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「おや?ウミハラ殿、ナンパですかな?」
「んなわけあるか」
「おや、ウミハラ殿。聖女様達が見たら悲しみますよ?」
「だから違ぇって」
「ははは」
…料理長の影響なのか一緒にいたお姉さんを見て俺を弄ってくる巡回の兵士達に俺は適当に否定しながら城の中へと入る。
「お、兄ちゃん。その姉ちゃんは…!」
「あ…お、お久しぶりです。シェフ」
「おお!元気そうでなによりだ!病気の療養って聞いたから多少心配していたんだが…」
「あっ…ちょうどトラルに聖女様が来て下さってたんです!僕、医者に余命があと2年って宣告されてたのになんと一瞬で治りましたよ!」
やっぱり聖女様って凄い!と、お姉さんはどうやら深山の奇跡の体験者らしくテンション高めにはしゃぎながら返す。
「ほお?兄ちゃん達今はトラルに住んでんのか?」
「そうそう。女子達が観光で色んなところを回りたいって言うもんでね」
「ははは。そりゃあ運が良かったな!俺らにしても、姉ちゃんにとっても」
「ホントですよ。トラルから引っ越そうとしてた時に聖女様がいらしたんですからね。あの時は僕ホント心から神様に感謝しましたよ」
「それで姉ちゃん。実は協力してもらいたい事があってな」
「アイシェ作りでしょ?僕にできる事ならなんなりと」
話が一段落すると料理長はお姉さんを連れてワインの保管庫へと歩いて行く。
「うわ~…厨房の地下にこんな所があったなんて…!」
「なに、出来たのはほんの数日前で兄ちゃんが作ってくれたんだ」
厨房地下のワインセラーに入るとお姉さんが中を見渡して嬉しそうに呟くので料理長が俺を見ながら説明した。
「へー、そうなんだ」
「料理長が場所を提供してくれたから環境を整えただけ、だけど」
「まあコイツを飲んでみろよ」
「……!この香り…マクシール…!?」
料理長が開発中のワインが入った瓶とグラスを差し出すとお姉さんは中に入った少量の液体の匂いを嗅いで驚く。
「そう。世界中でもごく限られた条件でしか作られない希少なブドウを使って作られるアイシェだ。ただし今はただのジュースだが」
「どこでそんな物を…」
「ははは。姉ちゃん…お前さんを呼んだのはコイツをアイシェにするためだ。一本で金貨一万枚は下らない最高級の…な」
「…分かりました。喜んで協力させてもらいます」
「はは…よろしく頼むぜ」
料理長とお姉さんが握手を交わし…ワイン作りの協力者がまた一人増えた。
…それから4日後。
「…完璧です!これこそまさに『ラフィ・マクシール』の名に相応しいワインです!」
みんなであーでもないこーでもないと最高のワインを作るために色々な研究や実験を繰り返した結果…
ようやく最高のワインが完成したようだ。
「おー、やっとか。ノンアルの方は?」
「まだまだですね。ラフィロゼーシャの方はノンアル化出来ましたけど」
「へー、出来たんだ…ジュースは?」
「オッケーでした。名前が被るとややこしいんで『ラフィール』に変えた方が良いと思いますけど」
俺がお姉さんに他の開発状況を尋ねるとノンアル以外は完成してるようだった。
「んなわけあるか」
「おや、ウミハラ殿。聖女様達が見たら悲しみますよ?」
「だから違ぇって」
「ははは」
…料理長の影響なのか一緒にいたお姉さんを見て俺を弄ってくる巡回の兵士達に俺は適当に否定しながら城の中へと入る。
「お、兄ちゃん。その姉ちゃんは…!」
「あ…お、お久しぶりです。シェフ」
「おお!元気そうでなによりだ!病気の療養って聞いたから多少心配していたんだが…」
「あっ…ちょうどトラルに聖女様が来て下さってたんです!僕、医者に余命があと2年って宣告されてたのになんと一瞬で治りましたよ!」
やっぱり聖女様って凄い!と、お姉さんはどうやら深山の奇跡の体験者らしくテンション高めにはしゃぎながら返す。
「ほお?兄ちゃん達今はトラルに住んでんのか?」
「そうそう。女子達が観光で色んなところを回りたいって言うもんでね」
「ははは。そりゃあ運が良かったな!俺らにしても、姉ちゃんにとっても」
「ホントですよ。トラルから引っ越そうとしてた時に聖女様がいらしたんですからね。あの時は僕ホント心から神様に感謝しましたよ」
「それで姉ちゃん。実は協力してもらいたい事があってな」
「アイシェ作りでしょ?僕にできる事ならなんなりと」
話が一段落すると料理長はお姉さんを連れてワインの保管庫へと歩いて行く。
「うわ~…厨房の地下にこんな所があったなんて…!」
「なに、出来たのはほんの数日前で兄ちゃんが作ってくれたんだ」
厨房地下のワインセラーに入るとお姉さんが中を見渡して嬉しそうに呟くので料理長が俺を見ながら説明した。
「へー、そうなんだ」
「料理長が場所を提供してくれたから環境を整えただけ、だけど」
「まあコイツを飲んでみろよ」
「……!この香り…マクシール…!?」
料理長が開発中のワインが入った瓶とグラスを差し出すとお姉さんは中に入った少量の液体の匂いを嗅いで驚く。
「そう。世界中でもごく限られた条件でしか作られない希少なブドウを使って作られるアイシェだ。ただし今はただのジュースだが」
「どこでそんな物を…」
「ははは。姉ちゃん…お前さんを呼んだのはコイツをアイシェにするためだ。一本で金貨一万枚は下らない最高級の…な」
「…分かりました。喜んで協力させてもらいます」
「はは…よろしく頼むぜ」
料理長とお姉さんが握手を交わし…ワイン作りの協力者がまた一人増えた。
…それから4日後。
「…完璧です!これこそまさに『ラフィ・マクシール』の名に相応しいワインです!」
みんなであーでもないこーでもないと最高のワインを作るために色々な研究や実験を繰り返した結果…
ようやく最高のワインが完成したようだ。
「おー、やっとか。ノンアルの方は?」
「まだまだですね。ラフィロゼーシャの方はノンアル化出来ましたけど」
「へー、出来たんだ…ジュースは?」
「オッケーでした。名前が被るとややこしいんで『ラフィール』に変えた方が良いと思いますけど」
俺がお姉さんに他の開発状況を尋ねるとノンアル以外は完成してるようだった。
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