【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める

シロ

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一章 始まりの街

24 いざ、迷宮攻略へ:Ⅴ

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 昨夜、二回程襲撃されたが、問題無く撃破をした。
 睡眠時間が少ないが、それだけでも回復できるスペックの身体を持っているので、何ら体調に影響はない。

 視界に表示されたログインボーナスを受け取り、朝食の準備を始める。

【『調理』Ⅰ→ⅡUP!】

 朝食を取ると、手早くテントを片付けた。


 特に残る理由などもなく、七層への階段を降りていく。結局先日は、ペースを上げるつもりだった筈だが、レベリングという寄り道をしてしまいあまり進めていない。

 そして現在はレベルも高くなってきているため、上がりづらくなっている。今は指名依頼中だ、レベリングは他の迷宮でも行き、時間のある時に行えば良いだろう。

 そう思いつつ階段を降りる。

 七階層目は、やはりというか森だった。空はまだ朝方なのに、夕暮れに染まっている。
 体内時間が狂いそうなものだが、気にせず七層の攻略を開始した。

 森の中を注視すると、張り巡らされた蜘蛛の糸が見える。どうやらこの階層は、蜘蛛の巣窟のようだ。
 降りてそうそう、一匹のモンスターが近寄ってくる。その形は、やはり蜘蛛だった。

 体長はニメートルはあるかという大物。八つの赤い目が、オレの事を睨みつけていた。
 虫嫌いな人物が見れば、悲鳴を上げることは間違いないだろ
う。

 種族名は『ラーニスパイダー』という。ステータスは思いの外強く、以前戦ったブラットウルフよりも一回りか二回り強い。

 あの時なら、もう少し苦戦したかも知れないが、レベルの上がった今となっては、ゴブリンとそう大差無い。扱うスキルが違うだけだ。

「シュー!」

 威嚇音と共に、お尻から白い糸を吐き出すが、それをダガーで防ぐ。すると粘着性の高い糸だったのか、ダガーに張り付いた。
 それを好機と見たラーニスパイダーは、引き寄せようと、身体を縮め力を込めるが全く動かない。

 それも当たり前だ。ステータスの格が違うのだから。オレはダガーを強く引き、ラーニスパイダーを引き寄せると思いっ切り蹴り上げた。

――グシャッ!

 嫌な音と共に、ラーニスパイダーの身体は爆せ、紫色の液体が周囲に飛び散った。そしてそれは、オレにも掛かる。

「げッ!」

 つい、そう言葉に出た。
 ラーニスパイダーが残した体液は、直ぐに迷宮へ吸収されていったが、あの液を浴びるのは流石に来るものがある。

 今後は間合いに気を付けながらも、ドロップアイテムとお金を回収して、先へ進んだ。


【経験値を獲得】
【解析完了】
【『糸生成』Ⅲを獲得】
【『繰糸』Ⅲを獲得】
【レベル23→24UP!】
【『罠解除』Ⅰ→ⅡUP!】





 蜘蛛の糸を利用した罠も多かったが、問題無く進む事ができた。
 しかし、途中蜘蛛が扱う『糸生成』や『繰糸』といったスキルを獲得できた事には驚いたモノだ。

 『糸生成』はお尻から、では無く指から生成する事ができたので一安心。どうやら粘着性のある糸や硬質な糸など、使い分ける事ができるらしい。
 なかなかに便利だ。

 そして今は八階層、ならば周期的に考えればここは草原のはずだ。
 予想は的中し、モンスターが蔓延る広大な草原へと出た。

 しかし、居たモンスターはホブゴブリンなど生温いモノではなく、五階層にいたオーガで編成されたパーティー。
 それが数多く彷徨いている。ホブゴブリンたちと比べ、レベルが高く、新たな魔法もあるかも知れないと、心を惹かれるが、そんな事をしている時間は無い。

 遺憾ながら、戦闘は最小限に抑え突っ切る事となった。


【経験値を獲得】
【解析完了】
【『火魔法』Ⅲを獲得】
【スペル『炎槍フレイムランス』Ⅱを獲得】
【『長弓術』Ⅰを獲得】
【レベル24→25UP!】
【『歩法』Ⅰを獲得】





 運の良い事に、数少ない戦闘の中で『火魔法』を獲得する事ができた。これで魔法は基本の四種はコンプリート、できる幅も広がるだろう。
 素早く走れる方法を模索していたら、『歩法』も獲得することができた。これでより早く走る事ができる。また、戦闘でも活用する事ができるだろう。

 そして次は、ジャングルのような密林地帯。この階層ではこの密林の中に紛れた植物がモンスターだった。

 自身の葉や枝を飛ばして攻撃する『ラーモウッド』、甘い香りで敵を誘い、食虫植物のように人間を喰い殺す『メロウブルーメ』。ファンタジーで有名、色香で人間を誘い出し、釣られた愚者の精を吸って干からびるまで搾り取る、木の魔精霊『ドライアド』。

 どれも危険度はC~Bランク冒険者が狩るものだ。この迷宮へと送り込んだゴルーダルは、たとえ腕を見込んだとはいえDランクの冒険者に何て事をさせているのやら。

 そうぼやきつつも、攻略は進める。

 九層は奇襲メインだったので、特に苦戦することは無かった。MAPで敵の位置を確認し、脅威であると感じれば先制を仕掛け討ち取る。

 ドライアドが一度魅了を仕掛けて来たが、何ら影響は無かった。確かに魅力的な女性ではあったが、その裏が見え透けているし、何よりオレはアイツ・・・を裏切りたくは無い。
 直ぐさま斬り殺した。


【経験値を獲得】
【解析完了】
【『植物魔法』Ⅱ→ⅢUP!】
【スペル『棘の巨樹ソーンアーバ』Ⅱを獲得】
【『闇魔法』Ⅲを獲得】
【スペル『甘い誘惑ドゥーオーネ』Ⅱを獲得】
【『魅了』Ⅳを獲得】
【『魅了耐性』Ⅲを獲得】
【『奇襲』Ⅰ→ⅡUP!】





 階段前へと到着する。次は情報通りならばボス戦の筈だ。万全の状態で迎えられるよう、休む事にする。

 先ずはテントを手早く張り、昼食を準備した。
 力が付くと思い、肉料理を選択し、ガツガツと食らう。なかなかに美味だった。

 やはり、体力や精神は十分とはいえ、万全を期すためにちゃんとした睡眠は取っておきたい。
 そのためにも、モンスターが近付けられないようある細工を行う。とはいっても、大雑把で豪快なモノだ。

 周囲の木を見渡す。どれも大木といえるほどの大きさだ。一本二十メートルはあるのでは無いだろうか。

 それを、問答無用で蹴り折る。『蹴術』や『伐採』、ステータスもそれを助長させ、ベキベキベキと大きな音を響き渡らせながら折れていった。
 それを繰り返して行く。

【『蹴術』Ⅰ→ⅡUP!】

 囲むように大木を配置したら、ワイヤーを購入してその大木の隙間に張り巡らせていく。
 そして、より用心のためにその内側に『土壁アースウォール』を全面に配置する。

 これで侵入は出来まい。オレは安心してテントの中へ入り、二、三日振りの睡眠を堪能した。




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