子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 98

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「…さて、約束通り情報を吐いてもらおうか?」


…分身の俺らが王都に戻った後。


令嬢を女性に任せ、三人の男達を広場に連れて行って分身を解除してから俺は確認する。


「…俺達はロムニアから来た。令嬢の誘拐は『影の組織』からの依頼で、共通金貨100枚の報酬で請け負った」

「共金貨で100っていったら…約1000万!結構な金額だな…」

「依頼の目的は察せれるだろうが、依頼主は知らん。一旦組織を経由しているからな」

「心当たりが多すぎる上に俺達は金のために仕事をしている。金さえ貰えれば依頼主が誰だろうが知った事ではない」


男の一人がため息を吐いて話すので俺が報酬の額に驚くと他の二人の男も話し出した。


「そりゃそうだ。で?他の刺客はあと何人?」

「…全員で5人、あとの二人はこの王都に潜伏してるはずだ。俺達が逃した時の保険でな」

「俺達の失敗が伝わって早急に増やしてなければ、な」

「後から話が違うと言われても俺達が知ってるのはここまでだ」


俺は理解を示して肯定しながら次の質問をすると諦めたように普通に話し、他の二人が予防線のような事を足す。


「ロムニアが辺境伯の令嬢を狙ってるって事は…国内とか結構ヤバイ感じ?」

「さあな。ソレは自分で調べろ」

「勝負の約束は果たしたからな」


俺が考えながら聞くも男達は会話を拒否するように返してくる。


「…じゃあロムニア国内の情報を話してくれたら情報料を払うよ。ちゃんと三人分」

「「「なんだと!?」」」


少し考えての俺の発言に男達は驚きながら姿勢を正すように座り出した。


「いくら欲しい?裏も表も全部洗いざらい話してくれるんなら一人あたり共通金貨で10枚払ってもいいよ」

「本当か!?」

「二言は無いな?」

「…本当に払うのか?」


俺が値段を確認しながらも金額を提示すると男達は疑うように聞きながらも嬉しそうな顔をする。


「ソッチがちゃんと約束を守ってくれたんだから俺もちゃんと守るよ。…ほら。ただし、金を払う以上少しでも嘘を吐いたら…」

「分かっている!もし俺達の誰かが嘘を吐いた場合には金は払わなくてもいい!」

「金が絡む以上、嘘は言えん」

「ではどこから話したものか…」


俺の現金を見せながらの釘刺しに二人の男が了承し、残る一人が早速情報を話そうとした。




ーーーー




「…何してるんだい?」


約一時間後、男達の拘束を解いて4人でベンチに座り…


近くの屋台で買ったジュースを飲みながら話を聞いていたら女性がやって来て驚いたように尋ねてくる。


「お。ちょっと情報収集をね」

「情報収集?それより拘束は?なんで解いたんだ?」

「逃走する心配が無ければ拘束する必要も無いでしょ?逃げられたら捕まえて脚を折るとか腱を切るとかすれば良いし」

「…あんた…意外と…」


女性の警戒した様子での問いに俺が理由と対策を話すと女性はヒいたように呟く。


「…まあいいさ。それより仕事の時間だ」


あと救助の報酬。と、女性は用件を告げた後に金の入った袋を差し出した。


「お、やったね。…じゃあとりあえず情報料の半分を前金って事で先に渡しとく」

「…7枚も?いいのか?」

「半分なら5枚じゃ…?」


俺が男達に共通金貨を渡していくと枚数を見て不思議そうに確認する。


「いやー、予想以上に面白い話が聞けたからね。残り8枚は全部聞き終わった後って事で」

「8枚…って事は15枚か!」

「なんでも聞いてくれ」

「仕事が終わるまで待てばいいのか?いつになる?」

「…なるほど、逃げないわけだ…」


俺の理由の説明に男達は興奮した様子で嬉しそうな顔でそう言い、その様子を見ていた女性が呆れたように呟いた。


「先行って待ってて。俺はちょっとこの人達預けてくるから」

「分かった。じゃああたしは屋敷の前で待ってるよ」


俺が指示するように言うと女性は軽く手を振って先に歩いて行く。


「少し…5分ぐらいココで待ってて」

「分かった」

「逃げやしないさ」

「まだ金が半分残ってるからな」


俺は男達に指示しつつも一応ロープでぐるぐる巻きにしてベンチに繋げるよう拘束して一旦その場を離れる。


そして人気の無い誰の目も届いてない場所で変化魔法を使ってスライム化からの分身をして、お互いに軽く変装した。


「待たせたね。コイツ、俺と似てるでしょ?身代わりに最適だから仕事はコイツにお願いする」

「…確かに」

「雰囲気は似ているが…」

「遠目から見ればまずバレないな」


分身の俺が俺を指差しながら笑って説明すると…


男達は変装してるとはいえ、本体の俺に気づかずそっくりさんを見てるような反応をする。


「…じゃ」

「お願い」


俺が若干声を変えながら合図をして離れると分身の俺は手を振って見送った。


「…さて」


…公園からある程度離れた所で俺は歩きながら変装を解き、女性との待ち合わせ場所へと急ぎ足で向かう。


「お、来たか。早かったじゃないか」

「アイツらは知り合いに預けて来たから」

「そう言えばあんたは傭兵団を率いてるんだったね。この仕事を引き受けても良かったのかい?」


女性が俺を見て意外そうに言うので適当に誤魔化すと思い出すように確認する。


「一、二週間程度なら大丈夫大丈夫。どうせ今はただの旅行みたいなもんだし」

「…旅の傭兵団か…昔を思い出すねぇ…」

「そういやソッチも傭兵だっけ?やっぱり楽しかった?」

「まあ良い事ばかりじゃなかったし、辛い事も多かったけど…でもそれ以上に楽しかったよ」


俺の返答に女性は懐かしむように呟き、俺がどうだったか尋ねると微妙な表情で返すも最後は笑顔になった。
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