商人でいこう!

八神

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「…結晶?」

「ミスリルの塊よ。まあ、もう用は済んだから次の場所に行きましょ?」

「あ、うん」


そんな物を採ってどうすんだ?と思いつつも今から採掘しに行くわけじゃないっぽいので言われるがまま車内に戻りドラゴンにお願いした。


「…ココも意外と広いね」

「やっぱり機材を入れるために広く掘ってるんじゃないかな?」


今度はオリハルコンが採れる鉱山に移動してからさっきと同じように行き止まりまで進む。


「…ココはダメね。微細な魔力すら感じない…別の通路に行きましょう」


…どうやら行き止まりならどこでも良い、と言うわけでもないらしくお姉さんの指示通り別の場所へと向かう。


そして次の行き止まりはオッケーらしいのでドラゴンの火炎弾で壁を攻撃し、崩れた石をお姉さんとおじさんが拾い集める。


「…あれ?」


お姉さんはさっきと同様にどこからか杖と本を取り出してブツブツ呟くも魔方陣が展開しない。


「…あ。回復アイテム、貰える?」

「え、あ、うん」


お姉さんの要求に俺は車内に常備している結構お高めな回復アイテムを両方渡した。


「…ありがと。…うん、コレでオッケーね…じゃあ次」

「…大丈夫?」

「うん。どうせ次で最後だし…また回復アイテム貰える?」


明らかに汗をかいて息が荒く疲弊している…と見て分かったから俺が心配して聞くもお姉さんは頷いて首を傾げる。


「…そこまで急ぐ必要もあるまい。明日でも良いんじゃないか?」

「…そうね。でも面倒なのは速攻で終わらせるタイプなの、私」


後から何があるか分からないじゃない?と、おじさんの心配したように提案をお姉さんは笑って断った。


「…本人がそう言うならもう止めまい」

「心配してくれて嬉しい。でも流石に体調に影響が出るほどは無茶しないから」

「…じゃあ、行くよ?」


おじさんがため息を吐いてそう告げるとお姉さんはちゃんと体調管理はしてるような返答をしたので…


俺はドラゴンにお願いして最後の鉱山へと移動してもらった。


「…こうやって移動中に休めなかったら一日で一ヶ所しか出来なかったな…」

「…結晶の場所を知ってどうするの?」

「内緒。女は宝石とか綺麗な物が好きなのよ?」

「…それはもう答えを言っているのでは?」


…と言うか横領ともなると流石に看過しかねるぞ。と、おじさんは呆れたように言った後に注意する。


…翌日。


子供達の車やコンテナを用意するためにそれぞれの最大手企業の本社へと出向いて特注品を注文した。


そして午後に子供達を連れて久しぶりに仕事を再開。


…その次の日には車とコンテナ、ドラゴン用のハーネスを受け取って子供達に渡す。


…一応それから一週間は子供達と一緒に世界中を飛び回って俺なりの商売のやり方を教えた。



それからいつも通りの日常を過ごす事、一ヶ月後。


「やあ、お兄さん。あの弟子達も順調に仕事に慣れて来たみたいですね」

「…そうなの?」


朝食前の朝早くから情報屋の男が家に尋ねて来る。


「ええ。しかし驚きですね…まさか商人兼運び屋とは聞いていましたが、人も運ぶなんて…」

「…それ、前も言ってなかった?」

「この前のは領主の女の子と王子や王女達が足代わりに利用していた、って話を聞いたからですよ」


男の話に俺が指摘すると内容の違いを説明して来たが…どう違うのかよく分からなかった。


「…同じことじゃん」

「前のは身内の送迎ですが、今回は貴族達…赤の他人に料金を請求しての商売じゃないですか」

「…へー、そうなんだ。空いた時間にバイトするなんて偉い…」

「…お兄さんの指示じゃなかったんですか…?」


違いを説明して来るので俺も初耳だ…的な感じで返すと男は驚いたように聞いてくる。


「…いや、基本的に俺は子供達にはノータッチで自由にさせてるから…」

「…お兄さん、ホント大物ですね。それで成功するんだから…」

「…で、何の用?遊びに来ただけ?」


俺が上司のおじさんと同じ教育方針を受け継いでる事を伝えると男が呆れたように呟くので用件を尋ねた。
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