クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
233 / 556

233

しおりを挟む
「…ねぇ、アイシェってなに?」

「ワイン」

「補充って?」

「作ること。最近厨房の地下でワインを作り始めてな」

「へー…」


佐藤の部屋へと向かってると清水が疑問を聞いて来るので簡単に教えると納得したように呟く。


…それから巡回の兵達に挨拶されて適当に返しながら廊下を進み、ようやく目的の部屋へと到着した。



「…はーい。どうぞー」

「よう、邪魔するぜ」

「海原?今日は何の用?」


俺がドアをノックすると佐藤の声が聞こえて入室の許可が下りたのでドアを開けて挨拶すると、佐藤は不思議そうに俺を見た後にテーブルの上の書類へと戻して用件を問う。 


「いやなに…」

「灯!久しぶり!」

「え?…麗?うらら!?」


俺が用件を言おうとしたら清水が中に入って来て声を上げるので佐藤は顔を上げて清水を確認すると何故か名前を二度呼んで駆け寄る。


「わー!久しぶり!元気だった!?」

「うん!!灯こそ!元気だった?」


佐藤は清水の手を取ると、はしゃいだ後に抱き合って現状を確認し合う。


「聞いて聞いて!私ね、今王子と婚約してるんだ!」

「えー!ホントだったの!?」

「うん!それでね…」


佐藤のハイテンションでの報告に清水もテンション高く確認するように驚くと更に話を続けるので俺は勝手にソファに座った。



…それから約一時間後。


「…海原が連れて来てくれたんだ」

「…あ?ああ、まあ暇だったしな」


俺が執事のおじさんと世間話をしてるとようやく女子同士の話が終わったのか、佐藤が話しかけて来たので適当に返す。


「でも良く会えたね?ワウシャープって結構遠い国だし、ココよりも広い国だと思うけど」

「なんか知らんけど清水は王宮に居てな。そういや委員長の飯島もその王都に居たぞ?」

「え!?委員長とも会ったの!?」

「おう。なんでも冒険者として異世界生活をエンジョイしてるみたいだぜ」

「へー…委員長って勉強一筋のガリ勉のイメージだったのに…意外!」


佐藤の疑問に答えてついでに別のクラスメイトの事も話すと意外そうに呟いた後に驚いたように声を上げる。


「…って、今サラリと流したけど…王宮?」

「うん。仕事の帰りに海原と会った」

「麗は占い師だからまだ分かるとして…海原はなんで王宮に?」

「いや、占い師が王宮に出入りするってのもおかしくねぇか?」


佐藤が更に疑問を聞くと清水が答えてソレには納得したように返して俺に聞いて来るが…


俺はソコに納得出来ないので逆に聞き返す。


「そう?固有スキルの『占い』で街や村への魔獣の襲撃を予知できるんなら呼ばれてもおかしくはないんじゃない?」

「そうか?占い師って普通は宗教関連の胡散臭いインチキって感じだから王族とかにはあんま信用されなさそうなイメージだがな」

「そだね。最初は全然信じてくれなかったよ?アッチがお願いして来たのに、ね…」


佐藤の説明に俺の中での印象を元に反論すると清水はソレに同意して苦労話でもするように話してきた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

二重異世界行ったり来たりの付与魔術師 ~不幸な過去を変えるため、伝説のダンジョンを攻略して神様の武芸試合で成り上がる~

けろ壱
ファンタジー
佐倉三月(さくらみづき、28歳男)は二重の異世界転移に巻き込まれる。 あるときは伝説のダンジョンを攻略する使命を背負った勇者として。 中世ファンタジー世界を舞台に、エルフの美女二人と深き迷宮の彼方を目指す。 あるときは落ちぶれた女神を救うため、神々の奉納試合を戦う戦士として。 和風な神の世界を舞台に、数多の神々との戦いを勝ち抜いて成り上がる。 授かったスキルはかなり特殊なチート付与魔法。 様々な能力を自分だけでなく、他の人や物に与えることができる。 やがて二つの異世界転移は、現実世界で恋人を失った過去に繋がっていると判明。 各異世界でのクリア条件を満たせば過去を変えられるらしい。 恋人を取り戻し、希望の未来を掴むため──。 和洋の異世界と現実世界を股に掛ける過去改変二重異世界物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...