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エルブンガルド魔法学園 中等部
アルベルト攻略開始2
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先日のお礼がしたいと申し出たら、ヘリオト商会の高級化粧品セットを要求された。
お金持ちとは言い難い男爵令嬢に、化粧品を要求するってバカなの?
お礼をすると自分から言ってしまった手前、要求を引っ込めることも出来ず、泣く泣く未使用の高級化粧品を上げた。
「これ、アングロサクソン領でしか売ってない限定品じゃないか? どうやって手に入れたんだ?」
化粧水のボトルを見て、キラキラと目を輝かせながら質問された。
俺様キャラは、どこへ行ったのよ!?
そう喉から出そうになったのをグッと堪えて、作り笑いを浮かべながら歴史を学ぶために色んな場所へ回った時に偶々購入したのだと答えた。
「ヘリオト商会の化粧品は、他の物よりも質が良いですよね。お値段は張りますけど」
「そうだな! 肌の手入れには欠かせない。俺も定期購入しているが、ヘリオト商会の商品は外れがないからな。最新の化粧品は、領内で先行販売されて王都では手に入らなくて何度悔し涙を飲んだことか。ありがとう。早速試してみるよ」
「喜んで頂けて光栄です」
笑みが引き攣るー!
何なのこの王子!?
女子の会話っぽいんだけど?
俺様王子じゃなかったの?
頭が混乱してきた。
お礼を渡しただけで終わったら、全然意味がない。
婚約者が居ない間に、関係を進展させないと。
「アル様は、美容にも気を使われていらっしゃるんですね。素敵♪」
「ああ、一応嗜みとしてはな。それより、アル様ってなんだ?」
「アルベルト様とお呼びするよりも、アル様の方が呼びやすいなって思って。私のことはコレットって呼んで下さい」
アルベルトの手を握りながら、ニッコリと笑みを浮かべる。
「殿下、家族や婚約者でもない女性が愛称で呼ぶのはおかしいですよ」
アルベルトの一歩後ろに控えていたガリオンが、異議を唱える。
折角押し切れると思ったのに、アルベルトが疑問を持っちゃったじゃない。
「そんなことないですよ? お友達なら愛称で呼び合うのは普通ですもの。私、編入したばかりでお友達も居なくて……。アル様、お友達になって貰えませんか? アル様となら、話が合うと思うです! ヘリオト商会の化粧品の話とか、普段どんな方法でその綺麗な肌を保っているのか是非聞きたいです」
アルベルトをヨイショしながら、駄目ですかと目を潤ませる。
「コレットの言う通り、友人間なら愛称を呼ぶのはよくあることだ。愛称で呼ぶことを許してやる」
「殿下!!」
ガリオンが声を荒げるが、
「五月蠅い。別に愛称の一つや二つ呼ばせたところで問題ないだろう。お前は、黙っていろ」
とアルベルトが一掃した。
こういうところは、俺様っぽいんだけどなぁ。
「そういう問題ではありません! もっとご自身の立場を考えて行動して下さい。リリアン様に要らぬ誤解を与えますよ」
リリアンの言葉に、アルベルトの顔が若干引き攣ったように見えたが、
「婚約者をほったらかして、どこかへ行った女など知らん。学友が女性と言うだけで騒ぎ立てるな」
とすぐさま言い返している。
ビリーの言った通り、婚約者との仲は良くないというのは事実のようだ。
これは、私にもチャンスがあるってことだよね!
「同じ学び場で勉強する仲間じゃないですか。ガリオン様も、コレットって呼んで下さい」
上目遣いに少し頬を赤らめ、無邪気に手を差し出す。
大抵この動作で男は一発で落ちるのだが、ガリオンは凄く冷めた目で私を見降ろしてくる。
恥ずかしいのかな?
アルベルトが居る手前、デレデレ出来ないもんね。
コレットは、アルベルトの手をむずんと掴んで強制的に握手をした。
普通の握手と違って指を絡める恋人繋ぎだ。
「これでガリオン様も私のお友達です♪ いけない! 次は、魔法学の授業だった!!」
パッと手を放して、口元に手を当ててドジっ子アピールをする。
「場所は、分かるのか?」
アルベルトに聞かれ、テレた顔で頬を掻くポーズを取る。
「えっと、分かりません。アル様、ご迷惑でなければ連れて行って貰えませんか?」
「良いぞ。友達だからな」
「わぁ! ありがとう御座いますぅ」
アルベルトの腕に絡みつき、身体を密着させて歩き出す。
アルベルトも満更ではないのか、振りほどこうともしない。
「コレット嬢、女性が妄りに身体をくっつけるものではありませんよ。殿下も、何サラッと受け入れているんですか。友人の度が超えてます」
ガリオンったら嫉妬しちゃったのかな?
大丈夫、アルベルトが居ないところでたっぷりサービスしちゃうから我慢だよ!
「ガリオン様、友達ならこれくらいのスキンシップは当たり前ですよ。ね、アル様!」
アルベルトに同意を求めると、
「そうだぞ。これくらいでギャーギャー騒がしいぞ。コレットを訓練場に送り届けるまで喋るな。主に似て鬱陶しい」
と心底嫌そうにガリオンを叱った。
顔はアルベルトが好みだけど、正確はガリオンの方が良い。
アルベルトを相手にしていると、女子のマウンティングを受けているみたいでストレスが溜まる。
アルベルトにエスコートされて訓練場へ遅れて入って来たコレットを見て、その日アルベルトとの熱愛の噂が校内を騒がせた。
お金持ちとは言い難い男爵令嬢に、化粧品を要求するってバカなの?
お礼をすると自分から言ってしまった手前、要求を引っ込めることも出来ず、泣く泣く未使用の高級化粧品を上げた。
「これ、アングロサクソン領でしか売ってない限定品じゃないか? どうやって手に入れたんだ?」
化粧水のボトルを見て、キラキラと目を輝かせながら質問された。
俺様キャラは、どこへ行ったのよ!?
そう喉から出そうになったのをグッと堪えて、作り笑いを浮かべながら歴史を学ぶために色んな場所へ回った時に偶々購入したのだと答えた。
「ヘリオト商会の化粧品は、他の物よりも質が良いですよね。お値段は張りますけど」
「そうだな! 肌の手入れには欠かせない。俺も定期購入しているが、ヘリオト商会の商品は外れがないからな。最新の化粧品は、領内で先行販売されて王都では手に入らなくて何度悔し涙を飲んだことか。ありがとう。早速試してみるよ」
「喜んで頂けて光栄です」
笑みが引き攣るー!
何なのこの王子!?
女子の会話っぽいんだけど?
俺様王子じゃなかったの?
頭が混乱してきた。
お礼を渡しただけで終わったら、全然意味がない。
婚約者が居ない間に、関係を進展させないと。
「アル様は、美容にも気を使われていらっしゃるんですね。素敵♪」
「ああ、一応嗜みとしてはな。それより、アル様ってなんだ?」
「アルベルト様とお呼びするよりも、アル様の方が呼びやすいなって思って。私のことはコレットって呼んで下さい」
アルベルトの手を握りながら、ニッコリと笑みを浮かべる。
「殿下、家族や婚約者でもない女性が愛称で呼ぶのはおかしいですよ」
アルベルトの一歩後ろに控えていたガリオンが、異議を唱える。
折角押し切れると思ったのに、アルベルトが疑問を持っちゃったじゃない。
「そんなことないですよ? お友達なら愛称で呼び合うのは普通ですもの。私、編入したばかりでお友達も居なくて……。アル様、お友達になって貰えませんか? アル様となら、話が合うと思うです! ヘリオト商会の化粧品の話とか、普段どんな方法でその綺麗な肌を保っているのか是非聞きたいです」
アルベルトをヨイショしながら、駄目ですかと目を潤ませる。
「コレットの言う通り、友人間なら愛称を呼ぶのはよくあることだ。愛称で呼ぶことを許してやる」
「殿下!!」
ガリオンが声を荒げるが、
「五月蠅い。別に愛称の一つや二つ呼ばせたところで問題ないだろう。お前は、黙っていろ」
とアルベルトが一掃した。
こういうところは、俺様っぽいんだけどなぁ。
「そういう問題ではありません! もっとご自身の立場を考えて行動して下さい。リリアン様に要らぬ誤解を与えますよ」
リリアンの言葉に、アルベルトの顔が若干引き攣ったように見えたが、
「婚約者をほったらかして、どこかへ行った女など知らん。学友が女性と言うだけで騒ぎ立てるな」
とすぐさま言い返している。
ビリーの言った通り、婚約者との仲は良くないというのは事実のようだ。
これは、私にもチャンスがあるってことだよね!
「同じ学び場で勉強する仲間じゃないですか。ガリオン様も、コレットって呼んで下さい」
上目遣いに少し頬を赤らめ、無邪気に手を差し出す。
大抵この動作で男は一発で落ちるのだが、ガリオンは凄く冷めた目で私を見降ろしてくる。
恥ずかしいのかな?
アルベルトが居る手前、デレデレ出来ないもんね。
コレットは、アルベルトの手をむずんと掴んで強制的に握手をした。
普通の握手と違って指を絡める恋人繋ぎだ。
「これでガリオン様も私のお友達です♪ いけない! 次は、魔法学の授業だった!!」
パッと手を放して、口元に手を当ててドジっ子アピールをする。
「場所は、分かるのか?」
アルベルトに聞かれ、テレた顔で頬を掻くポーズを取る。
「えっと、分かりません。アル様、ご迷惑でなければ連れて行って貰えませんか?」
「良いぞ。友達だからな」
「わぁ! ありがとう御座いますぅ」
アルベルトの腕に絡みつき、身体を密着させて歩き出す。
アルベルトも満更ではないのか、振りほどこうともしない。
「コレット嬢、女性が妄りに身体をくっつけるものではありませんよ。殿下も、何サラッと受け入れているんですか。友人の度が超えてます」
ガリオンったら嫉妬しちゃったのかな?
大丈夫、アルベルトが居ないところでたっぷりサービスしちゃうから我慢だよ!
「ガリオン様、友達ならこれくらいのスキンシップは当たり前ですよ。ね、アル様!」
アルベルトに同意を求めると、
「そうだぞ。これくらいでギャーギャー騒がしいぞ。コレットを訓練場に送り届けるまで喋るな。主に似て鬱陶しい」
と心底嫌そうにガリオンを叱った。
顔はアルベルトが好みだけど、正確はガリオンの方が良い。
アルベルトを相手にしていると、女子のマウンティングを受けているみたいでストレスが溜まる。
アルベルトにエスコートされて訓練場へ遅れて入って来たコレットを見て、その日アルベルトとの熱愛の噂が校内を騒がせた。
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