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一章 始まりの街
28 ボス戦開始:Ⅳ
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ステータスを開くと、グレドーナに有効と思われるスキルを見繕った。
その中でも、特に有効なモノ。
『水魔法』のスキルレベルを、『スキルコレクター』によって強制的に上げる。一つ上げるのではなく、最大までだ。
考えている暇はない。もうすぐそこまでグレドーナは迫って来ている。
オレは、『水魔法』のスキルレベルを最大まで上げた。
【『水魔法』Ⅲ→ⅩUP!】
【特定スキルが一定レベルまで達したことを確認】
【『氷結魔法』Ⅰを獲得】
【条件のクリアを確認】
【職業[氷結魔法師]Ⅰを獲得】
――ビキリッ!
「ぐあぁ!」
今までとは明らかに違う、何かが剥がれ落ちた音。体には、身の毛もよだつほどの不快感が走り、死を思わせるほどの激痛が襲う。
思わず悲鳴を上げたが、それでも止まない不快な感覚に吐きそうになる。だが、そんな事は言っていられない。
グレドーナという脅威が、すぐそこに居るのだ。
『精神苦痛耐性』がこの不快感に機能していない事は謎だが、無理矢理意識をグレドーナへと切り替える。
先程、偶然ながら獲得できた『水魔法』の上位互換であろう『氷結魔法』。それをアーツと同じ要領で新たな魔法を発現させる。
「『凍てつき―全ては永久凍土の元へ―万物を氷へと閉ざせ』“絶対凍土”」
【スペル『絶対凍土』Ⅰを獲得】
その瞬間、部屋の全てが凍りついた。
外からの音が聞こえなくなったのを不審に思い、凍った『土壁』を蹴り破ると、驚くべき光景が広がっていた。
床も壁も、炎さえも、全てが氷に閉ざされている。
先程まで、オレを攻撃していたグレドーナさえ氷の中に居た。
「これは……チートか?」
吐き出す息すら白くなったこの世界で、オレは一人呟いた。
魔法が強い事は百も承知だったが、まさかスキルのレベルが一定に達することでより強力なスキルを得る――進化とでも呼ぼうか。
『水魔法』が進化した事により、『氷結魔法』を獲得した。その威力は凄まじいの一言に限る。
それ故か、MP消費も凄まじい。ほぼ残り残量全てが消え去っていた。
回復するには暫く時間がかかるだろう。
それにしても、今の状況、何かが引っかかる。重大な事を見過ごしているような。
改めてこの部屋を見渡した。
一面凍り付いた白銀の世界、炎すらも凍り付き部屋は全てが氷によって閉ざされている。
そして、グレドーナさえも。
迷宮へと光の粒子となり、未だ吸収されてはいなかった。
「まだ、試練は終わっていない?」
――ビキッ!バキッ!
それに答えるかに、氷の割れる音がこの部屋に響いた。
グレドーナが、割った氷の中から姿を現す。
「グゥルウゥゥ……」
どうやらグレドーナも、ダメージが入っていない訳ではなさそうだ。『超回復』ですら回復しきれない量のダメージを食らい、疲弊仕切っている。
とはいえ、満身創痍なのはこちらも同じだ。徐々に回復していっているとはいえ、腕の火傷は生々しく残っている。
魔力も尽きかけ、『魔纏法』を掛けるのがやっとだろう。
『神隠しの面』の効果である絶対遮断も、今は発動していない。発動前に視認されてしまえば、これほどの強敵、地面に映る違和感で何となく読み取られてしまうだろう。
『跳躍』により、場所を悟らせなければチャンスはあるが、同じ手が二度も通じるかどうか……。
どちらも長い戦いは続行不可能だ。故に、短期決戦が望まれる。
「さあ、グレドーナ。ラストステージと行こうじゃないか」
オレの呟きに、グレドーナは何も応えなかった。
グレドーナの瞳に、赤い光が宿る。
◇◆◇◆◇
「はッ!せいッ!」
鋭い掛け声と共に、黒炎雷斧槍で重い一撃を繰り出す。それに負けじとグレドーナも、その豪腕を振るった。
両者とも、力は互角に見える。
――だが、実際は違った。
先程までの疲労により、グレドーナは見た目以上の手傷を負っている。現状寒さに耐えていられるのは、『炎奏』による効果のお陰だ。
炎の温かさを自身に纏わせ、暖を取っている。
しかし、『炎奏』にも微小ながらMPは消費されている。このままではジリ貧であちらの負けだ。
このままで終わらせるのは、些か惜しい。
オレの流儀――絶対的に揺るがない勝利とは少し異なるが、それも構わないだろう。
ここまでの戦いをしてくれたグレドーナに、魔力不足による敗北など、少々納得の行かない終わり方だ。
ならば、今オレが放つ事ができる最大の技で、終わらせるべきだろう。
傲慢だと思ってくれて構わない。これはただのエゴに過ぎないのだから。
グレドーナの腕を弾き、大きく距離を取る。『集中』も使い、集中の奥底へと潜っていった。
グレドーナがこちらへ突っ込んでくるが、それに黒炎雷斧槍を投擲することで応える。
グレドーナは、堪らずたたらを踏んだ。
オレはその隙に、グレドーナの頭上へ向け『跳躍』する。
その際に、初期装備である鉄の片手剣を取り出した。
オレの存在に気付いたグレドーナは、その爪と拳で迎撃しようとする。
だがオレはそこに、『威圧』を最大限で叩き付けた。
流石スキルレベルが最大の『威圧』、グレドーナも一瞬動きを止めるしか無かった。
オレはそのがら空きになった首に、アーツを発動させる。
「《無我ノ極地》」
このアーツは、全てのモノを両断する力を持つ。しかし、それは集中力に比例するため、並大抵の精神では木を切ることすら難しい。
だが、レベルマックスの『集中』を持つオレには好都合だった。
「グ、グラアァァァ……」
断末魔を上げ、滑り落ちて行くグレドーナの首。身体も、崩れ落ちた。
傷口から血が吹き出し、オレへと降り注ぐ。
鉄の片手剣は、グレドーナへ《無我ノ極地》を使用したにより、耐えられなくなって自壊した。ボロボロと崩れて行く。
暫くの間、オレも放心状態となっていたが、グレドーナとの戦闘で溜まった疲労により、地面へと倒れた。
視界が暗転し、意識が消え失せる。
【解析完了】
【『狂戦化』Ⅹを獲得】
【ユニークスキル『炎奏』を獲得】
【ユニークスキル『超回復』を獲得】
【レベル25→32UP!】
【レベル30到達報酬獲得】
【『斧槍術』Ⅳ→ⅤUP!】
【条件のクリアを確認】
【職業[斧槍士]Ⅰを獲得】
【『寒冷耐性』Ⅰを獲得】
【灼熱四腕熊の討伐を確認】
【試練がクリアされました】
【報酬:宝箱(最上級)が与えられます】
【報酬:望む情報が開示されます】
その中でも、特に有効なモノ。
『水魔法』のスキルレベルを、『スキルコレクター』によって強制的に上げる。一つ上げるのではなく、最大までだ。
考えている暇はない。もうすぐそこまでグレドーナは迫って来ている。
オレは、『水魔法』のスキルレベルを最大まで上げた。
【『水魔法』Ⅲ→ⅩUP!】
【特定スキルが一定レベルまで達したことを確認】
【『氷結魔法』Ⅰを獲得】
【条件のクリアを確認】
【職業[氷結魔法師]Ⅰを獲得】
――ビキリッ!
「ぐあぁ!」
今までとは明らかに違う、何かが剥がれ落ちた音。体には、身の毛もよだつほどの不快感が走り、死を思わせるほどの激痛が襲う。
思わず悲鳴を上げたが、それでも止まない不快な感覚に吐きそうになる。だが、そんな事は言っていられない。
グレドーナという脅威が、すぐそこに居るのだ。
『精神苦痛耐性』がこの不快感に機能していない事は謎だが、無理矢理意識をグレドーナへと切り替える。
先程、偶然ながら獲得できた『水魔法』の上位互換であろう『氷結魔法』。それをアーツと同じ要領で新たな魔法を発現させる。
「『凍てつき―全ては永久凍土の元へ―万物を氷へと閉ざせ』“絶対凍土”」
【スペル『絶対凍土』Ⅰを獲得】
その瞬間、部屋の全てが凍りついた。
外からの音が聞こえなくなったのを不審に思い、凍った『土壁』を蹴り破ると、驚くべき光景が広がっていた。
床も壁も、炎さえも、全てが氷に閉ざされている。
先程まで、オレを攻撃していたグレドーナさえ氷の中に居た。
「これは……チートか?」
吐き出す息すら白くなったこの世界で、オレは一人呟いた。
魔法が強い事は百も承知だったが、まさかスキルのレベルが一定に達することでより強力なスキルを得る――進化とでも呼ぼうか。
『水魔法』が進化した事により、『氷結魔法』を獲得した。その威力は凄まじいの一言に限る。
それ故か、MP消費も凄まじい。ほぼ残り残量全てが消え去っていた。
回復するには暫く時間がかかるだろう。
それにしても、今の状況、何かが引っかかる。重大な事を見過ごしているような。
改めてこの部屋を見渡した。
一面凍り付いた白銀の世界、炎すらも凍り付き部屋は全てが氷によって閉ざされている。
そして、グレドーナさえも。
迷宮へと光の粒子となり、未だ吸収されてはいなかった。
「まだ、試練は終わっていない?」
――ビキッ!バキッ!
それに答えるかに、氷の割れる音がこの部屋に響いた。
グレドーナが、割った氷の中から姿を現す。
「グゥルウゥゥ……」
どうやらグレドーナも、ダメージが入っていない訳ではなさそうだ。『超回復』ですら回復しきれない量のダメージを食らい、疲弊仕切っている。
とはいえ、満身創痍なのはこちらも同じだ。徐々に回復していっているとはいえ、腕の火傷は生々しく残っている。
魔力も尽きかけ、『魔纏法』を掛けるのがやっとだろう。
『神隠しの面』の効果である絶対遮断も、今は発動していない。発動前に視認されてしまえば、これほどの強敵、地面に映る違和感で何となく読み取られてしまうだろう。
『跳躍』により、場所を悟らせなければチャンスはあるが、同じ手が二度も通じるかどうか……。
どちらも長い戦いは続行不可能だ。故に、短期決戦が望まれる。
「さあ、グレドーナ。ラストステージと行こうじゃないか」
オレの呟きに、グレドーナは何も応えなかった。
グレドーナの瞳に、赤い光が宿る。
◇◆◇◆◇
「はッ!せいッ!」
鋭い掛け声と共に、黒炎雷斧槍で重い一撃を繰り出す。それに負けじとグレドーナも、その豪腕を振るった。
両者とも、力は互角に見える。
――だが、実際は違った。
先程までの疲労により、グレドーナは見た目以上の手傷を負っている。現状寒さに耐えていられるのは、『炎奏』による効果のお陰だ。
炎の温かさを自身に纏わせ、暖を取っている。
しかし、『炎奏』にも微小ながらMPは消費されている。このままではジリ貧であちらの負けだ。
このままで終わらせるのは、些か惜しい。
オレの流儀――絶対的に揺るがない勝利とは少し異なるが、それも構わないだろう。
ここまでの戦いをしてくれたグレドーナに、魔力不足による敗北など、少々納得の行かない終わり方だ。
ならば、今オレが放つ事ができる最大の技で、終わらせるべきだろう。
傲慢だと思ってくれて構わない。これはただのエゴに過ぎないのだから。
グレドーナの腕を弾き、大きく距離を取る。『集中』も使い、集中の奥底へと潜っていった。
グレドーナがこちらへ突っ込んでくるが、それに黒炎雷斧槍を投擲することで応える。
グレドーナは、堪らずたたらを踏んだ。
オレはその隙に、グレドーナの頭上へ向け『跳躍』する。
その際に、初期装備である鉄の片手剣を取り出した。
オレの存在に気付いたグレドーナは、その爪と拳で迎撃しようとする。
だがオレはそこに、『威圧』を最大限で叩き付けた。
流石スキルレベルが最大の『威圧』、グレドーナも一瞬動きを止めるしか無かった。
オレはそのがら空きになった首に、アーツを発動させる。
「《無我ノ極地》」
このアーツは、全てのモノを両断する力を持つ。しかし、それは集中力に比例するため、並大抵の精神では木を切ることすら難しい。
だが、レベルマックスの『集中』を持つオレには好都合だった。
「グ、グラアァァァ……」
断末魔を上げ、滑り落ちて行くグレドーナの首。身体も、崩れ落ちた。
傷口から血が吹き出し、オレへと降り注ぐ。
鉄の片手剣は、グレドーナへ《無我ノ極地》を使用したにより、耐えられなくなって自壊した。ボロボロと崩れて行く。
暫くの間、オレも放心状態となっていたが、グレドーナとの戦闘で溜まった疲労により、地面へと倒れた。
視界が暗転し、意識が消え失せる。
【解析完了】
【『狂戦化』Ⅹを獲得】
【ユニークスキル『炎奏』を獲得】
【ユニークスキル『超回復』を獲得】
【レベル25→32UP!】
【レベル30到達報酬獲得】
【『斧槍術』Ⅳ→ⅤUP!】
【条件のクリアを確認】
【職業[斧槍士]Ⅰを獲得】
【『寒冷耐性』Ⅰを獲得】
【灼熱四腕熊の討伐を確認】
【試練がクリアされました】
【報酬:宝箱(最上級)が与えられます】
【報酬:望む情報が開示されます】
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