商人でいこう!

八神

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「…お」


目当ての物は手に入ったので街に戻ろう…と大通りを進んでると用心棒のおじさんが何かを見て呟きを漏らす。


なんだろう…と不思議に思いながら視線の先を見ると…


骨董品屋っぽい店の前に古びた鎧が出されていた。


「…骨董品屋か…」

「…少し、見て行くか?」


コンテナを運ぶ馬を止めて呟くと珍しくおじさんが聞いてくる。


「…あー、うん」


俺自身は骨董品なんて物に特に興味は湧かないが…


店を通る前から通った後まで視線が釘付けだったおじさんがそこまで興味を持つ物に、興味を持った。


「…うーむ…うむ、なんだ偽物か…」


店の前に飾られている鎧一式をマジマジと見ると直ぐにため息を吐く。


「…もしかしたらと思ったんだが…」


鎧に興味があったのか落胆したように呟いた。


…骨董品、ねぇ…俺の世界じゃ高く売れる物の偽物が大量に出回ってたけど…


店の中に入って商品であろう薄汚れた壺や皿、額縁に入った変な絵などが置かれている。


「…ん?」


なんの変哲も無いただの壺だなぁ…と思って見ていると…


急に小さい星が浮かんで来た。


なんだコレ?と思いながら他の商品を見るも星なんか浮かんでこない。


再び壺に視線を戻すと小さな星が消えたのか見えなくなっていた。


「??」


不思議な出来事に首を傾げるとまた壺から小さな星が浮かんで来る。


…なんだコレ?幻覚か…?目が疲れてんのかな?


俺は一旦目を瞑り目頭をつまんで軽くマッサージをした。


そして目を開けると…


やはり壺はなんの変哲もない壺で小さい星は消えている。


…が、少ししたらまた浮かんできた。


「…うん?」


この星は一体なんなんだい?と別の商品を見ながら考えてると小さい星が今度は三つ浮かんでくる。


…あ、ああ…なるほど。分かった、理解した!そういう事か!


どうやらこの商品をずっと見てると小さい星が浮かんでくるらしい。


星の数に違いはあるが、たまに星が出ない物もある。


…この星がなんなのか、数が多い方が良いのか少ない方が良いのか…


とか分からない事は多いけども、とりあえず試しに星が多い物を買ってみる事にした。


「…すみません。コレ…」

「…ん?ああ、お客さんかい…どれどれ…」


カウンターに座ってたおじいちゃんはどうやら本を読んでいたらしく、声をかけるまで俺に気づいていなかったようだ。


「…コレは600ゼベルだね」


ワシっぽい鳥に蛇が絡み付いたような銅像…置物?を渡すとメガネをかけて品物を確認して値段を提示する。


…こんなもんに6万か…あの世界じゃ絶対にこんなのに金を出さなかっただろうな。


今は金の価値が良く分からんからとりあえず買うけど。


「まいどあり」


金を払って小さい星が四つも浮かび上がる変な置物を手に入れた俺はとりあえずコンテナの中に入れた。


「…何か買ったのか?」

「ああ、うん…ちょっと気になって…」


おじさんは小さな星が一つ浮かんでいる剣を元の場所に戻すと馬にまたがる。


「…もういいの?」

「ああ、私は用は無い」


一応確認するともう興味を失っていたので俺は街に戻るために馬を歩かせた。
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