料理人がいく!

八神

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番外編『魔法使いがいく!』

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「…安心しろ、お前達が殺されても俺が蘇生してやる」

「…!蘇生だと!?死者さえも生き返らせることができるのか!?」

「…ああ、俺が地べたを這うように頭を下げ続けて下手に出てれば多分成功する」


できるならそんな情けない事はしたくないが…と、彼が言うと周りは想像したのか変な雰囲気に包まれた。


「ん、オホン…では行って参ります」


『大将』と表示されてる男は咳払いをして雰囲気を変えると先陣を切るように歩き出す。


「…では行きましょう」

「…うむ」


そして護衛に連れられるようにして少女も男についていく。


「…開けろ!我々は使者である!」


城門の前で男が大声で用件を伝えると少し時間が空いて門が少し開いた。


「…さっさと入れ」

「おっと、使者に手荒い真似をしたらどうなるか…分かってるであろうな?」

「我々をバカにするな!!」


案内役であろう兵士の言葉に男が牽制するように返しながら中に入ると隣の兵が怒ったように叫ぶ。


「ふん…分かってるならそれで良い。我々とて手荒な真似はしたくない」


敵の兵士の言質を取ったあとに少女を気遣ってなのか男は護衛と挟むように横に移動する。



「…こっちだ」


城門が閉まると兵士は目的の人物までの案内を始める。


「!アレは…姫様!」

「本当だ!捕まったのか…?」

「いや、そんな風には見えないが…」


城下町を歩いてると少女の姿を見た人達がザワザワし始めた。


「…お嬢様」

「うむ…者共、安心しろ!これは降伏勧告だ!お前たちは私達が必ず助け出す!」


護衛の言葉に自分の立場を理解している少女は鼓舞するように叫ぶ。


「降伏…!?勝ったのか!?」

「王様が戻ってくる!?」

「…勝手な事をされては困ります…怪我、したくないでしょう?」


少女の言葉を聞いて喜ぶ民集を見て案内している兵士の一人が脅すように聞いてくる。


「…既に王都を包囲してるのでこの作戦は我々の勝ちです…もしお嬢様に傷の一つでも付こうものなら…覚悟、して頂かないと」

「なんだと?貴様、喧嘩売ってるのか?」

「やめろ、コイツらをどうするかは司令官次第だ」


護衛が脅しで返すと別の兵が反応し、また別の兵が止める。


「ちっ…こいつら人質にすれば簡単なのによ」

「残念だったな!私達は死んでも生き返る!人質にしても無意味だぞ!」

「…両方、黙れ。お互いに挑発しても意味が無い…静かに進め」


少女の自信たっぷりな言葉に兵が反応すると口を開く前に一番前にいるリーダー格の兵士が場を制した。


「おいおい!ここまで言われて黙って…」

「…そんなに罰を受けたいのか?」

「…冗談だって、了解したよ…リーダー」


兵の一人が反発しようとしたがひと睨みで態度を変え、案内役の兵達は静かになった。
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