子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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壮年期 4

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…そして二週間後。


政府から手紙が来てライツと同盟を結ぶ事にしたとの報告が。


「…ほう?これはまた…」


どうやらライツの王女が王都での調印式に参加するために来るらしいので『使節が領内を安全に通れるよう手段を尽くせ』と書かれている。


が、俺の領内は元から国内で一番治安が良くて仕事が腐るほどあり、食うに困ったり金に困って賊に堕ちる事も無いので特に何もする事が無い。


他の貴族が刺客を仕向ける可能性も考えられるけども…


まあ流石にライツが護衛をつけると思うし、代行達も護衛をつけると思うから何かあれば直ぐに俺に報告が来るだろう。


それから二日後。


「団長、ライツと同盟を結ぶって聞いたんだが…」

「その噂は本当なのか?」


ライツとの同盟が噂でも流れるようになり、団員や隊長達が自室まで真偽の確認をしに来た。


「一応本当らしいよ。ライツの王女がココの王都に調印式に参加するために来るんだって」

「そうか。本当だったのか」

「同盟って事はしばらくの間は戦わなくて良いんだよな?」

「でもなんで今のタイミングなんだ…?休戦協定の期間はまだ一年以上あるはずなのに…」


俺が肯定して情報を話すと隊長の一人が喜び、団員の一人も喜びながら確認すると別の隊長が不思議そうに疑問を呟く。


「新しい王が平和推進派か、他の国と戦争が始まったから手が回らなくなる前に手を打ったか…パッと思いつくのはそこらへんだね」

「「「「なるほど…」」」」

「…でも平和主義なら王女が逃げないわけだし、やっぱり他の国と戦争中なんじゃない?」


俺の予想にみんなが納得して呟き、少しして隊長の一人が予想の一つを排除するかのように言う。


「まあ何にせよ戦わずに済むならソレに越した事は無いからありがたい事だ」

「「「確かに」」」

「しばらくの間は町の開発、発展に専念出来そうだ」

「ウチはライツの国境に近いから行商人用の宿屋を増やそうかな?」

「あー…ウチは畑が多いから商業よりも農業に力入れないと…」


俺が話を纏めるように告げるとみんなが納得し、隊長の一人が内政面の話を持ち出すと他の隊長達も町の開発について話し始める。


「調印式が終わってライツとの同盟が正式に結ばれたら猟兵隊は一月ぐらい休もうか。どうせ今も護衛とか巡回ぐらいしか依頼は無いし」

「…そうしてくれると助かるが…」

「確かにありがたいではあるが、大丈夫なのか?」

「団長なら一人でも大体の問題を解決出来ると思うけど…そういう時に限って何か起きない?」


俺の配慮した提案に隊長は何故か微妙そうな…心配したような顔になった。


「大丈夫大丈夫。でももし何かあったら呼び戻すかもしれない。例えば中央騎士団が急に攻めて来たとか、東方騎士団が教会騎士団と結託して攻めて来るとか」

「中央騎士団はまず間違いなくあり得ないが、東方騎士団や教会騎士団は…」

「無い、とは言い切れんな…」

「中央騎士団は王族直轄で陛下や王子達の指示で動くからよっぽどの事が無い限り団長が標的になる事は無いけど…教会騎士団は…団長、めちゃくちゃ教会側から敵視されてるからなぁ」


俺が楽観的に冗談でも言うように可能性の低い想定を話すと、隊長達は前半は同意するも後半については微妙な顔をしながら困ったように返す。


「そもそも不正を許さずに法に則って取り締まってるだけで親の仇がごとく敵視されるってのも不思議なものだね。別に活動を邪魔してるわけじゃないし、教えを否定してるわけでもないのに」

「…だよなぁ」

「それは『腐ってる』としか言いようがないな」

「神の教えを悪用する者どもには天罰が降って欲しいものだが…」


実質的に無宗教に近い俺は大司教などの権威を悪用する奴らを馬鹿にするように言うと…


みんなは微妙な顔をしながら表立てて賛同や同意はせず、曖昧な感じで悪用する人達を非難するように言う。


「…ココには厄災の魔女と呼ばれてたのが居るから猟兵隊の集合が間に合わなかったら多分大惨事になると思う。大惨事ってか凄惨な事態?」

「その名は聞いた事無いが、この前現場に行ってみたんだがとんでもない事になっていたな」

「あ、俺も見に行った!確かにとんでもなかったな」

「俺も見に行った。なんだこれ!?って思ったぜ…一体何があったんだ?って」

「まさかあんな事になってたなんて思いもしなかった」


俺が万が一の時の最悪の想定を話すと隊長の一人が広範囲に広がってるクレーターを確認しに行った事を告げ、他の団員達や隊長達も感想を話し始めた。


「団長よくあんなのと戦って生き残れたものだな。流石はマスタークラス」

「まあね。ヒくほど強かったし、まず間違いなく俺が今まで戦って来た中ではぶっちぎりに一番強い人間だと断言出来るレベルだったけど…まあ駆け引きとか戦闘経験は俺の方が上だったって事よ」


そもそも条件次第では何人か勝てそうなのが思い当たるからね。と、弄るような感じで褒めてくる団員に俺は女の実力を評価しながらもボケるように返し…


補足するように帝国の女の子や連邦の男を思い浮かべながら、女はとんでもない強さを持っていても無敵ではない事を告げる。
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