商人でいこう!

八神

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「…まあ、そんな話はどうでもいいの」


話が終わったのでダンボールを片付けて出掛けようとしたら…


果物を食べ終わったお姉さんが残った芯を燃やして近づいてくる。


「本題はコレ」

「…鱗?」


ゴソゴソと探して取り出したドラゴンの鱗を俺に見せた。


「この鱗の強度を調べたんだけど…想像以上だった」

「…はぁ」


だからなんだ?としか言えない話に俺はなんて返せばいいか分からず適当に相槌を打つ。



「まず炎…鉄をも簡単に溶かす温度でも焦げ跡一つ付かないの」

「……わ!」


お姉さんは説明してブツブツ何かを呟くとさっきの果物の芯のように手に持っている鱗が急に燃え始めた。


「…本来ならこれ、鉄ぐらいなら一瞬で溶かす事が出来るんだけど…」


ふぅ…とお姉さんが息を吐くと消火したかのように火が消える。


「…事前に準備してるとはいえ…あの火力を維持するのは疲れるわぁ…」


…結構大変な事をしたらしいが、俺にはその重労働さが分からない。


しかもお姉さんが手に持ってる鱗は燃える前と何一つ見た目が変わってないし。


「次に氷なんだけど…その前に硬度と柔軟性からでも良い?」

「…まあ、どっちでも」


お姉さんが順序の変更を申し出て来たが俺からしたら早く出かけたいので、普通にどうでもいい。


「…えーと…あ、居た。おじさまちょっと手伝って」

「別に構わないが…何を?」


お姉さんは周りをキョロキョロと見ると車の中を掃除していたおじさんを見つけて引っ張り出した。


「この鱗…投げるから斬ってもらえる?」

「…それはドラゴンの…?…分かった」


手に持った鱗を見せながら頼むとおじさんは一瞬意味が分からなそうな顔をしたが了承して頷く。


「…はい」


おじさんが剣を上段に構えるとお姉さんは鱗を投げて合図する。


「ふっ!……流石に硬いな」


全力で振り下ろされた剣が鱗に当たるとガキン!と音が鳴って鱗が地面に叩きつけられる。


「…鱗が固定されていたら刃こぼれしそうだな」

「…やっぱりおじさまでも真っ二つには出来ないんだ」


刀身を見ながら呟くおじさんにお姉さんは少し申し訳なさそうな顔をしながら鱗を拾う。


「…もういい?」

「まだ!」


鱗の硬さと凄さは十分に伝わったので話を切り上げようとするも却下された。


「次はコレ…高純度の鉄の塊」

「…ええ…どこから取り出したの?」


お姉さんは小さいスマホをティッシュの箱ぐらい厚くしたような物を急にどこからか取り出す。


「秘密。…コレを…こう!」


俺の疑問をスルーしてアイスピックのような物を取り出すと…


なんのためらいもなくいきなり鉄の塊に突き刺した。


「…えっ!?」


豆腐に釘…みたいな感じでアイスピックみたいな物はスッと全く抵抗ないように見えて鉄の塊を貫通した。


「凄いでしょ?でも…鱗には…ほら」


アイスピックに鉄の塊が刺さったまま直ぐに地面に置いたドラゴンの鱗を刺すも…傷一つ付いていない。


「…え?いや、え?」

「熱を加える事によって武器の鋭さを強化出来るんだけど…あ」


俺が今の状況についていけずただ驚いているとお姉さんが刺さった原理を説明して、鉄の塊からアイスピックを引き抜くと針の部分がグニャグニャに変形する。


「あちゃー…やっぱり耐えられなかったか…複合金製で高かったのになぁ…」


ま、いっか。と大して悲しむ様子もなくポイっと投げた。


「この硬さで…更にこの柔軟性って凄くない?」

「ええっ!?」


そしてお姉さんは鱗を端からクルクルと巻いてタバコのような…あの有名なお菓子みたいな形になる。


…シガレットラング…なんとかって言ったっけ?


あのクルクル巻かれたクッキーみたいなサクサク食感の美味しいやつ。
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