商人でいこう!

八神

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「…ん?お前達は…?」

「まあ!来てくださったのですね!」


群がる魔物達を蹴散らしながら進んでいた勇者パーティを見つけて合流すると…


金色の『勇者』の称号を持つ、俺と同じ歳ぐらいの少年が不思議そうに尋ね聖女が嬉しそうに手を叩く。


「知り合いか?」

「はい。この前の伝説のドラゴン討伐の時に」

「あの伝説のドラゴンの討伐に!?こんな商人が!?」


パーティメンバーの魔法使いっぽい青年の問いに聖女が頷いて説明すると少年が驚愕する。


「…へー、どこからどう見ても戦えるようには見えないけど…意外と根性あるんだな!」

「…ありがとう」

「でもこの商人様がいらしたという事は…」

「察しの通り回復アイテムも罠もこれでもか、と大量に持ってきてるから感謝なさい」


少年の言葉に投げやりにお礼の言葉を言うと聖女が思い出したように呟きお姉さんが恩着せがましいような言い方をした。


「これで回復アイテムの心配はありませんね!」

「それはありがたい。雑魚どもに遠慮する必要は無くなったな」

「おーし!ばんばん進むぞー!」


少年の掛け声と共にパーティメンバー達はおー!と声を上げて進んで行く。


「…乗せてあげた方が早いんじゃない?」

「一応なんか道中レベル上げのために歩いて進ませた方が良いんだって」


あとあんまり早く着き過ぎるとドラゴンの邪魔になるし…と、お姉さんの提案に俺は女神から聞いた事をそのまま伝えた。


「…確かにそうね……あ!じゃあ今の内に…はい。コレあげる」

「…服?」


お姉さんから受け取った袋の中身を見るとカーゴパンツのような長ズボンに長袖、パーカーが入っている。


「ドラゴンの鱗を糸状にして編ませた特注の洋服。良く来てる服を参考にして作ってもらったんだけど…」

「…ありがとう。でもなんで今?」


…なんか材質にこだわってるような説明をされたが渡されたタイミングが分からないので聞いてみた。


「ふと思い出したから。一応ソレ、色々と特殊な技法や魔法を使って編まれてるから…防御力は世界最高よ」

「…そうなの?」

「ええ。あの鱗以上の強度に加えてほとんどの魔法を打ち消してくれるの」


私も今着けてるけどここらへんの魔物が相手でもダメージ受けないと思う。と、なんとも嬉しいプレゼントだった。


「…あの鱗以上だと傷付ける方法が思いつかないな」

「…おじさまの分は今製作中で間に合わなかったみたい」


生き残った後のお楽しみ、って事で…と、お姉さんはウインクしてそう告げる。


…そんなこんな魔王城を目指して進み、途中でいろんな出会いがあってパーティも徐々に増え続けること3日目。


勇者パーティご一行はようやく魔王城へとたどり着いた。


…そして漫画おなじみの『ここは俺に任せてお前は先に行け!』という展開を繰り返し英雄や剣聖、拳帝に聖騎士…


大魔導師や賢者達その他もろもろがパーティメンバーから抜けて行き、魔王の居る玉座の間まで着く頃には勇者パーティの4人と俺達3人だけに。


「…ココだ!魔王!覚悟しろ…ってアレ?」


少年が扉を蹴破る勢いで開けて乗り込むも魔王の姿は無い。


「…魔王は、一体どこに…?」

「もしかして…俺たちに恐れをなして逃げ出した、とか!?」

『…身の程を弁えろ。貴様ら人間ごときに魔の王たる吾輩が恐れるだと?逃げ出すだと?』


みんなで広い部屋の中を探すも見当たらないので少年が得意げに言うと、どこからともなく声が聞こえてきた。


「!あそこ!」


聖女が何かに気づいたように玉座を指差すと誰かが座っている。


「ふん。吾輩がドラゴンの相手をしている間に沸いて出おって…ウジ虫のような奴らよ」

「…あ」


人型の魔王が不快そうに呟くと急に目の前の空間が歪んでドラゴンが出て来た。 


「グオオ!!」

「…貴様の相手をしたいのはやまやまだが、吾輩は虫退治をせねばならんのだ。相手をして欲しければまとめてかかってくるがいい」

「魔王を倒せば世界に平和が訪れる…!」

「よーし!みんな、最終決戦だ!いくぞ!」


ドラゴンの咆哮に魔王が椅子から立ち上がり勇者パーティは気合いを入れて戦闘体勢を取る。


「…雑魚など何匹まとまろうとものの数ではない。失せろ」

「くっ…!重い…!」

「…流石は魔王だ。こいつはしんどいってレベルじゃねぇ戦いになりそうだぜ」


魔王が腕を振ると衝撃波のような物が出て向かって来た勇者達前衛3人をまとめて吹き飛ばす。
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