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青年期 316
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「…そこで拙者を打ち負かしたそなたに頼み事があるのだが…」
「頼み事?」
そして青年が地面に座り込みながら頼み事をしてきた。
「拙者の介錯を務めてほしいでござる。そなたの腕ならスパッと拙者の首を切り落としてくれよう」
「…おいおい。ずいぶん物騒な内容だな…果たし合いに負けた程度で自殺だなんてやめてくれよ」
「拙者は天真正自顕流の免許皆伝を受けた時に誓いを立てもうした。もし誰かに負けるような事があれば腹を切る、と」
その予想外の内容に、分身の俺が断るように返すと青年は切腹を図る理由を話す。
「…なるほど、だからあんなに死に物狂いだったわけね…でもたった一度の負けで切腹はやり過ぎだろ。死にたくなるような屈辱的な負け方をしたんならともかく」
「…どんな理由があろうとも心に立てた誓いを破るわけにはいかぬ。自分を裏切ってまで生き続ける事に何の意味がござろうか?価値無き生や意味無き生はただの抜け殻も同然…拙者は侍として誇り高き死を望む所存」
分身の俺は納得しながらも説得するように言うが青年は自分の考えを一切曲げずに覚悟を決めたような表情になる。
「そなたが介錯を断るのならばそれも良し。腹を切るだけならば自分の手だけあれば十分でこざる」
「…はぁ…オッケー、分かった。条件付きで介錯を務めるよ」
青年が小刀を取り出して切腹の準備を進めるので分身の俺はため息を吐いて交渉するように言う。
「かたじけない。して、その条件とは?」
「万が一奇跡が起こって切腹しても死ななかったら生き方と考え方を変えること。死に急ぐのではなく、生き延びる事を優先してくれ」
「…ふむ…あい分かった。もし生き延びる事が出来たのならば次は新しい人生としてそなたの言葉を実行すると心に誓おう」
青年は感謝の言葉を述べながら尋ね、分身の俺が条件の内容を話すと少し考えて了承した。
「じゃあ刀貸して」
「コレを」
「ありがと。俺の準備は出来たからいつでも始められるよ」
分身の俺の要求に青年は刀を全部渡してくるが分身の俺は一振り以外を地面に置いて抜刀しながら合図を待つ。
「…拙者は辞世の句などは詠まぬが…心残りは異なる世界に骨を埋める事になってしまう事か…子孫に拙者の最期が伝わらないのは流石に寂しいでござるな…」
「弱音を吐くぐらいならやめれば良いじゃん」
「そうはいかぬ。侍として最期の散り際は立派に果たさねば…いざ!」
青年が今際の際の言葉として後悔ような事を言い、分身の俺が軽い感じで中止するよう促すも青年は否定して合図を出すと小刀で自分の腹を切り裂く。
「…これが誇り高き侍の最期、ねぇ…」
分身の俺は感心や驚嘆しつつも馬鹿らしいと見下すような複雑な気持ちのまま呟いて構えた刀で青年の首をスパッと斬って落とし…
生命活動が停止する前に直ぐさま変化魔法の極技その2をかけてスライム化させ、命を維持させながら首を繋げた後に腹の傷を塞いで応急処置を行う。
ーーーーー
「…む…」
「お。起きた?」
一騎打ちで分身の俺が勝利した事により連邦側の主力部隊が約束通り撤退していくと思いきや…
一向に撤退準備等の動きを見せないので、どうしたものか…と話し合っていると青年が目を覚ます。
「…そなたは……っ!?生きているのか!?まだ!拙者は!?」
青年は分身の俺を見て不思議そうに呟くとガバッと上半身を勢いよく起こして自分の手を見ながら驚愕したように確認してくる。
「そうだよ」
「…あの時確かに介錯で首を切り落とされたはず…腹の傷も残っておらぬ」
分身の俺が肯定すると青年は不思議そうに首の後ろ側に手を当てながら呟き、腹を見て首を傾げた。
「さっきは確かに俺が首を切り落としたよ。でもどうやらお互いに腕が良すぎたみたいでね、ダメ元でくっ付けてみたら引っ付いたからとりあえず軟膏塗ったら傷が治ったみたい」
「…そ……そんな、事が…?」
「ソッチがまだ生きてるのがその証じゃない?首を切り落とされた感覚も切腹した感触も覚えてるでしょ?」
「…まこと異なる世界とは…摩訶不思議な事が平気で起こるものでござるな…」
分身の俺の適当なでまかせに青年は流石に信じられないように疑うが、分身の俺が証拠としての青年の生存を指摘するとまたしても首に手を当てながらしみじみと呟いた。
「まあとりあえず。誓いの方はちゃんと覚えてる?」
「うむ。戦いに敗れて死ぬまでは精一杯生きよう」
「…これからは切腹とか自害とか自殺とか軽々しく考えないように」
「うむ。次に拙者が死ぬ時は殺される時か病死か老衰でござる」
「ん。じゃあ頑張って修行に励んでね、次会う時を楽しみにしてるよ」
「次こそは拙者が勝つでござるよ」
分身の俺が確認すると青年が肯定し、一応釘を刺すと理解はしてるようなので激励の言葉と共に回復薬の入ってる袋を渡すと青年は受け取った後に笑って返して戻って行く。
「…あの男、返して良かったのか?回復薬までくれてやって…」
「大丈夫大丈夫。これで30分待っても撤退しないんなら俺がもっかい行くから」
「…では念のために我々も突撃準備を進めておくとしよう」
「そうだな」
男の怪訝そうな感じでの分身の俺を警戒しながらの確認に楽観的に返して次の行動を話すと男性が交戦を見据えた予定を立てて男も賛同する。
「頼み事?」
そして青年が地面に座り込みながら頼み事をしてきた。
「拙者の介錯を務めてほしいでござる。そなたの腕ならスパッと拙者の首を切り落としてくれよう」
「…おいおい。ずいぶん物騒な内容だな…果たし合いに負けた程度で自殺だなんてやめてくれよ」
「拙者は天真正自顕流の免許皆伝を受けた時に誓いを立てもうした。もし誰かに負けるような事があれば腹を切る、と」
その予想外の内容に、分身の俺が断るように返すと青年は切腹を図る理由を話す。
「…なるほど、だからあんなに死に物狂いだったわけね…でもたった一度の負けで切腹はやり過ぎだろ。死にたくなるような屈辱的な負け方をしたんならともかく」
「…どんな理由があろうとも心に立てた誓いを破るわけにはいかぬ。自分を裏切ってまで生き続ける事に何の意味がござろうか?価値無き生や意味無き生はただの抜け殻も同然…拙者は侍として誇り高き死を望む所存」
分身の俺は納得しながらも説得するように言うが青年は自分の考えを一切曲げずに覚悟を決めたような表情になる。
「そなたが介錯を断るのならばそれも良し。腹を切るだけならば自分の手だけあれば十分でこざる」
「…はぁ…オッケー、分かった。条件付きで介錯を務めるよ」
青年が小刀を取り出して切腹の準備を進めるので分身の俺はため息を吐いて交渉するように言う。
「かたじけない。して、その条件とは?」
「万が一奇跡が起こって切腹しても死ななかったら生き方と考え方を変えること。死に急ぐのではなく、生き延びる事を優先してくれ」
「…ふむ…あい分かった。もし生き延びる事が出来たのならば次は新しい人生としてそなたの言葉を実行すると心に誓おう」
青年は感謝の言葉を述べながら尋ね、分身の俺が条件の内容を話すと少し考えて了承した。
「じゃあ刀貸して」
「コレを」
「ありがと。俺の準備は出来たからいつでも始められるよ」
分身の俺の要求に青年は刀を全部渡してくるが分身の俺は一振り以外を地面に置いて抜刀しながら合図を待つ。
「…拙者は辞世の句などは詠まぬが…心残りは異なる世界に骨を埋める事になってしまう事か…子孫に拙者の最期が伝わらないのは流石に寂しいでござるな…」
「弱音を吐くぐらいならやめれば良いじゃん」
「そうはいかぬ。侍として最期の散り際は立派に果たさねば…いざ!」
青年が今際の際の言葉として後悔ような事を言い、分身の俺が軽い感じで中止するよう促すも青年は否定して合図を出すと小刀で自分の腹を切り裂く。
「…これが誇り高き侍の最期、ねぇ…」
分身の俺は感心や驚嘆しつつも馬鹿らしいと見下すような複雑な気持ちのまま呟いて構えた刀で青年の首をスパッと斬って落とし…
生命活動が停止する前に直ぐさま変化魔法の極技その2をかけてスライム化させ、命を維持させながら首を繋げた後に腹の傷を塞いで応急処置を行う。
ーーーーー
「…む…」
「お。起きた?」
一騎打ちで分身の俺が勝利した事により連邦側の主力部隊が約束通り撤退していくと思いきや…
一向に撤退準備等の動きを見せないので、どうしたものか…と話し合っていると青年が目を覚ます。
「…そなたは……っ!?生きているのか!?まだ!拙者は!?」
青年は分身の俺を見て不思議そうに呟くとガバッと上半身を勢いよく起こして自分の手を見ながら驚愕したように確認してくる。
「そうだよ」
「…あの時確かに介錯で首を切り落とされたはず…腹の傷も残っておらぬ」
分身の俺が肯定すると青年は不思議そうに首の後ろ側に手を当てながら呟き、腹を見て首を傾げた。
「さっきは確かに俺が首を切り落としたよ。でもどうやらお互いに腕が良すぎたみたいでね、ダメ元でくっ付けてみたら引っ付いたからとりあえず軟膏塗ったら傷が治ったみたい」
「…そ……そんな、事が…?」
「ソッチがまだ生きてるのがその証じゃない?首を切り落とされた感覚も切腹した感触も覚えてるでしょ?」
「…まこと異なる世界とは…摩訶不思議な事が平気で起こるものでござるな…」
分身の俺の適当なでまかせに青年は流石に信じられないように疑うが、分身の俺が証拠としての青年の生存を指摘するとまたしても首に手を当てながらしみじみと呟いた。
「まあとりあえず。誓いの方はちゃんと覚えてる?」
「うむ。戦いに敗れて死ぬまでは精一杯生きよう」
「…これからは切腹とか自害とか自殺とか軽々しく考えないように」
「うむ。次に拙者が死ぬ時は殺される時か病死か老衰でござる」
「ん。じゃあ頑張って修行に励んでね、次会う時を楽しみにしてるよ」
「次こそは拙者が勝つでござるよ」
分身の俺が確認すると青年が肯定し、一応釘を刺すと理解はしてるようなので激励の言葉と共に回復薬の入ってる袋を渡すと青年は受け取った後に笑って返して戻って行く。
「…あの男、返して良かったのか?回復薬までくれてやって…」
「大丈夫大丈夫。これで30分待っても撤退しないんなら俺がもっかい行くから」
「…では念のために我々も突撃準備を進めておくとしよう」
「そうだな」
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