商人でいこう!

八神

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「さて…本題ですが…あのお姉さんもお兄さんに雇われているそうですが、今日居ます?」

「あ、うん。呼んで来るよ」

「ありがとうございます」


なぜかあのお姉さんも一緒に…との事なので呼びに行こうと部屋を出るとメイドが居たのでお願いする。


「…揃いましたね。では用件を済ませましょう…こちらお姉さん方の報酬の1000万ゼベルになります」

「…報酬?…ああ、あのドラゴンの…もう現金化出来たの?」

「…そういえばそんなのもあったな」


男の説明と共にアタッシュケースのような箱から出され、テーブルの上に置かれた現金をお姉さんとおじさんは忘れてたかのような感じで受け取る。


「そして、こちらが…お兄さんへの賞金1億ゼベルになります」

「…多っ」

「1億の現金なんて初めて見た…相当頑張ったんじゃない?」


…男は持ってるアタッシュケースの中から現金を取り出してテーブルの上に置いて行くが…


さっきの金と合わせても絶対中に入りきらないだろ。と思う量がテーブルの上に積み重なっていく。


「私達も相応の分け前は貰ってますからね…参加した情報屋達もみんなお兄さんに感謝してましたよ?」

「え、なんで?」

「少ない労力で期待以上の報酬を得た…と」

「…余った2億の分け前でしょ?末端でも結構な額になったと思うけど…どうなの?」 


…そこはノーコメントで。と、お姉さんの問いに男は笑いながら受け流した。


「…これからも変わらぬご愛顧を心待ちにしております。では失礼します」


…暇だと言ってた割に男は用が済んだら直ぐに挨拶をして家から出て行った。


「…うーん…改めて見ると凄い存在感…」

「かなりの世界的大企業の社長にでもならない限りは手に入らなそうな金額を、個人でとは…」


俺たちの1000万ゼベルでさえ霞むな…と、10億円でもかなりの凄い金額なのにおじさんはなんとも言えない顔で現金タワーを見る。


「いやいや、1000万でも十分過ぎるほど凄いって…大国でも平均年収が1万ゼベルみたいだし」


俺でもそんなに稼ぐのは一ヶ月近くかかったと思うよ?と、おじさんの金銭感覚の麻痺を指摘した。


「…ちょっと待って。君…個人の商人で、たった一ヶ月で1000万稼ぐの…?」

「あ、うん…でも最近になってからだけど」


今ならドラゴンも居るしガチれば一週間もかからないかも。と、驚いたお姉さんの質問に訂正と補足を交えて答える。


「…おかしい。どう考えてもおかしくない?個人の商人が稼げる次元を超えてる気がするんだけど…」

「まあ、コイツはこれで自覚は無いが毎日命がけだったからな」


商人が自ら商品を運ぶなど自殺行為もいいとこだ…誰も真似出来んよ。と、頭を抱えて考え込むお姉さんにおじさんがそう告げる。


…そしていつものように地域内や国内…国外で商売をする事、2日後。


ようやく車の納期日になったので…朝食を食べて準備をした。


そしてドラゴンに車を運ばせてメーカーの本社工場がある国へと向かう。


「…ちゃんと出来てるかな?」

「完成してれば良いんだが…」

「楽しみね」


この車も使うのは国内だけか…と、ちょっとだけ感傷に浸りながら景色を見て到着を心待ちにする。




「…あ、お待ちしておりました!」


本社に着いてお姉さんが受付の人に尋ねたら少しして担当のおっさんが走って来た。


「…完成してる?」

「えーと、10分ほど前に最終確認に入った。と連絡がありましたので…おそらくあと3時間ほどでは終わるかと」


俺の問いにおっさんは腕時計を見ながら経過状況を教えてくれる。


「3時間っていうと…ちょうど昼じゃない?」

「…やはり午前中は難しかったか…」

「まあ、少しぐらいは良いんじゃない?…でも本当に間に合わせるなんて職人は凄いね」


かなりの無茶振りだったのに…と、俺は車の開発に携わった人達に感謝するように褒めた。


「では完成を待つまでの間に先に手続きの方を済ませましょうか」

「あ、はあ…」


なにやら書類のなんやかんやがあるみたいなのでこの前と同じ会議室に移動する。


「…え!もう来たんですか!?」


会議室の中には前と同じおっちょこちょいの事務の女性が居て、テーブルの上に大量の書類を広げられている。


「必要な書類の用意は?」

「あ、大丈夫です。少しお待ち下さい」


驚く女性におっさんが問うとテーブルの上の書類を片付け始めた。
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