【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める

シロ

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一章 始まりの街

27 ボス戦開始:Ⅲ

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 解析が出来た『闘気』と『豪腕』も発動させる。
 そして、僅かでも身体能力を上げるために『身体能力向上フィジカルアップ』に込める魔力を増加させ、その上に『魔纏法』も発動させた。

【『魔纏法』Ⅰ→ⅡUP!】

 濃密な魔力を纏うオレへ、少しも警戒を見せないグレドーナからは、強者の貫禄すら感じられる。

 だが、その目に理性が無いのは些か如何なものか。

 グレドーナはキョロキョロと見失ったオレを見つけようとしている。
 先程、勘で攻撃をされたが本来は『神隠しの面』の絶対遮断を発動しているため、感知できるはずがないのだ。

 ならばこちらからと、先制攻撃を仕掛けさせて頂く。

 黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメへ魔力をチャージしていく。もっと多く、もっと多く。

 感覚で、黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメが限界だと感じたその瞬間まで魔力を注ぎ込んだ。

 魔力が溜まりに溜まっている黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメは、黒炎と黒雷を迸らせ今にも暴走しそうだ。

 それを、スキルレベルがMAXの『魔力操作』で抑えつけている状態なので、結構危険である。

「“開放リリース”」

 その火力を、グレドーナへブチかました。
 エネルギーが一本の極太い黒のレーザーへと凝縮され、物凄い威力となっている。

 グレドーナは突如現れた黒いレーザーに反応しきれず、直撃を食らった。

「グギャアアアアアア!」

 盛大な悲鳴がグレドーナから漏れる。
 全てを消滅させる勢いで、黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメの黒き炎雷が溢れ出ている。

 次第にグレドーナの悲鳴も途切れ途切れになり、遂には聞こえなくなる。そして黒き炎雷も魔力が枯渇し、消えていった。

 黒き炎雷が消えたその場には、グレドーナが地へと伏している。

「……やったkッ!?」
「――グラァアアアアア!!!」

 思いっ切りのフラグ建設をしていた事に、慌てて口を塞ぐが、一歩遅かった。

 グレドーナが雄叫びを上げ、立ちがある。体からは炎が吹き上がり、肌の焼けるような熱気がここまで届いた。

「今度は『炎奏』かよ……」

 うんざりしたように、オレはそう呟く。

 炎は何匹もの蛇の形をとり、全方向へと放ってきた。どうやら暴走状態にあるようだ。
 オレの方に向かってきたモノを、何とか黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメで振り払うが切りがない。

 そこへ上乗せするように、炎で出来たのグレドーナが三体現れる。
 炎を利用した分身だろうか?その内の一体が、オレへと襲ってくる。

「ぐッ!」

 グレドーナの豪腕を、何とか黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメで受け止めた。

 装備のステータス上昇効果もあり、ギリギリ互角には保っていられるが、グレドーナの放つ熱が問題だった。

 物凄い熱気で、何とか抑えている腕は焼け爛れ、顔にもその熱は届いている。
 下から上げるように残った二本の腕が振るわれるので、抑えていた腕を切り上げ距離を取る。

 何とかかする程度で済んだ。

【『熱耐性』Ⅰを獲得】

 だが、熱によるダメージが大きい。幸いにして、『熱耐性』を獲得できたが、次に直撃を喰らえば暫く動けないだろう。

 現に今も、徐々に回復していっているとはいえ『痛覚耐性』がなければ失神しているほどの痛みに襲われているはずだ。
 身体は相当な無茶をしている。

 さてと、これからどうしたモノか?





◇◆◇◆◇





「『流れ行く水―我が手に謁見し―敵を穿て』“流水弾アクアバレット”!」

 込める魔力量を、通常であれば10かそこらのところを100も込める。およそ10倍だ。
 大量の水が、弾となって放水される。

 すると、『流水弾アクアバレット』と炎の分体は衝突し、一面を埋め尽くすほどの水蒸気を発生させた。

 だが、その分グレドーナの分体にも効果は覿面で、目に見えて損傷が激しい。
 オレは追い打ちをかけるように、もう何回か『水流弾アクアバレット』を放った。

 これで炎の分体は排除する事に成功した。だが、水蒸気を大量に発生させた事が拙かった。

 不自然に水蒸気のない場所を察知され、グレドーナがオレの場所を悟った。

「グラァアアアアア!」

 こちらへ向けて駆け出す。
 その速度は、やはり分体の比ではない。

 オレも対抗して、黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメを構えた。
 グレドーナは、その四本の豪腕を振り下ろした。

「グラァアア!」
「《四牙動撃》!」

【斧槍アーツ《四牙動撃》Ⅰを獲得】

 オレは新たな斧槍アーツ《四牙動撃》を放った。
 四つの牙の幻影が、斧槍に纏い豪腕を弾き返す。

 そのままグレドーナと、黒炎雷斧槍ブラックサンダレーメで豪腕と対抗する。

 しかし、徐々に劣勢へと変わっていく。

 やはり、このままでは負けてしまうだろう。
 何とか勝つには、あの手・・・を使うしかないだろう。

 オレは、一度グレドーナの腕を大きく跳ね上げると、バックステップで距離を取った。

「『大いなる大地―壁となりて全を守らん』“土壁アースウォール”!」

 そしてそのまま、自分の周囲に『土壁アースウォール』を張る。直ぐさまはゴリゴリと削られていくが、時間が少しあればいい。

 オレは、ステータス画面を開いた。




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