108 / 556
108
しおりを挟む
近道を通りながら色んな村を経由して馬車を走らせる事、5日後。
「おおー、ココが温泉街か」
「田舎だからかテレビで良く見る箱根とか草津とは違ってレトロ感のあるゲームみてーな所だな」
「確かに。まあ風情があってマッチしてっけどな」
町に着くと馬車から降りた柴田と藤原が街並みを見ながら感想を言う。
「俺の家はあっちだけど…前は一人で十分だったから多分寝泊まりするだけの広さしかねーぜ?」
「とりあえず荷物を置きに行かない?」
「早く温泉に入りたい!」
「私も!」
俺が先に釘を刺すように建物の大きさを説明するも女子三人に急かされたのでしょうがなく家に連れて行く。
「…うわ、まるで山小屋じゃねーか」
「これじゃ寝るだけで精一杯じゃね?」
「さっきソレを説明しただろーが。とりあえず俺は不動産屋に行って別の空き家がないか探してくるわ」
「おー、流石は海。頼んだぜ」
柴田と藤原が家の大きさについて言及するも女子達は荷物を置くと速攻で家を出て行った。
「すみませーん」
「…あ、いらっしゃいませ!どのような物件をお探しでしょうか?」
俺が不動産屋に行くも店員の姿が見当たらず声をかけると奥から焦った様子で慌ててやって来る。
「…おや?お兄さんどこかで見た事あるような…」
「ああ…前に一週間ほど住んでた」
「ああ!そうか!あの時依頼を受けてくれた…!その説はどうも助かりました」
「別に気にしなくても…まあいいか。とりあえず安くて大きな空き家とか無い?」
…どうやら前に居た頃の知り合いだったらしいが俺はあんまり覚えてないので適当に流して用件を話す。
「安くて大きな空き家…ですか…ありますよ。この前まで貴族の方が養生のための別荘として使っていたんですが、王都で聖女の奇跡とかいう力で治してもらってつい最近売却されたやつが」
「……へー、この大きさでこの値段は安い」
店員が説明しながら差し出してくる紙の中身を見て俺は掘り出し物を見つけたような嬉しさで呟く。
「まあ、大きさの割には破格の値段なんですが…額が額なだけに売れないんですよね…思い切って値下げしたのに…」
「内覧できる?」
「お、検討してくれる?じゃあ今から行きましょう!」
愚痴る店員に俺がそう尋ねると何故か馴れ馴れしくなってテンションを上げて立ち上がる。
ーーーーーーーー
…空き家を色々と内覧した結果、中心部からは少し離れているものの特に不便は無さそうだし、貴族が使っていただけあって庭も建物も大きいので即決して契約した。
ちなみに前の家は不要になったので売却する事に。
「おおー、ココが温泉街か」
「田舎だからかテレビで良く見る箱根とか草津とは違ってレトロ感のあるゲームみてーな所だな」
「確かに。まあ風情があってマッチしてっけどな」
町に着くと馬車から降りた柴田と藤原が街並みを見ながら感想を言う。
「俺の家はあっちだけど…前は一人で十分だったから多分寝泊まりするだけの広さしかねーぜ?」
「とりあえず荷物を置きに行かない?」
「早く温泉に入りたい!」
「私も!」
俺が先に釘を刺すように建物の大きさを説明するも女子三人に急かされたのでしょうがなく家に連れて行く。
「…うわ、まるで山小屋じゃねーか」
「これじゃ寝るだけで精一杯じゃね?」
「さっきソレを説明しただろーが。とりあえず俺は不動産屋に行って別の空き家がないか探してくるわ」
「おー、流石は海。頼んだぜ」
柴田と藤原が家の大きさについて言及するも女子達は荷物を置くと速攻で家を出て行った。
「すみませーん」
「…あ、いらっしゃいませ!どのような物件をお探しでしょうか?」
俺が不動産屋に行くも店員の姿が見当たらず声をかけると奥から焦った様子で慌ててやって来る。
「…おや?お兄さんどこかで見た事あるような…」
「ああ…前に一週間ほど住んでた」
「ああ!そうか!あの時依頼を受けてくれた…!その説はどうも助かりました」
「別に気にしなくても…まあいいか。とりあえず安くて大きな空き家とか無い?」
…どうやら前に居た頃の知り合いだったらしいが俺はあんまり覚えてないので適当に流して用件を話す。
「安くて大きな空き家…ですか…ありますよ。この前まで貴族の方が養生のための別荘として使っていたんですが、王都で聖女の奇跡とかいう力で治してもらってつい最近売却されたやつが」
「……へー、この大きさでこの値段は安い」
店員が説明しながら差し出してくる紙の中身を見て俺は掘り出し物を見つけたような嬉しさで呟く。
「まあ、大きさの割には破格の値段なんですが…額が額なだけに売れないんですよね…思い切って値下げしたのに…」
「内覧できる?」
「お、検討してくれる?じゃあ今から行きましょう!」
愚痴る店員に俺がそう尋ねると何故か馴れ馴れしくなってテンションを上げて立ち上がる。
ーーーーーーーー
…空き家を色々と内覧した結果、中心部からは少し離れているものの特に不便は無さそうだし、貴族が使っていただけあって庭も建物も大きいので即決して契約した。
ちなみに前の家は不要になったので売却する事に。
10
あなたにおすすめの小説
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる