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第8章 ヅカ友タッチと長い夜
No,96 今なおタッチは大親友
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【これは現在のお話】
こんにちは、現在の理久です。
ここまでタッチとの出会いを描くために、当時のアナログな宝塚チケット争奪戦のお話をして来ました。
ただただ、懐かしいとしか言えません。
この後、最終的に7時の点呼から10時の前売り整理券の配布まで、更に延々と3時間も並ぶのです。
いや~本当にアナログだった。
でも、やり甲斐もありました。なぜなら、頑張れば頑張っただけの報いは確かにあったのです。
現在は自室からパソコンやスマホで手軽にチケットが買えますが、果たして自分の好きな座席を自由に選べるでしょうか?中々難しいと思います。
何にしても、今も昔もそれぞれに一長一短が有ると言うことですね。
また当時の「列び」にはお祭り気分もあったと思います。
中には持ち寄ったお重を広げて、宴会のようになっているグループもありました。
あな恐ろしや、集団心理の恐ろしさ、いくらなんでもあの都会の路上で宴会とは……(でも誘われれば喜んで交じっちゃうな)
今となっては、古きよき時代でした。
※──────────※
やがて前売り整理券の配布が始まり、僕達もそれぞれ一枚ずつ手に入れました。前夜21時過ぎから列んだ功績です。
僕達の後ろにはまだまだ長蛇の列が出来ていました。
そして僕とタッチは明日を約束して、それぞれ帰路についたのです。
そうなんです!
これで終わりではないのです!
明日が前売り初日の本番なのです!
──そのための前売り整理券だったのですから!
僕とタッチは、この一夜で親友になりました。
※──────────※
ここから続く僕の宝塚ファン時代。
チケット取りも観劇も、いつもタッチと一緒でした。
姉の波奈は、ご贔屓のトップが退団するまで欠かさず雪組公演には上京し、通い続けていました。
その時にはお祭り気分で、僕も派手なスーツ姿で波奈に追従して通っていました。
だけどタッチと一緒の時は、僕はちゃんとタッチよりのファッションに合わせて行動していたのです。
──僕は案外、人に合わせる質らしい。
今にして思うと、観劇もさる事ながらこのチケット取りが楽しかった。
チケット取りが切っ掛けで、新たな女友達も出来ました。
タッチと二人、大雨のさなかビルの壁にくっ付くようにしてしゃがみ込み、傘を寄せ合って列んだ事も思い出します。
冬は冬で行列が寒くて「どこに行くの?」って聞かれそうな防寒着を重ね着して、二人で白い息を吐いていた。
まるで雪山で遭難したような風情で日比谷のビル街に座り込んでいるのだから、全くよくやったものだと思います。
このアナログな「行列方式」はやがて「東宝テレザーブ」と言う電話予約方式に取って変わられ、さらに幾多の変遷を経て、現在のネット販売へと変化して来ました。
しかしいつの世にも、なぜかトップ・スターのファン・クラブにさえ入っていれば、取り敢えずチケットは手に入ると言う不思議現象。
蛇のみちはヘビ。
ファン・クラブの得体の知れない底力を感じます。
※──────────※
そして現在、僕の宝塚熱は冷めています。
忘れたわけではないし、勿論キライになった訳でもない。ただ、若かった時ほどの情熱は無くなりました。
──それは、僕の中では自然な流れ。
ただ、懐かしい作品の再演や、お勧めの作品は時々観ています。
え?誰のお勧めって?
もちろんタッチのお勧めです。
タッチはいまだに、結構良い席を取ってくる。
さすがだね!タッチ………
こんにちは、現在の理久です。
ここまでタッチとの出会いを描くために、当時のアナログな宝塚チケット争奪戦のお話をして来ました。
ただただ、懐かしいとしか言えません。
この後、最終的に7時の点呼から10時の前売り整理券の配布まで、更に延々と3時間も並ぶのです。
いや~本当にアナログだった。
でも、やり甲斐もありました。なぜなら、頑張れば頑張っただけの報いは確かにあったのです。
現在は自室からパソコンやスマホで手軽にチケットが買えますが、果たして自分の好きな座席を自由に選べるでしょうか?中々難しいと思います。
何にしても、今も昔もそれぞれに一長一短が有ると言うことですね。
また当時の「列び」にはお祭り気分もあったと思います。
中には持ち寄ったお重を広げて、宴会のようになっているグループもありました。
あな恐ろしや、集団心理の恐ろしさ、いくらなんでもあの都会の路上で宴会とは……(でも誘われれば喜んで交じっちゃうな)
今となっては、古きよき時代でした。
※──────────※
やがて前売り整理券の配布が始まり、僕達もそれぞれ一枚ずつ手に入れました。前夜21時過ぎから列んだ功績です。
僕達の後ろにはまだまだ長蛇の列が出来ていました。
そして僕とタッチは明日を約束して、それぞれ帰路についたのです。
そうなんです!
これで終わりではないのです!
明日が前売り初日の本番なのです!
──そのための前売り整理券だったのですから!
僕とタッチは、この一夜で親友になりました。
※──────────※
ここから続く僕の宝塚ファン時代。
チケット取りも観劇も、いつもタッチと一緒でした。
姉の波奈は、ご贔屓のトップが退団するまで欠かさず雪組公演には上京し、通い続けていました。
その時にはお祭り気分で、僕も派手なスーツ姿で波奈に追従して通っていました。
だけどタッチと一緒の時は、僕はちゃんとタッチよりのファッションに合わせて行動していたのです。
──僕は案外、人に合わせる質らしい。
今にして思うと、観劇もさる事ながらこのチケット取りが楽しかった。
チケット取りが切っ掛けで、新たな女友達も出来ました。
タッチと二人、大雨のさなかビルの壁にくっ付くようにしてしゃがみ込み、傘を寄せ合って列んだ事も思い出します。
冬は冬で行列が寒くて「どこに行くの?」って聞かれそうな防寒着を重ね着して、二人で白い息を吐いていた。
まるで雪山で遭難したような風情で日比谷のビル街に座り込んでいるのだから、全くよくやったものだと思います。
このアナログな「行列方式」はやがて「東宝テレザーブ」と言う電話予約方式に取って変わられ、さらに幾多の変遷を経て、現在のネット販売へと変化して来ました。
しかしいつの世にも、なぜかトップ・スターのファン・クラブにさえ入っていれば、取り敢えずチケットは手に入ると言う不思議現象。
蛇のみちはヘビ。
ファン・クラブの得体の知れない底力を感じます。
※──────────※
そして現在、僕の宝塚熱は冷めています。
忘れたわけではないし、勿論キライになった訳でもない。ただ、若かった時ほどの情熱は無くなりました。
──それは、僕の中では自然な流れ。
ただ、懐かしい作品の再演や、お勧めの作品は時々観ています。
え?誰のお勧めって?
もちろんタッチのお勧めです。
タッチはいまだに、結構良い席を取ってくる。
さすがだね!タッチ………
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