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第1章 入学〜インターハイ予選
第73話 決勝リーグ1日目終了
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メンバープロフィール
小宮山 悟
星垓高等学校3年
182㎝71kg
誕生日 :1/6
血液型 :A
特徴:黒髪で長さも一般的だが天然パーマが特徴であり、コンプレックスでもある(小学生の時にカリフラワーと呼ばれていた)。だが高校1年の時1度だけストレートパーマをかけたら自分だと認識されなかった為、現在に落ち着いている。
実は星垓高校において生徒会長を務めている。
特技 :モノマネ
趣味 :テレビ視聴
得意教科 :社会系全般(現社、倫理、地理、歴史系)
苦手教科 :英語
得意なプレイ :スクリーン、ルーズボールなどの泥臭いプレイ
バスケを始めたきっかけ :兄がやっていたから
密かな悩み :天然パーマがコンプレックス
ーーーーーーーーーー
バシィッ!
長崎「なっ…!?」
真田が長崎のスリーポイントを値千金のブロック。
当の本人である真田も一瞬、何が起こったのかわからなかった。
新城「ルーズボール拾え!」
新城がいち早く声を出す。
ボールはインサイドの密集地に転がる。
ルーズボールはクイックネスと体格を生かし髙木が拾う。
新城「よこせ!」
髙木は倒れ込みながら新城にパスを通す。
新城、前線にボールを放る。
長崎「!!!!」
そこには、いち早く速攻に走っている青の11番の姿。
最高の位置でボールを受けワンマン速攻に走る涼真。
桐神学園メンバーは必死に追うも誰も追いつけない。
長崎がスリーを構えた時点で桐神学園の選手達は、僅かに気持ちが緩んでしまった。
それほど残り1分からの桐神学園の勢いは押せ押せムードだった。
だが、長崎のスリーが決まっていても1点差。
桐神学園の選手達は、「まだ追いついていない」ことを頭から離してはいけなかった。
ここぞとばかりに速攻で走った涼真。
桐神学園の選手達も懸命にディフェンスに戻るも、センターラインを超えた頃には、いち早くスタートしていた涼真がはるか遠くのゴールで舞う。
ドガァァァァァァァ!
渾身のトマホークダンクを叩き込む涼真。
星垓ベンチが全員ガッツポーズで立ち上がる。
そして更に悪いことに、スローワーの新海がスローインをミス。
星垓にボールの権利が渡ってしまう。
止むを得ずファウルで時計を止めるも、ファウルを受けた新城が落ち着いて2本のフリースローを沈める。
そして最後の桐神学園のオフェンス。
長崎のランニングしながらのスリーポイントがリングに弾かれ、試合終了のブザーが鳴る。
ピピーッ!
試合終了
星垓 84
桐神学園 76
星垓メンバーは勝利の喜びもそこそこに整列する。
桐神学園メンバーは、力を失いコートに伏して泣く者、呆然と立ち尽くす者と様々だが、あるものは助けを借りつつ試合後の整列をする。
審判「84対76で青(星垓)!」
「ありがとうございました!」
両チームともに健闘を讃え合う。
涼真「来週はお前らはまず湘洋大付属とか」
櫻田「来週2勝すれば2位以内に入る可能性は十分ある。お前らへのリベンジは全国だ」
涼真「うちだって、来週やる相模も湘洋大付属も簡単な相手じゃねえけど、1位でインターハイに行ってみせるさ」
櫻田「負けんなよ」
涼真「そっちもな」
星垓サイドは喜びに湧いている。
桐神学園サイドは負けに消沈しながらも、「切り替えてあと2つ勝とう」という声が聞こえている。
櫻田「……」
ロッカールームに引き上げた桐神学園メンバー。
ボトルから水を飲みながらも櫻田の顔は険しくなるばかりだ。
櫻田の様子を見て、誰も口を開けないでいた中、キャプテンの長崎が口を開く。
長崎「連敗かよ…たまんねえな」
水を飲んでいた櫻田の動きが止まる。
長崎「まだ全国への道が閉ざされたわけじゃない。残り2つ、何としても勝とう」
新海「長崎さん…」
(キャプテンとして…ほんとは1番悔しいはずなのに)
長崎「負けたのは俺の責任だ」
桐神メンバー「!?」
長崎「俺も最後の追い上げの時、『勝てる』って気が緩んじまった。あそこで気を引き締めて全員の手綱を締めるのが俺の仕事なのに、だ」
一同「………」
長崎「あと2試合、絶対に悔いは残さねえ!今年も全国に行くぞ!」
桐神メンバー「おう!」
宮藤監督はそれを外で聞いていた。
宮藤「長崎がキャプテンらしく締めてくれたか…切り替えの面は問題なかろう」
-一方、勝った星垓のロッカールームでは
勝ったこともあってか、割と和やかな雰囲気。
髙木「とりあえず第1関門は突破したな」
中澤「見ててヒヤヒヤしたけどな」
小宮山「俺もマネージャーとして見てたけど緊張しっぱなしだよ」
矢島「でもこうやって接戦で勝ち切れたんだ、自信にはなったよな」
新城「とりあえず勝ったのはいい、でも次の相模も気の抜けない相手だからな」
涼真「……」
唐沢「……」
新城、監督の唐沢、そして全国制覇も経験している涼真はこの雰囲気に僅かに引っかかりを感じている。
勝つことは自信に繋がるが、一歩間違えばそれは「驕り」にもなるからだ。
驕りは慢心となり、油断に繋がり、敗北に至る。
それをこの3人は危惧していた。
ともかく1日目が終わり、勝敗はこのようになった。
現時点での順位(得失点差含む)
1 湘洋大付属 +14
2 星垓 +8
3 桐神学園 -8
4 東裁大相模 -14
会場では次の土曜日の試合順がアナウンスされている。
第1試合(女子)
平塚学院 - 星垓
第2試合(男子)
東裁大相模 - 星垓
第3試合(女子)
金沢女子学院 - 旭山
第4試合(男子)
湘洋大付属 - 桐神学園
ここから1週間、決勝リーグを争う4校は更に練習を積み上げチームの完成度を上げていくことになる。
-帰り道
チームでの解散後、この日も家の方向が近いいつもの6人での帰りだ。
春香「慎ちゃんも涼ちゃんも大活躍だったね!」
慎太郎「どうだか…俺ちょっとしか出てねえもん」
美保(そのわりには目立ってたけど)
満月「涼真くんは今日も36得点にアシストも2桁でしょ?さすがだよね」
春香「うんうん、それにドリブルだってキレもスピードも凄かったし!」
涼真「…そうだった?」
武蔵「気づいてねえのかよ?」
一同(無自覚だったのか…)
涼真「身体能力が伸びてきてるのは高校生だし普通のことじゃないのか?」
慎太郎「まあそうかもしれないけど」
(それにしたってこいつのは異質だ…基礎能力で凄まじいのにプレイすればする程それが上がっていきやがるんだからよ)
涼真「それに俺は…なんつーか…自分のプレイに納得がいってないんだよな」
一同「???」
美保「どういう事?」
(こっちからすれば圧倒的なプレイをしてるとしか思えないのに)
涼真「…うーん…わかんね。忘れてくれよ」
武蔵「明日オフだけど学校終わりどうする?」
慎太郎「涼真ん家でゲームしね?1番広いし」
美保「期末テスト近いのに何言ってるの?するなら勉強!」
慎太郎「ええ…息抜きくらいいいじゃねえかよ」
涼真「お前は普段から息抜きばっかしてるようなもんだろ」
慎太郎「うぐ…←成績の事では言い返せない」
他愛もない会話の中の涼真の言葉
この時の涼真の言葉の意味を、そして涼真の本当の力を数年後、5人は知ることになる。
北条涼真というバスケットボールプレイヤーが周囲、そして自分自身の想像も超えたプレイヤーへと化けて行くことによって。
涼真「まあ、勉強したら、その後でバスケすればいいじゃねえかよ」
慎太郎「ええっ!?絶対やだ!勉強で頭使ったら疲れてバスケどころじゃなくなる」
武蔵「お前どんだけ脳筋なんだよ…」
そんな中涼真は、目の前の相模戦に向けて気持ちを入れ替えていた。
涼真(待ってろよ梅村、椿。そして東裁大相模!)
To be continued…
小宮山 悟
星垓高等学校3年
182㎝71kg
誕生日 :1/6
血液型 :A
特徴:黒髪で長さも一般的だが天然パーマが特徴であり、コンプレックスでもある(小学生の時にカリフラワーと呼ばれていた)。だが高校1年の時1度だけストレートパーマをかけたら自分だと認識されなかった為、現在に落ち着いている。
実は星垓高校において生徒会長を務めている。
特技 :モノマネ
趣味 :テレビ視聴
得意教科 :社会系全般(現社、倫理、地理、歴史系)
苦手教科 :英語
得意なプレイ :スクリーン、ルーズボールなどの泥臭いプレイ
バスケを始めたきっかけ :兄がやっていたから
密かな悩み :天然パーマがコンプレックス
ーーーーーーーーーー
バシィッ!
長崎「なっ…!?」
真田が長崎のスリーポイントを値千金のブロック。
当の本人である真田も一瞬、何が起こったのかわからなかった。
新城「ルーズボール拾え!」
新城がいち早く声を出す。
ボールはインサイドの密集地に転がる。
ルーズボールはクイックネスと体格を生かし髙木が拾う。
新城「よこせ!」
髙木は倒れ込みながら新城にパスを通す。
新城、前線にボールを放る。
長崎「!!!!」
そこには、いち早く速攻に走っている青の11番の姿。
最高の位置でボールを受けワンマン速攻に走る涼真。
桐神学園メンバーは必死に追うも誰も追いつけない。
長崎がスリーを構えた時点で桐神学園の選手達は、僅かに気持ちが緩んでしまった。
それほど残り1分からの桐神学園の勢いは押せ押せムードだった。
だが、長崎のスリーが決まっていても1点差。
桐神学園の選手達は、「まだ追いついていない」ことを頭から離してはいけなかった。
ここぞとばかりに速攻で走った涼真。
桐神学園の選手達も懸命にディフェンスに戻るも、センターラインを超えた頃には、いち早くスタートしていた涼真がはるか遠くのゴールで舞う。
ドガァァァァァァァ!
渾身のトマホークダンクを叩き込む涼真。
星垓ベンチが全員ガッツポーズで立ち上がる。
そして更に悪いことに、スローワーの新海がスローインをミス。
星垓にボールの権利が渡ってしまう。
止むを得ずファウルで時計を止めるも、ファウルを受けた新城が落ち着いて2本のフリースローを沈める。
そして最後の桐神学園のオフェンス。
長崎のランニングしながらのスリーポイントがリングに弾かれ、試合終了のブザーが鳴る。
ピピーッ!
試合終了
星垓 84
桐神学園 76
星垓メンバーは勝利の喜びもそこそこに整列する。
桐神学園メンバーは、力を失いコートに伏して泣く者、呆然と立ち尽くす者と様々だが、あるものは助けを借りつつ試合後の整列をする。
審判「84対76で青(星垓)!」
「ありがとうございました!」
両チームともに健闘を讃え合う。
涼真「来週はお前らはまず湘洋大付属とか」
櫻田「来週2勝すれば2位以内に入る可能性は十分ある。お前らへのリベンジは全国だ」
涼真「うちだって、来週やる相模も湘洋大付属も簡単な相手じゃねえけど、1位でインターハイに行ってみせるさ」
櫻田「負けんなよ」
涼真「そっちもな」
星垓サイドは喜びに湧いている。
桐神学園サイドは負けに消沈しながらも、「切り替えてあと2つ勝とう」という声が聞こえている。
櫻田「……」
ロッカールームに引き上げた桐神学園メンバー。
ボトルから水を飲みながらも櫻田の顔は険しくなるばかりだ。
櫻田の様子を見て、誰も口を開けないでいた中、キャプテンの長崎が口を開く。
長崎「連敗かよ…たまんねえな」
水を飲んでいた櫻田の動きが止まる。
長崎「まだ全国への道が閉ざされたわけじゃない。残り2つ、何としても勝とう」
新海「長崎さん…」
(キャプテンとして…ほんとは1番悔しいはずなのに)
長崎「負けたのは俺の責任だ」
桐神メンバー「!?」
長崎「俺も最後の追い上げの時、『勝てる』って気が緩んじまった。あそこで気を引き締めて全員の手綱を締めるのが俺の仕事なのに、だ」
一同「………」
長崎「あと2試合、絶対に悔いは残さねえ!今年も全国に行くぞ!」
桐神メンバー「おう!」
宮藤監督はそれを外で聞いていた。
宮藤「長崎がキャプテンらしく締めてくれたか…切り替えの面は問題なかろう」
-一方、勝った星垓のロッカールームでは
勝ったこともあってか、割と和やかな雰囲気。
髙木「とりあえず第1関門は突破したな」
中澤「見ててヒヤヒヤしたけどな」
小宮山「俺もマネージャーとして見てたけど緊張しっぱなしだよ」
矢島「でもこうやって接戦で勝ち切れたんだ、自信にはなったよな」
新城「とりあえず勝ったのはいい、でも次の相模も気の抜けない相手だからな」
涼真「……」
唐沢「……」
新城、監督の唐沢、そして全国制覇も経験している涼真はこの雰囲気に僅かに引っかかりを感じている。
勝つことは自信に繋がるが、一歩間違えばそれは「驕り」にもなるからだ。
驕りは慢心となり、油断に繋がり、敗北に至る。
それをこの3人は危惧していた。
ともかく1日目が終わり、勝敗はこのようになった。
現時点での順位(得失点差含む)
1 湘洋大付属 +14
2 星垓 +8
3 桐神学園 -8
4 東裁大相模 -14
会場では次の土曜日の試合順がアナウンスされている。
第1試合(女子)
平塚学院 - 星垓
第2試合(男子)
東裁大相模 - 星垓
第3試合(女子)
金沢女子学院 - 旭山
第4試合(男子)
湘洋大付属 - 桐神学園
ここから1週間、決勝リーグを争う4校は更に練習を積み上げチームの完成度を上げていくことになる。
-帰り道
チームでの解散後、この日も家の方向が近いいつもの6人での帰りだ。
春香「慎ちゃんも涼ちゃんも大活躍だったね!」
慎太郎「どうだか…俺ちょっとしか出てねえもん」
美保(そのわりには目立ってたけど)
満月「涼真くんは今日も36得点にアシストも2桁でしょ?さすがだよね」
春香「うんうん、それにドリブルだってキレもスピードも凄かったし!」
涼真「…そうだった?」
武蔵「気づいてねえのかよ?」
一同(無自覚だったのか…)
涼真「身体能力が伸びてきてるのは高校生だし普通のことじゃないのか?」
慎太郎「まあそうかもしれないけど」
(それにしたってこいつのは異質だ…基礎能力で凄まじいのにプレイすればする程それが上がっていきやがるんだからよ)
涼真「それに俺は…なんつーか…自分のプレイに納得がいってないんだよな」
一同「???」
美保「どういう事?」
(こっちからすれば圧倒的なプレイをしてるとしか思えないのに)
涼真「…うーん…わかんね。忘れてくれよ」
武蔵「明日オフだけど学校終わりどうする?」
慎太郎「涼真ん家でゲームしね?1番広いし」
美保「期末テスト近いのに何言ってるの?するなら勉強!」
慎太郎「ええ…息抜きくらいいいじゃねえかよ」
涼真「お前は普段から息抜きばっかしてるようなもんだろ」
慎太郎「うぐ…←成績の事では言い返せない」
他愛もない会話の中の涼真の言葉
この時の涼真の言葉の意味を、そして涼真の本当の力を数年後、5人は知ることになる。
北条涼真というバスケットボールプレイヤーが周囲、そして自分自身の想像も超えたプレイヤーへと化けて行くことによって。
涼真「まあ、勉強したら、その後でバスケすればいいじゃねえかよ」
慎太郎「ええっ!?絶対やだ!勉強で頭使ったら疲れてバスケどころじゃなくなる」
武蔵「お前どんだけ脳筋なんだよ…」
そんな中涼真は、目の前の相模戦に向けて気持ちを入れ替えていた。
涼真(待ってろよ梅村、椿。そして東裁大相模!)
To be continued…
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