子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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学生期 弐

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…それから半年後。


「…えー、ここでみなさんにお知らせがあります」


去年のように一年が始まる時期に入学式が行われると、式が終了した後に理事長が壇上に上がって報告を始める。


「今日から臨時教員が一名、増える事になりました。ではどうぞ」

「…みなさん初めまして。魔法協会から派遣されてきました、『アーシェ・クライン』と申します。主に重傷の人の治療を担当する事になってますので、よろしくお願いします」


理事長が紹介するように言うと…元家庭教師の先生が壇上に立ち、自己紹介をしながら俺を見て手を振った。


「…なんか俺達とそんな歳が変わらん先生がやって来たな」

「魔法協会から派遣されてきたってどういう事だ?」

「っていうかこっち見て手を振ってなかったか?俺の気のせい?」


式が終わったので教室に戻ってる最中にクラスメイト達があのお姉さんについて話し始める。


「えー…みなさん、今年もよろしくお願いします。早速ですが、転入生を紹介したいと思います」

「転入生?」

「転入って事は試験を突破してきたのか?」

「転入試験って結構ハードルが高いって噂じゃなかった?」


教室に着くと担任が壇上で挨拶をした後に意外な報告をするのでクラス内がザワザワと騒がしくなった。


「静かに。ではどうぞ」

「あ…初めまして。『カルド・ソレバ』って言います。よろしくお願いします」


担任のドアを開けながら合図に緊張した面持ちの男子が入ってきて自己紹介をすると軽く頭を下げる。


「では席は…」

「先生。ココ空いてます」

「リデックの後ろなら大丈夫だと思います」


担任が空いてる席を見ながら迷ってると隣の席の男子生徒が笑いながら俺の後ろの席を指差し、逆隣の男子生徒も笑いながら推した。


「じゃあソコで。リデック君なら色々と教えてくれるでしょう。分からない事があれば彼に限らず、気軽にみんなに尋ねて下さいね」

「はい」


担任は転入生の席を決めると説明するように告げる。


「そういや、リデック。良く考えたら転入生と席交換した方が良くね?」

「は?」

「いやほら、やっぱ前の奴に聞くより振り返って後ろの奴に聞く方が聞き易いだろ?」

「…まあ俺はどっちでも構わないけど」


前の席の男子生徒が思いついたようにアドバイスしてくるので俺は席を一つ後ろにズレる事に。


「おう、転入生こっちこっち。なんか分からない事があったら俺らかリデックに聞いてくれ」


隣の席の男子生徒は歩いてる転入生を手招きで呼んで俺の前の席を指差して言うと…


「あ…ありがとう。よろしく」

「おう」

「答えられる範囲でしか答えられないけどな」


転入生はその席に座ってお礼と挨拶を言うので俺は注意するように返す。


「では授業を始めます」

「はーい」

「ふー…」

「え?」


担任が授業の開始を告げるとみんなが席を立って移動し始め、転入生は困ったようにみんなを見る。


「今日の授業は実技だからな。移動しようぜ」

「実技?」

「まあ『魔法』の訓練だな」

「あ、なるほど」


隣の席の男子生徒が説明しながら立ち上がると転入生は不思議そうに聞くので俺が答えると納得したように席から立ち上がった。


「実技の時は外の訓練場でやる事になってんだ。この学校は敷地が超広いから訓練場の数も多くてな」

「へー」

「周りに被害が出ないように、ってこんな山奥に学校を作ったんだと。確か山三つ分ぐらいの土地があるって言ってたっけ?」

「あと誘拐とかの問題が起きないように…だな。貴族の跡取りが誘拐とかされたら大変だし」


男子生徒達が転入生に学校の敷地内の広さと理由を教えるので俺は他にも理由がある事を話す。
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