76 / 181
幼少期
カルタで参加者の情報を覚えよう
しおりを挟む
アルベルトに弟妹の存在は尊く、上にも下にも置かぬ蝶よ花よと扱えと洗の……懇々と諭したら自分より弱い者を守らねばという心理が芽生えたのか一皮剥けたと思うくらいには成長した。
外交用のアルベルトと素のアルベルトの使い分けは、まだまだ甘い部分もあるが大分マシになった。
父からアルベルトを連れて帰還しろと命令が下ったので、可愛い天使たちと泣く泣くお別れして王都へ戻ったよ!
視察から戻ったアルベルトの変貌っぷりに、王城で働く者達には物凄く感謝された。
何ということでしょう。
俺様傲慢我儘王子が、優しい爽やか王子に劇的に変貌しました。
これからは、王城で働く者達はアルベルトのモラハラもパワハラもカスハラも怯えることなく過ごせることでしょう。
そんなことをしようものなら、精霊による細やかで地味な嫌がらせ『霊障』が多発する。
アルベルトに貸していた客間では、日々精霊による心霊現象もどきが行われていたので、少しばかり霊感がある風を装って怖がらせる下準備をしたからこそ出来る必殺技だ。
連日、悪乗りした精霊たちの猛攻でベッドに巨大な世界地図を描いていたのは、アルベルトにとって黒歴史の一ページに深く刻まれただろう。
恥ずかしい写真は、しっかりと盗撮させて貰った。
強請るネタが、一つ増えたぜ。
そして、新たな魔法の言葉も手に入れた。
『殿下の曽祖父様が、草葉の陰でお怒りで御座いますわ』と言えば、顔を青ざめてブルブル震えるから面白い。
アルベルトの曽祖父は死んでいるが、草葉の陰で怒っているとすればファーセリアの怒りを買ったイグナーツだろう。
大抵の心霊現象は、アルベルトが何かやらかした時に起こる。
その場に居合わせても見えている私からすれば、微笑ましい悪戯ねとしか思わないので、時々アルベルトから「これは、ダメなやつか?」と聞いてくるのが何とも笑えた。
王城に戻ったアルベルトは、随分と丸くなり常識も段々と身についた。
何より、異母兄弟の弟には私の蔵書である絵本を読んであげるという兄らしいことをしているようだ。
これには、王妃も大層驚き一体何をしたのかと手紙が来たくらいだ。
父に出していた定期報告書を清書し直して、王妃に提出するとユスティーツィアが大きくなったら教育を任せると返信が返ってきたときは後悔したが、何はともあれアルベルト改造計画は一旦幕を閉じた。
さて、本題のパーティーについてだ。
アルベルトの側近を選ぶパーティーではあるが、正確には高位貴族達の次期当主の下見である。
役職は世襲制ではないため、いくら我が子を自分のポストに就かせたいと思っても実力が伴わなければ出来ない。
各機関のトップの人事は、王と王妃が相談して決める。
万が一決められなかった場合は、第三者の議会の意見を聞き判断する。
その体制が良かったのかどうかは分からないが、イグナーツのみに人事権があったら国は衰退し最悪滅んでいただろう。
そんな事をつらつら考えながら、招待客の名簿を捲りながら眺める。
婚活相談所を開設したことで、写真の存在が広く認知されるようになった。
最近では、見合い用の写真も撮っている。
アルベルト主催のパーティー参加者は、事前に顔を覚えて貰おうと出欠席の返事と共に写真を同梱してくれるのは有難い。
アルベルトに招待客の顔と名前と簡単なプロフィールを覚えて貰う必要がある。
「あの人に、これだけの人数の顔と名前を覚えることが出来るかしら?」
紙の束を見つめながら私は大きな溜息を吐いた。
アルベルト主催のパーティーまで残り半月。
勉強は、一旦お休みして出席者の顔と名前を簡単なプロフィールをカルタ形式で覚えさせている。
出席者を五十人まで絞り、特徴的な似顔絵を描かせたトランプサイズの板を並べてメイドに読み札を読ませる。
人数が少ないとつまらないので、アルベルト付き護衛やメイドは強制参加である。
「アイディル領の高級アップルマンゴーを食べ過ぎて、激太りしたフィリップ・アイディル子爵は読書がお好き」
床に無作為に置かれたカルタを見ながら、『ア』を探す。
「はい!」
メイドとアルベルトが、カルタにタッチした。
「どっちが先でしたか?」
「メイドです」
悔しがるアルベルトとはしゃぐメイド。
こんな光景は、少し前なら見れなかった光景だ。
「殿下、惜しかったですね」
「後少し早ければ取れたのに! 次だ、次」
「読む内容と絵を覚えてしまえば早く取れますから頑張って下さい」
そう発破をかけて、カルタに集中する。
読み手を順番で交代したりして順位を競った結果、最下位はアルベルトが収まった。
「……後、一枚で最下位にはならかなったのに」
「最下位争いなんてしないで下さいませ。優勝者は金一封をお渡しする約束でしたね。どうぞ、お受け取りになって」
大銀貨一枚をメイドに渡すと、パァーっと顔を明るくして大喜びしている。
「殿下、これで三連続最下位です。罰ゲームのお時間ですわ」
「わ、分かってる。次こそ負けない」
「心意気だけは買いますわ。護衛の方、お付き合いありがとう御座います。ここからは、ドアの向こうで護衛を引き続きお願いしますわ」
「ハッ! 畏まりました」
護衛を部屋から追い出し、メイド達と私・アルベルトだけの状態になり、私は持参したトランクを開けた。
「殿下、これに着替えて下さいまし。王都に戻ってきてから、わたくしがデザインして作らせた物ですわ」
薄いピンクのフレアドレスを取り出して見せると、アルベルトはドレスの刺繍に目を止めた。
「この刺繍をした者は、只者ではないな。しかし、見たことのない花だ。これは、何の花だ?」
「ハナズオウという花ですわ。小さくて愛らしい花でしょう」
配置を考えるのに苦労した。
「薄い布が何層も重なっていると、これはこれで今までにないドレスだな」
「そうなんです! 殿下、良いところに気付きました。今までのドレスはコルセットで体のラインを補正しなければなりません。窮屈ですし、動きにくいのです。しかし、こちらは身体をより立体的に美しく見せるために仕立てましたの。コルセットが無くても体型がカバー出来る仕様になってますわ。さあ、着替えて下さいませ」
メイドにドレスを渡すと、アルベルトと共に衝立の後ろに隠れてゴソゴソと着替え始める。
めっきり女装に抵抗が無くなったのには、いささか道を踏み外す切っ掛けを作ったかもしれないと少しだけ罪悪感を覚えるが、商品化して金になるかどうか見極めるにはアルベルトは丁度良い広告塔だ。
使わずしてどうする。
暫くして、ドレスに着替えたアルベルトに新作のペタンコパンプスを渡し履き替えて貰う。
「やはり、その髪色に映えますね。殿下用にウィッグも作ってみましたの。少し失礼」
カポッとカツラを被せ櫛で梳かし馴染ませる。
ドレスと同じハナズオウが付いたカチューシャをカツラと地毛の間を隠す量に被せて、少し髪を弄ればロングヘアの美少女が爆誕した。
「凄くお似合いですね!」
メイドがキャッキャしているのを聞いて、アルベルトもまんざらではない様子。
「こちらの装飾も着けて見て下さい」
アングロサクソン領で採れた宝石のクズ石を集めてカットし、惜しげもなく使ったアクセサリーを着けて貰う。
マットなピンクの口紅を塗ると、惚れ惚れするほど美しい男の娘に変身した。
チェキもどきで写真を撮る。
ポーズにも指示を出してひたすら撮った。
罰ゲームなので、アルベルトへの被写体料は発生しない。
今シーズンの衣装を撮らせて貰い私は大満足だ。
アルベルトが、撮り終える頃にはゲッソリとしていたが気にしない。
「殿下、明日も頑張りましょうね」
「……明日は負けない」
私の応援も皮肉に聞こえたのか、絶対に負けたくないと一人で闘志を燃やしている。
私は、撮影も済んだことだし高揚しながら家に戻り、アルベルトの写真をお抱えの絵師たちに渡して描かせた。
掛かれた絵は、次回の流行ドレスのカタログに掲載し定期購読している富豪や貴族から注文が殺到して私はウハウハしていた。
外交用のアルベルトと素のアルベルトの使い分けは、まだまだ甘い部分もあるが大分マシになった。
父からアルベルトを連れて帰還しろと命令が下ったので、可愛い天使たちと泣く泣くお別れして王都へ戻ったよ!
視察から戻ったアルベルトの変貌っぷりに、王城で働く者達には物凄く感謝された。
何ということでしょう。
俺様傲慢我儘王子が、優しい爽やか王子に劇的に変貌しました。
これからは、王城で働く者達はアルベルトのモラハラもパワハラもカスハラも怯えることなく過ごせることでしょう。
そんなことをしようものなら、精霊による細やかで地味な嫌がらせ『霊障』が多発する。
アルベルトに貸していた客間では、日々精霊による心霊現象もどきが行われていたので、少しばかり霊感がある風を装って怖がらせる下準備をしたからこそ出来る必殺技だ。
連日、悪乗りした精霊たちの猛攻でベッドに巨大な世界地図を描いていたのは、アルベルトにとって黒歴史の一ページに深く刻まれただろう。
恥ずかしい写真は、しっかりと盗撮させて貰った。
強請るネタが、一つ増えたぜ。
そして、新たな魔法の言葉も手に入れた。
『殿下の曽祖父様が、草葉の陰でお怒りで御座いますわ』と言えば、顔を青ざめてブルブル震えるから面白い。
アルベルトの曽祖父は死んでいるが、草葉の陰で怒っているとすればファーセリアの怒りを買ったイグナーツだろう。
大抵の心霊現象は、アルベルトが何かやらかした時に起こる。
その場に居合わせても見えている私からすれば、微笑ましい悪戯ねとしか思わないので、時々アルベルトから「これは、ダメなやつか?」と聞いてくるのが何とも笑えた。
王城に戻ったアルベルトは、随分と丸くなり常識も段々と身についた。
何より、異母兄弟の弟には私の蔵書である絵本を読んであげるという兄らしいことをしているようだ。
これには、王妃も大層驚き一体何をしたのかと手紙が来たくらいだ。
父に出していた定期報告書を清書し直して、王妃に提出するとユスティーツィアが大きくなったら教育を任せると返信が返ってきたときは後悔したが、何はともあれアルベルト改造計画は一旦幕を閉じた。
さて、本題のパーティーについてだ。
アルベルトの側近を選ぶパーティーではあるが、正確には高位貴族達の次期当主の下見である。
役職は世襲制ではないため、いくら我が子を自分のポストに就かせたいと思っても実力が伴わなければ出来ない。
各機関のトップの人事は、王と王妃が相談して決める。
万が一決められなかった場合は、第三者の議会の意見を聞き判断する。
その体制が良かったのかどうかは分からないが、イグナーツのみに人事権があったら国は衰退し最悪滅んでいただろう。
そんな事をつらつら考えながら、招待客の名簿を捲りながら眺める。
婚活相談所を開設したことで、写真の存在が広く認知されるようになった。
最近では、見合い用の写真も撮っている。
アルベルト主催のパーティー参加者は、事前に顔を覚えて貰おうと出欠席の返事と共に写真を同梱してくれるのは有難い。
アルベルトに招待客の顔と名前と簡単なプロフィールを覚えて貰う必要がある。
「あの人に、これだけの人数の顔と名前を覚えることが出来るかしら?」
紙の束を見つめながら私は大きな溜息を吐いた。
アルベルト主催のパーティーまで残り半月。
勉強は、一旦お休みして出席者の顔と名前を簡単なプロフィールをカルタ形式で覚えさせている。
出席者を五十人まで絞り、特徴的な似顔絵を描かせたトランプサイズの板を並べてメイドに読み札を読ませる。
人数が少ないとつまらないので、アルベルト付き護衛やメイドは強制参加である。
「アイディル領の高級アップルマンゴーを食べ過ぎて、激太りしたフィリップ・アイディル子爵は読書がお好き」
床に無作為に置かれたカルタを見ながら、『ア』を探す。
「はい!」
メイドとアルベルトが、カルタにタッチした。
「どっちが先でしたか?」
「メイドです」
悔しがるアルベルトとはしゃぐメイド。
こんな光景は、少し前なら見れなかった光景だ。
「殿下、惜しかったですね」
「後少し早ければ取れたのに! 次だ、次」
「読む内容と絵を覚えてしまえば早く取れますから頑張って下さい」
そう発破をかけて、カルタに集中する。
読み手を順番で交代したりして順位を競った結果、最下位はアルベルトが収まった。
「……後、一枚で最下位にはならかなったのに」
「最下位争いなんてしないで下さいませ。優勝者は金一封をお渡しする約束でしたね。どうぞ、お受け取りになって」
大銀貨一枚をメイドに渡すと、パァーっと顔を明るくして大喜びしている。
「殿下、これで三連続最下位です。罰ゲームのお時間ですわ」
「わ、分かってる。次こそ負けない」
「心意気だけは買いますわ。護衛の方、お付き合いありがとう御座います。ここからは、ドアの向こうで護衛を引き続きお願いしますわ」
「ハッ! 畏まりました」
護衛を部屋から追い出し、メイド達と私・アルベルトだけの状態になり、私は持参したトランクを開けた。
「殿下、これに着替えて下さいまし。王都に戻ってきてから、わたくしがデザインして作らせた物ですわ」
薄いピンクのフレアドレスを取り出して見せると、アルベルトはドレスの刺繍に目を止めた。
「この刺繍をした者は、只者ではないな。しかし、見たことのない花だ。これは、何の花だ?」
「ハナズオウという花ですわ。小さくて愛らしい花でしょう」
配置を考えるのに苦労した。
「薄い布が何層も重なっていると、これはこれで今までにないドレスだな」
「そうなんです! 殿下、良いところに気付きました。今までのドレスはコルセットで体のラインを補正しなければなりません。窮屈ですし、動きにくいのです。しかし、こちらは身体をより立体的に美しく見せるために仕立てましたの。コルセットが無くても体型がカバー出来る仕様になってますわ。さあ、着替えて下さいませ」
メイドにドレスを渡すと、アルベルトと共に衝立の後ろに隠れてゴソゴソと着替え始める。
めっきり女装に抵抗が無くなったのには、いささか道を踏み外す切っ掛けを作ったかもしれないと少しだけ罪悪感を覚えるが、商品化して金になるかどうか見極めるにはアルベルトは丁度良い広告塔だ。
使わずしてどうする。
暫くして、ドレスに着替えたアルベルトに新作のペタンコパンプスを渡し履き替えて貰う。
「やはり、その髪色に映えますね。殿下用にウィッグも作ってみましたの。少し失礼」
カポッとカツラを被せ櫛で梳かし馴染ませる。
ドレスと同じハナズオウが付いたカチューシャをカツラと地毛の間を隠す量に被せて、少し髪を弄ればロングヘアの美少女が爆誕した。
「凄くお似合いですね!」
メイドがキャッキャしているのを聞いて、アルベルトもまんざらではない様子。
「こちらの装飾も着けて見て下さい」
アングロサクソン領で採れた宝石のクズ石を集めてカットし、惜しげもなく使ったアクセサリーを着けて貰う。
マットなピンクの口紅を塗ると、惚れ惚れするほど美しい男の娘に変身した。
チェキもどきで写真を撮る。
ポーズにも指示を出してひたすら撮った。
罰ゲームなので、アルベルトへの被写体料は発生しない。
今シーズンの衣装を撮らせて貰い私は大満足だ。
アルベルトが、撮り終える頃にはゲッソリとしていたが気にしない。
「殿下、明日も頑張りましょうね」
「……明日は負けない」
私の応援も皮肉に聞こえたのか、絶対に負けたくないと一人で闘志を燃やしている。
私は、撮影も済んだことだし高揚しながら家に戻り、アルベルトの写真をお抱えの絵師たちに渡して描かせた。
掛かれた絵は、次回の流行ドレスのカタログに掲載し定期購読している富豪や貴族から注文が殺到して私はウハウハしていた。
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】16わたしも愛人を作ります。
華蓮
恋愛
公爵令嬢のマリカは、皇太子であるアイランに冷たくされていた。側妃を持ち、子供も側妃と持つと、、
惨めで生きているのが疲れたマリカ。
第二王子のカイランがお見舞いに来てくれた、、、、
【完結】結婚して12年一度も会った事ありませんけど? それでも旦那様は全てが欲しいそうです
との
恋愛
結婚して12年目のシエナは白い結婚継続中。
白い結婚を理由に離婚したら、全てを失うシエナは漸く離婚に向けて動けるチャンスを見つけ・・
沈黙を続けていたルカが、
「新しく商会を作って、その先は?」
ーーーーーー
題名 少し改変しました
【完結】お飾りではなかった王妃の実力
鏑木 うりこ
恋愛
王妃アイリーンは国王エルファードに離婚を告げられる。
「お前のような醜い女はいらん!今すぐに出て行け!」
しかしアイリーンは追い出していい人物ではなかった。アイリーンが去った国と迎え入れた国の明暗。
完結致しました(2022/06/28完結表記)
GWだから見切り発車した作品ですが、完結まで辿り着きました。
★お礼★
たくさんのご感想、お気に入り登録、しおり等ありがとうございます!
中々、感想にお返事を書くことが出来なくてとても心苦しく思っています(;´Д`)全部読ませていただいており、とても嬉しいです!!内容に反映したりしなかったりあると思います。ありがとうございます~!
断罪前に“悪役"令嬢は、姿を消した。
パリパリかぷちーの
恋愛
高貴な公爵令嬢ティアラ。
将来の王妃候補とされてきたが、ある日、学園で「悪役令嬢」と呼ばれるようになり、理不尽な噂に追いつめられる。
平民出身のヒロインに嫉妬して、陥れようとしている。
根も葉もない悪評が広まる中、ティアラは学園から姿を消してしまう。
その突然の失踪に、大騒ぎ。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる