーリーとは無関係な項なので飛ばして頂いても影響はありません。
 よろしくご判断下さい。


※──────────※


 僕の宝塚観劇は82年東京の星組から始まる。
 トップは瀬戸内美八。
 メリハリの利いた、派手な立ち居振舞のスターだった。

 宝塚で言う所の「三拍子揃った」とは歌、踊り、芝居の事を指しているが、実はもうひとつ容姿を足して「四拍子」とする向きもある。
 僕はピアノや合唱に深く関わって育った事もあり、どうしてもまず「歌」が気になる。
 もし初めて観た主演が「歌の不得手な人」だったら、僕はこれ程ハマらなかったかも知れない。(何が歌劇?)と苦笑いして離脱したかも知れないのだ。
──その点、瀬戸内美八は歌える人だった。何より声量が素晴らしい。

 そして一番に魅せられたのが、当時二番手だった峰さを理だ。
 まだ若くて、男役としては所作も可愛い感じだったが、とにかく歌が素晴らしい。声も美しく、これはもって生まれた才能だ。
 本文では、初観劇について「公演内容が良かった」と書いたが、演者も良かったと言うのが正しい。この初見で僕は宝塚に魅せられた。


 月組では、これまた更に学年の若い大地真央が台頭してきて、その相手役に大抜擢された黒木瞳も信じられないくらい可愛かった。
 大地真央の大スター振りは現在でも知る人は多いだろうが、実は男役としては若干体型の小振りが不利だった。周りの娘役よりも顔が小さい。
「さあ、誰が真央より顔が小さい?との理由で、入団わずか一年目の黒木瞳が大抜擢!」
──との、これは当時のファンの間でまことしやかに囁かれた噂話だ。

 ちなみに二番手にも少々小振りな剣幸が抜擢された。
 ある意味、自分のサイズを基準に相手役と二番手を揃えさせた大地真央は、確かに稀有な大トップだったのだと思う。


 雪組は当時「ゴールデン・コンビ」と押しも押されぬ人気を誇った麻実れいと遙くらら。
 その後現在に至るまで、高身長のスターはあまた台頭して来たものの、実は男役として最も美しい立ち姿を見せたのは、この麻実れいではないかと未だに僕は思っている。

 鳳蘭、麻実れいと、二人の大スターと組んだ遙くららは娘役として果報者。「風と共に去りぬ」のスカーレットを最後に退団した。


 花組の松あきらは唯一僕が知っていたスターだ。なぜなら彼女は「ベルばら」にフェルゼンとして出ていた。
 僕はNHKの舞台中継を一度しか観ていなかったが、オスカルの安奈淳、上原まりのアントワネットと共にフェルゼンの松あきらの事はちゃんと記憶していた。
 ぎりぎり、退団公演を観る事が出来たのも幸いだった。明治の立役者=川上音次郎を演じて日本芸術祭大賞と言う大輪の花を背負って退団した。

 そして驚いたのが娘役トップの若葉ひろみだ。男役からの転向と聞いていたがその役柄と相まって凄い存在感だった。
 若葉ひろみはこのあと、宝塚を代表する大型娘役と賞賛される事となる。


 やがて星組の瀬戸内美八が退団し、峰さを理がトップとなった。
 若くて可愛くてノーブルだけど、トップとしてはどうなの?との声も聞こえたが「我が愛は山の彼方に」における重厚な芝居と、開けてビックリの雄々しい男役振りで他を圧倒した。
 エンディングの絶唱には完膚無きまでに頭をやられた。宝塚を観て初めて泣かされたのが峰さを理だった。本当に涙が溢れた。

 僕は迷わず「東京峰の会」に入会した。これはつまりファンクラブである。
 結果として峰さお理が退団する87年まで星組のチエットは安泰だった(その代わり支出も大変だったけど)

「哀しみのコルドバ」「西海に花散れど」など、あまたの名演に本当に泣かせてもらった。
 そして「ブギウギ・フォーリーズ」の「ヒート・ウエーブの女」→これには悩殺された。
 彼女はもちろん男役なのだが度々見せる女役がすこぶる魅力的だった。太ももからふくらはぎ、足首に至るまで見事な美脚だった。
 演出もそこは弁えているから、妙に女役の多いトップだったのにも僕は惹かれた。

 当時の星組──峰さを理の相手役は湖条れいかと南風まいの二人だった。トップ娘役が複数とは非常に稀な事だったが、ここではその事情は割愛する。
 二人ともミネちゃんの相手役としては大変に相応しい歌唱力だった。最強のトリオだったと今も思う。

 峰さを理に引っ張られ、随分兵庫の宝塚大劇場にも行った。
 タッチも付き合ってくれた、と言うか、タッチは同時期二番手の日向薫にぞっこんだった。タッチにすれば汀夏子以来のハマりだと言う。

 峰さを理に関しては地方公演も可能な限り追っ掛けた。
 地方公演は会場が狭くオーケストラも無いので(録音伴奏)とても演者を近くで見られる。独特の魅力があった。


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