商人でいこう!

八神

文字の大きさ
169 / 208

168

しおりを挟む
…それから一ヶ月後。


情報屋の男の提案による商売で荒稼ぎをしてると…


夢に女神が出て来て魔王討伐のための準備が整ったと言われた。


…そしてそれから色々準備をすること一週間。


ついにその日がやって来た。


そう、魔王討伐のXデーだ。


…勇者パーティが魔王の住処である魔大陸に上陸したみたいなのでそろそろ俺の出番が来てしまう。


「…準備はオッケー。大丈夫だよね?」

「…ああ」

「…じゃあ、後は任せたよ」


俺は新調したコンテナの中にこれでもか!と積み込まれた回復アイテムや罠を確認した後におじさんにも確認して子供達に別れの挨拶をする。


そしてあの小国に寄って防衛のために置いていたドラグーンを回収した。


「…行かれるのですね。ご主人様…」

「…この国の守りは子供達にお願いしてるから…」

「絶対生きて帰って来て下さい」

「…ええ、全力を尽くすわ」


…ついでにお姉さんもついて来てくれるらしく泣きそうな顔の王子に笑って返す。


「…まさか本当にこんな日が来るとは…」

「魔王討伐に参加出来るなんて栄誉な事ね。ま、これだけ強い魔物を従えていれば嫌でも強制でしょうけど」

「…本当にいいの?死ぬかもしれないよ?」


難しい顔で呟くおじさんとお姉さんに俺は最後の確認を取る。


「何をいまさら。死と隣り合わせなどいつものことだろう」

「そうね。伝説のドラゴンに封印されしドラグーンがいれば魔王が相手でも…まあ勝算はあるでしょ」


いつも通り。と、おじさんもお姉さんも引き返すような事は言わなかった。


「…ありがとう。俺一人じゃ流石に…ね」

「…礼などいらん。雇われている以上何があろうといつもと同じ、この命の限り守り抜くだけだ」

「私も報酬は十分どころか余り過ぎるほどに貰っちゃったからなぁ…それに伝承が正しければ魔王さえ倒せば魔王軍の魔物は消滅するみたいだし」


人類のためにどうせいずれ起こる戦いだったからお礼を言われてもね。と、おじさんもお姉さんも俺の感謝の言葉を拒否した。


「…ありがとう」


一回ぐらいなら死んでも大丈夫だしなぁ…と軽く考えつつも、おじさんとお姉さんは一回でも死んだらアウトなので一応もう一回お礼を言った。


「…そろそろだ」

「…ふう。良い感じの緊張感」

「…怖いならやめても良いんだぞ?お前にはまだ未来があるだろう」

「冗談。私だってこれくらいの修羅場は何回かは乗り越えてるもの」


俺が窓から景色を見ながら呟くとお姉さんが震えながら息を吐くのでおじさんがそう提案したが強がって断る。


「…着いた。じゃあ、手はず通りに…」

「分かった」

「オッケー」


魔大陸に着いたので俺は外に出ながらお姉さんとおじさんに合図を出す。


「…任せたよ」

「じゃあ、やるわよ…」


俺が白い籠からドラグーンとバーゼル、ユニコーンを出すとおじさんがドラゴンのハーネスを外して自由にさせた。


そしてお姉さんが補助魔法を使って魔物達を強化してくれたので…


ドラゴンとドラグーンに指示を出して先に送り出す。


「…死なない程度にね」


二体のドラゴンを見送った後にバーゼルにハーネス的なものを着けて勇者達を追いかけるために陸路を進む。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

【第一章改稿中】転生したヒロインと、人と魔の物語 ~召喚された勇者は前世の夫と息子でした~

田尾風香
ファンタジー
ある日、リィカの住む村が大量の魔物に襲われた。恐怖から魔力を暴走させそうになったとき前世の記憶が蘇り、奇跡的に暴走を制御する。その後、国立の学園へと入学。王族や貴族と遭遇しつつも無事に一年が過ぎたとき、魔王が誕生した。そして、召喚された勇者が、前世の夫と息子であったことに驚くことになる。 【改稿】2026/02/15、第一章の39話までを大幅改稿しました。 これまで一人称だった第一章を三人称へと改稿。その後の話も徐々に三人称へ改稿していきます。話の展開など色々変わっていますが、大きな話の流れは変更ありません。 ・都合により、リィカの前世「凪沙」を「渚沙」へ変更していきます(徐々に変更予定)。 ・12から16話までにあったレーナニアの過去編は、第十六章(第二部)へ移動となりました。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~

深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。 ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。 それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?! (追記.2018.06.24) 物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。 もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。 (追記2018.07.02) お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。 どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。 (追記2018.07.24) お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。 今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。 ちなみに不審者は通り越しました。 (追記2018.07.26) 完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。 お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!

異世界なんて救ってやらねぇ

千三屋きつね
ファンタジー
勇者として招喚されたおっさんが、折角強くなれたんだから思うまま自由に生きる第二の人生譚(第一部) 想定とは違う形だが、野望を実現しつつある元勇者イタミ・ヒデオ。 結構強くなったし、油断したつもりも無いのだが、ある日……。 色んな意味で変わって行く、元おっさんの異世界人生(第二部) 期せずして、世界を救った元勇者イタミ・ヒデオ。 平和な生活に戻ったものの、魔導士としての知的好奇心に終わりは無く、新たなる未踏の世界、高圧の海の底へと潜る事に。 果たして、そこには意外な存在が待ち受けていて……。 その後、運命の刻を迎えて本当に変わってしまう元おっさんの、ついに終わる異世界人生(第三部) 【小説家になろうへ投稿したものを、アルファポリスとカクヨムに転載。】 【第五巻第三章より、アルファポリスに投稿したものを、小説家になろうとカクヨムに転載。】

【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます

よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」  婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。 「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」 「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」  両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。  お姉様からは用が済んだからと捨てられます。 「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」 「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」  ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。  唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。  ここから私の人生が大きく変わっていきます。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

処理中です...