クラスまるごと異世界転移

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「…それで、どの程度まで実用化出来たのですか？」

「つい先日私の領地にて試験的に実験を行なってもらいました。書類にてまとめられていますが…今お時間の方、よろしいでしょうか？」

「…揚げ足を取るようで悪ぃけど『試験的に実験』って良いのか？いや、意味は伝わってっけども」


王子が考えながら聞いてくると佐藤は『まるで別人じゃねーか』とツッコみたくなる雰囲気と話し方で答え、俺はふとした疑問を尋ねた。


「…うるせぇ、でございます。でも一理ありますので…『試験的に、作業を行った』でお願いします」

「おい、素が出てんぞ。もう普通に話してもいいんじゃね？」

「…あー、もう。せっかく貴族用の対応してたのに…邪魔しないでよ」


なんか変な喋り方になったので俺が呆れながら言うと佐藤はため息を吐いて素に戻る。


「じゃあ俺のいないトコでやれよ。お前がんな事してたら俺が常識のねー奴だと思われんだろ」

「常識が無いとまでは言わないけど…海原結構ヤバイじゃん」

「うわ、真面目。やっぱ女子ってダメだな」

「はあ！？意味わかんないんだけど！なんで私今幻滅されたの！？」


佐藤の部屋に向かいながら俺がボケるも気を遣うような…ちょっとだけオブラートに包んだ感じの返し方をされたので…


まさかのツッコまれなかった事に対して俺が軽くツッコみ、深山を思い出してため息を吐きながら言うと佐藤が急に荒ぶった。


「柴とか藤なら『今のおめーに常識のカケラも感じねーよ』ってツッコんでくれたのに…深山ん時もボケを流されたし」

「うわ分かりにくっ。男子のその面倒くさいトコなんとかならないの？」

「ならないな」


俺が解説すると佐藤は嫌そうな顔で指摘してくるが俺はスッパリと返す。


「…えーと……あ、コレコレ」


佐藤は部屋に戻ると隅にある机の中から書類を取り出してテーブルの上に置く。


「なんだソレ？」

「海原が耕した畑の面積とか収穫した食べ物の量…あとソレにかかった時間とかを記録した資料。次に仕事を頼む時の目安になるかと思ってね」

「へー…中々領主らしい事してんじゃん」

「そりゃゲームのおかげで知識だけはいっぱいあるし」


俺が聞くと佐藤はこの前の事をちゃんと記録していたらしく…


意外だったので褒めると佐藤はドヤ顔で自慢するように言う。


「…なるほど。確かに完璧に実用化されている…しかし、まさかこのような最高レベルでの運用ができるとは…」

「え？やっぱり凄いの？」

「はい。普通ならありえない…いくら応用魔法とはいえ微妙な調整は熟練の魔法使いでも困難ですから」

「えー」


王子の意外そうな驚いたような呟きに佐藤が興味を持ったかのように聞くと、その難易度の高さを説明され俺を見ながら信じられないかのように呟く。


「ソレに魔法の連携。多人数で複数の属性魔法をほぼ同時、もしくは息を合わせてタイミングよく発動させて寸分の狂いもなく操る技術力も必要になってきます」

「…そうなの？」

「あれ？この前説明しなかったっけ？」

「いや、されたような気はするけど…なんかもっと軽かった気がする」


続く王子の説明にも佐藤が驚いたように聞いてくるので俺がそう返すと納得いかないような顔で言う。