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…バーゼルはいつもの小屋の中にいる方が落ち着くみたいなので、ドラゴンだけ籠に入れたまま家の中に入る。
そして夕飯を食べて風呂に入り、そのまま眠りについた。
…翌朝。
「ご主人!大変です!これを見て下さい!」
ドラゴンを籠から出して出発の準備をしているとメイドの一人が新聞を手に走って来る。
「どうかした?」
「あの子が、新聞に載ってます!」
「…あの子…?」
あの子ってどの子?と思いながら渡された新聞を見た。
「あー…あの子…」
…新聞には大きな見出しで『奴隷の領主、就任早々大活躍!』と書かれている。
その一文でメイドが言うあの子があの女の子だと分かり俺は納得したように呟く。
「なんて書いてあるんだ?」
「えーと…『隣国で最も軍事力を持つ通称暴れ熊の領主でさえ敗北した魔王軍に果敢にも戦いを挑み短時間で勝利した』だって」
一面を飾り長々とした文章を読むのも面倒なので最初のまとめの部分だけを読み上げた。
「…ほう?」
「『今日にでも首都に呼ばれ国王から直々にお祝いの言葉をいただけるだろう。褒美はいかなるものか』」
「凄くないですか?…あ、でも魔王軍自体はご主人がやっつけたんですよね?」
ドラゴンの火でブワーって聞きました!と、多分お姉さんから聞いたんであろう話を子供のような表現で話す。
「うーん…そうだけど、外ではあまり話さないようにね?」
「あ、大丈夫です。ちゃんと口止めされたので」
外で言いふらされたら面倒な事になりそうだ…と思いながら言うと、どうやらお姉さんがしっかりと口止めされたらしい。
…その後、メイドとの世間話も終わり…バーゼルに車とコンテナを繋いで商売へと出かけた。
いつも通り安い物は買い占めて、高く売れる所へ売りに行く。
そして昼には帰宅して昼食を食べて午後にはドラゴンに乗って隣国へとGO。
「…ん…?アレは…?」
「どうしたの?」
さっきの国内で仕入れた果物や野菜を高く売れる都市部へと向かってると景色を見ていたおじさんが何かを発見したように呟く。
「…少し止まってくれないか?」
「?分かった」
おじさんの提案に俺はドラゴンに一旦止まってホバリングするようお願いした。
「…アレは、やはり…!…あの兵達、見えるか?」
「…どれ?…ってか、どこ?」
「あそこの森の方だ。灰色の鎧を着ている兵がいるだろう?」
「…見えない。本当にいる?」
おじさんが指を指して教えてくれるも目を細めて見たが、森があるなー。ぐらいでそれらしいのは全く見えない。
「岩とかの見間違いじゃない?」
まあいっか。とドラゴンにお願いしておじさんが指定した場所に行ってもらう。
「…あー、確かに…ってかあの距離から良く見えたね?」
結構な距離近づいてようやく小さなそれらしきのが見えて来たので俺は驚きながら尋ねる。
「戦場や傭兵では目が良い者の生存率が高い、と言われてるからな」
「いや、それにしたってでしょ。あの距離からじゃ双眼鏡を使ってでも言われないと気づかないぐらいだと思うけど…」
…視力1.5ぐらいの俺でも全然見えないものが平気で見えるおじさんの視力はおそらく2.0じゃきかない気がする。
そして夕飯を食べて風呂に入り、そのまま眠りについた。
…翌朝。
「ご主人!大変です!これを見て下さい!」
ドラゴンを籠から出して出発の準備をしているとメイドの一人が新聞を手に走って来る。
「どうかした?」
「あの子が、新聞に載ってます!」
「…あの子…?」
あの子ってどの子?と思いながら渡された新聞を見た。
「あー…あの子…」
…新聞には大きな見出しで『奴隷の領主、就任早々大活躍!』と書かれている。
その一文でメイドが言うあの子があの女の子だと分かり俺は納得したように呟く。
「なんて書いてあるんだ?」
「えーと…『隣国で最も軍事力を持つ通称暴れ熊の領主でさえ敗北した魔王軍に果敢にも戦いを挑み短時間で勝利した』だって」
一面を飾り長々とした文章を読むのも面倒なので最初のまとめの部分だけを読み上げた。
「…ほう?」
「『今日にでも首都に呼ばれ国王から直々にお祝いの言葉をいただけるだろう。褒美はいかなるものか』」
「凄くないですか?…あ、でも魔王軍自体はご主人がやっつけたんですよね?」
ドラゴンの火でブワーって聞きました!と、多分お姉さんから聞いたんであろう話を子供のような表現で話す。
「うーん…そうだけど、外ではあまり話さないようにね?」
「あ、大丈夫です。ちゃんと口止めされたので」
外で言いふらされたら面倒な事になりそうだ…と思いながら言うと、どうやらお姉さんがしっかりと口止めされたらしい。
…その後、メイドとの世間話も終わり…バーゼルに車とコンテナを繋いで商売へと出かけた。
いつも通り安い物は買い占めて、高く売れる所へ売りに行く。
そして昼には帰宅して昼食を食べて午後にはドラゴンに乗って隣国へとGO。
「…ん…?アレは…?」
「どうしたの?」
さっきの国内で仕入れた果物や野菜を高く売れる都市部へと向かってると景色を見ていたおじさんが何かを発見したように呟く。
「…少し止まってくれないか?」
「?分かった」
おじさんの提案に俺はドラゴンに一旦止まってホバリングするようお願いした。
「…アレは、やはり…!…あの兵達、見えるか?」
「…どれ?…ってか、どこ?」
「あそこの森の方だ。灰色の鎧を着ている兵がいるだろう?」
「…見えない。本当にいる?」
おじさんが指を指して教えてくれるも目を細めて見たが、森があるなー。ぐらいでそれらしいのは全く見えない。
「岩とかの見間違いじゃない?」
まあいっか。とドラゴンにお願いしておじさんが指定した場所に行ってもらう。
「…あー、確かに…ってかあの距離から良く見えたね?」
結構な距離近づいてようやく小さなそれらしきのが見えて来たので俺は驚きながら尋ねる。
「戦場や傭兵では目が良い者の生存率が高い、と言われてるからな」
「いや、それにしたってでしょ。あの距離からじゃ双眼鏡を使ってでも言われないと気づかないぐらいだと思うけど…」
…視力1.5ぐらいの俺でも全然見えないものが平気で見えるおじさんの視力はおそらく2.0じゃきかない気がする。
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