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「…うーわ…」
関所の先に木材で枠組みが作られた簡易的な砦が建っていて…その周辺に魔物がうじゃうじゃとまるで蟻の大群のようにいっぱい群がっている。
「…敵の戦力は?」
「おおよそですが…低級の魔物が1500体ほど、下級が800体で中級が5体とのことです」
おじさんの問いに銀髪の青年が紙を見ながら答えた。
「…ふむ、先遣隊…といったところか」
「低級と下級って違うの?」
「一応下級にも達しないレベルの魔物を便宜上、低級って呼んでるの」
逆に上級よりも遥かに強く枠に収まらないレベルだと高級って呼んだりもしてるわね。と、俺の疑問にお姉さんが分かりやすく教えてくれる。
「へー…」
「でも流石にそこまで危険なのは昔に封印されてたりするから…実際に高級レベルと呼ばれてたのは伝説のドラゴンぐらいなんだけど」
「国によっては『超級』と呼んでいたりもしていたそうですね」
「ふーん…枠に収まらないと扱いも大変なんだな…」
お姉さんの補足のような説明に女の子が豆知識のような追加情報を言う。
「…アレは中に居るのか?」
「兵達は砦を放棄して関所まで撤退しているはずだ」
簡易的な木造の砦を見ながらおじさんが問うと銀髪の青年が答えた。
「じゃあなんであんなに砦に集まってるの?」
「囮として食料を少し残していると聞きました」
「なるほど。私達が来るまでの時間稼ぎね」
「…一応砦は残しておこうか…いける?…お願い」
砦ごと壊しても問題は無さそうだけど、せっかく作ったんだからなんか勿体ないな…と思いながらドラゴンにお願いする。
…ドラゴンはある程度まで浮くと魔物の気を引くかのように、グオオオ!!と咆哮した。
すると、直ぐに炎を吐いて砦の周りの魔物達を一掃する。
「…あらま」
…そのあまりに綺麗な雑魚散らしを見てつい呟きが漏れてしまう。
「半日どころか、これ…一時間もかかる?」
関所を挟んだ安全な場所に停めてある車の屋根の上でドラゴンと魔王軍の対決を見ていたが…
ドラゴンの…もはやオーバーキルに近い圧倒的な殲滅力を目の当たりにしてお姉さんが苦笑しながら聞いてきた。
「…炎だけで全滅してない?」
ドラゴンの吐いた炎は砦をも巻き込んでいたはずなのに…
魔物達には延焼していても砦には少しの焦げ色すら付いていない不思議。
「あの程度でも下級レベルなら耐えられないだろうな…」
「でも流石に中級は耐えきれたみたいね」
おじさんがいかにもドラゴンは手加減してます…みたいな事を言うと残った数体の魔物を見てお姉さんが指差す。
「…あ」
その残った数体の魔物もドラゴンの吐き出した火球に当たって炎上した。
「…わずか8分か…どうやら俺は敵の戦力を見誤っていたようだな」
結果から考えた事により知らぬ内に過大評価をし過ぎていたようだ…と、おじさんは腕時計を見て落ち込んだように反省し始める。
「…上手に焼けました?……まあ、食べても良いと思うけど…」
こんがり焼け上がって倒れている魔物の大群を見て某ゲームのセリフを呟くとドラゴンが食べたいと確認を取ってきた。
「…え?なにを…?」
「あれ?食べさせたらダメだった?」
火球で倒した魔物を食べ始めた様子を見て女の子が驚くので俺は、しまった…と思いながら聞く。
「あ、いえ…ダメでは無いですけど…」
「良かった……あれ?」
女の子が首を横に振るので安心してドラゴンの方を向くと…
なんか倒れてる魔物の数が減っているような気がする。
「…なんか、魔物の数…減ってない?気のせい?」
「魔王の配下となった魔物は倒されると消えていく。素材が欲しい場合には消える前に剥ぎ取らないといけないのだが…知らなかったのか?」
「ええ…」
おじさんの説明に俺は狩りゲーかよ…と思いながら若干ヒいて呟いた。
「『消える』と言っても魔王の拠点に帰還してるのか、存在そのものが消えるのか…そこが曖昧なのよねぇ」
倒した魔物と同じ魔物を見たって報告がいくつもあるぐらいだし…と、お姉さんが仕組みが詳しくは分かっていないって事を話す。
「…でも食べられたら確実に終わりだよね」
「…そうだな。糧になるのみだ」
三体目の魔物がドラゴンに食べられているのを見て呟くとおじさんがしみじみとした様子で賛同する。
「やっぱり低級の魔物から順に消えて行くのね…弱いから?」
もはや2体しか残っていない魔物を見ながらお姉さんが確認するように言う。
関所の先に木材で枠組みが作られた簡易的な砦が建っていて…その周辺に魔物がうじゃうじゃとまるで蟻の大群のようにいっぱい群がっている。
「…敵の戦力は?」
「おおよそですが…低級の魔物が1500体ほど、下級が800体で中級が5体とのことです」
おじさんの問いに銀髪の青年が紙を見ながら答えた。
「…ふむ、先遣隊…といったところか」
「低級と下級って違うの?」
「一応下級にも達しないレベルの魔物を便宜上、低級って呼んでるの」
逆に上級よりも遥かに強く枠に収まらないレベルだと高級って呼んだりもしてるわね。と、俺の疑問にお姉さんが分かりやすく教えてくれる。
「へー…」
「でも流石にそこまで危険なのは昔に封印されてたりするから…実際に高級レベルと呼ばれてたのは伝説のドラゴンぐらいなんだけど」
「国によっては『超級』と呼んでいたりもしていたそうですね」
「ふーん…枠に収まらないと扱いも大変なんだな…」
お姉さんの補足のような説明に女の子が豆知識のような追加情報を言う。
「…アレは中に居るのか?」
「兵達は砦を放棄して関所まで撤退しているはずだ」
簡易的な木造の砦を見ながらおじさんが問うと銀髪の青年が答えた。
「じゃあなんであんなに砦に集まってるの?」
「囮として食料を少し残していると聞きました」
「なるほど。私達が来るまでの時間稼ぎね」
「…一応砦は残しておこうか…いける?…お願い」
砦ごと壊しても問題は無さそうだけど、せっかく作ったんだからなんか勿体ないな…と思いながらドラゴンにお願いする。
…ドラゴンはある程度まで浮くと魔物の気を引くかのように、グオオオ!!と咆哮した。
すると、直ぐに炎を吐いて砦の周りの魔物達を一掃する。
「…あらま」
…そのあまりに綺麗な雑魚散らしを見てつい呟きが漏れてしまう。
「半日どころか、これ…一時間もかかる?」
関所を挟んだ安全な場所に停めてある車の屋根の上でドラゴンと魔王軍の対決を見ていたが…
ドラゴンの…もはやオーバーキルに近い圧倒的な殲滅力を目の当たりにしてお姉さんが苦笑しながら聞いてきた。
「…炎だけで全滅してない?」
ドラゴンの吐いた炎は砦をも巻き込んでいたはずなのに…
魔物達には延焼していても砦には少しの焦げ色すら付いていない不思議。
「あの程度でも下級レベルなら耐えられないだろうな…」
「でも流石に中級は耐えきれたみたいね」
おじさんがいかにもドラゴンは手加減してます…みたいな事を言うと残った数体の魔物を見てお姉さんが指差す。
「…あ」
その残った数体の魔物もドラゴンの吐き出した火球に当たって炎上した。
「…わずか8分か…どうやら俺は敵の戦力を見誤っていたようだな」
結果から考えた事により知らぬ内に過大評価をし過ぎていたようだ…と、おじさんは腕時計を見て落ち込んだように反省し始める。
「…上手に焼けました?……まあ、食べても良いと思うけど…」
こんがり焼け上がって倒れている魔物の大群を見て某ゲームのセリフを呟くとドラゴンが食べたいと確認を取ってきた。
「…え?なにを…?」
「あれ?食べさせたらダメだった?」
火球で倒した魔物を食べ始めた様子を見て女の子が驚くので俺は、しまった…と思いながら聞く。
「あ、いえ…ダメでは無いですけど…」
「良かった……あれ?」
女の子が首を横に振るので安心してドラゴンの方を向くと…
なんか倒れてる魔物の数が減っているような気がする。
「…なんか、魔物の数…減ってない?気のせい?」
「魔王の配下となった魔物は倒されると消えていく。素材が欲しい場合には消える前に剥ぎ取らないといけないのだが…知らなかったのか?」
「ええ…」
おじさんの説明に俺は狩りゲーかよ…と思いながら若干ヒいて呟いた。
「『消える』と言っても魔王の拠点に帰還してるのか、存在そのものが消えるのか…そこが曖昧なのよねぇ」
倒した魔物と同じ魔物を見たって報告がいくつもあるぐらいだし…と、お姉さんが仕組みが詳しくは分かっていないって事を話す。
「…でも食べられたら確実に終わりだよね」
「…そうだな。糧になるのみだ」
三体目の魔物がドラゴンに食べられているのを見て呟くとおじさんがしみじみとした様子で賛同する。
「やっぱり低級の魔物から順に消えて行くのね…弱いから?」
もはや2体しか残っていない魔物を見ながらお姉さんが確認するように言う。
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