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オブシディアン領で労働中
不正を正す人員整理
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フリックにコレットの教育を任せたら、日に日にボロボロになっていく彼女を見かけた。
コレットを壊されては困るので、それとなく手を緩めてみては? と言ってみた。
「フリック、コレットが日を追うごとにボロ雑巾のようになっているようだけど大丈夫なの?」
「問題御座いません。調教のし甲斐があって、なかなか楽しませて頂いております」
調教しちゃっているのね。
任せた私も私だけど、フリックに調教されたら、あの子どうなるのかしら?
「……壊さない程度にしてね」
「その辺りは心得ております。お嬢様への敵愾心を消し去り、格の違いというものを見せつけて、心をスタズタにすり潰しプライドが粉々にへし折れたら声を掛けますので、優しく扱ってあげて下さいませ。上手く行けば、忠犬になるかもしれませんよ」
コレットの評価がフリックの中ではゴミ虫以下の扱いになっている。
しかも、さらっと私を飴に仕立て上げてくるし!
何かめっちゃ怖いんですけれど。
顔にも口にも出さないが、心の中で思わず大絶叫してしまった。
「一応、聞いておくわ。どれくらいで仕上がりそうなの?」
「彼女次第ですが、早くて半月くらいでしょうか」
フリック!! お前は、一体コレットに何をしているんだ!?
彼の口ぶりから肉体的にも、精神的にも死なせることはしないと思いたい。
思いたいが、行動が常軌を逸脱している気がする。
「お嬢様の前に立つ頃には、半人前の暗殺者くらいにはなっていると思いますよ。飼い犬に手を噛まれないように、ここぞという時は彼女を褒めて差し上げて下さいませ」
「……分かったわ」
コレットよ、すまん。
私の人選が、間違っていたようだ。
諜報員程度になれば良いなと思っていたが、フリックが最低でも半人前の暗殺者を目指しているとは思っていなかったのだ。
コレットの潜在能力を考えれば、暗殺者の適性もそれなりにある。
育てれば一流とまでは行かないかもしれないが、そこそこ使える人材に化ける可能性が出て来た。
「………もし、フリックの荒療治で暗殺者を開花させたら、何かご褒美を上げなくてはね」
私は、心の中でコレットの冥福を祈った。
コレットの教育を丸投げして、私はヒィヒィ言いながらお仕事をしています。
シルフに頼んだお使いは、翌日には返事が手元に戻ってきました。
パパン、仕事が早いですね。
不正を暴いたといっても、大々的に処分すると色々と面倒なことが起こるので、パパン達に相談しました。
『王都へ栄転という形で移動させても良いか?』って。
不正した相手を旧オブシディアン領から追い出したい。
私は、不正した奴らを人知れず消したい。
パパン達としては、不正した馬鹿を一網打尽にしたい。
ことが公になると、王家の信頼の失墜と貴族への不信感が募るだろう。
苦肉の策として対外的には『栄転』と称して王都へ行ってもらい、前もって渡した不正の証拠を元に尋問などをパパン監修のもと行って貰う。
その後は、適当な理由をつけて消えて貰う算段だ。
ある意味公然の見せしめにもなるので、馬鹿なことを考えようとした貴族に対し、牽制にもなるだろう。
私の思惑が上手く行けばの話だが、飛ばす人間が多すぎるのもあり補充が必要となってくる。
王都から引っ張るのもありだが、それでは王妃の手のひらの上で転がされている気になるので避けたい。
「不足している人員は、此処に住まう者達から補えれば一番良いのだけど……」
最低でも貴族でないと、政治に関わることが出来ない。
アングロサクソン家の寄子で固めるのも、国内の勢力バランスを考えると避けたい。
かと言って、旧オブシディアン家の寄子を使うのもリスクがある。
「一度、フェディーラに相談しよう。フリックに裏付けを取って貰ったうえで採用という手もありね」
念には念を入れておきたい。
私は、早速オブシディアン領の膿を出すべく人員整理の相談をフェディーラへ持ちかけた。
コレットを壊されては困るので、それとなく手を緩めてみては? と言ってみた。
「フリック、コレットが日を追うごとにボロ雑巾のようになっているようだけど大丈夫なの?」
「問題御座いません。調教のし甲斐があって、なかなか楽しませて頂いております」
調教しちゃっているのね。
任せた私も私だけど、フリックに調教されたら、あの子どうなるのかしら?
「……壊さない程度にしてね」
「その辺りは心得ております。お嬢様への敵愾心を消し去り、格の違いというものを見せつけて、心をスタズタにすり潰しプライドが粉々にへし折れたら声を掛けますので、優しく扱ってあげて下さいませ。上手く行けば、忠犬になるかもしれませんよ」
コレットの評価がフリックの中ではゴミ虫以下の扱いになっている。
しかも、さらっと私を飴に仕立て上げてくるし!
何かめっちゃ怖いんですけれど。
顔にも口にも出さないが、心の中で思わず大絶叫してしまった。
「一応、聞いておくわ。どれくらいで仕上がりそうなの?」
「彼女次第ですが、早くて半月くらいでしょうか」
フリック!! お前は、一体コレットに何をしているんだ!?
彼の口ぶりから肉体的にも、精神的にも死なせることはしないと思いたい。
思いたいが、行動が常軌を逸脱している気がする。
「お嬢様の前に立つ頃には、半人前の暗殺者くらいにはなっていると思いますよ。飼い犬に手を噛まれないように、ここぞという時は彼女を褒めて差し上げて下さいませ」
「……分かったわ」
コレットよ、すまん。
私の人選が、間違っていたようだ。
諜報員程度になれば良いなと思っていたが、フリックが最低でも半人前の暗殺者を目指しているとは思っていなかったのだ。
コレットの潜在能力を考えれば、暗殺者の適性もそれなりにある。
育てれば一流とまでは行かないかもしれないが、そこそこ使える人材に化ける可能性が出て来た。
「………もし、フリックの荒療治で暗殺者を開花させたら、何かご褒美を上げなくてはね」
私は、心の中でコレットの冥福を祈った。
コレットの教育を丸投げして、私はヒィヒィ言いながらお仕事をしています。
シルフに頼んだお使いは、翌日には返事が手元に戻ってきました。
パパン、仕事が早いですね。
不正を暴いたといっても、大々的に処分すると色々と面倒なことが起こるので、パパン達に相談しました。
『王都へ栄転という形で移動させても良いか?』って。
不正した相手を旧オブシディアン領から追い出したい。
私は、不正した奴らを人知れず消したい。
パパン達としては、不正した馬鹿を一網打尽にしたい。
ことが公になると、王家の信頼の失墜と貴族への不信感が募るだろう。
苦肉の策として対外的には『栄転』と称して王都へ行ってもらい、前もって渡した不正の証拠を元に尋問などをパパン監修のもと行って貰う。
その後は、適当な理由をつけて消えて貰う算段だ。
ある意味公然の見せしめにもなるので、馬鹿なことを考えようとした貴族に対し、牽制にもなるだろう。
私の思惑が上手く行けばの話だが、飛ばす人間が多すぎるのもあり補充が必要となってくる。
王都から引っ張るのもありだが、それでは王妃の手のひらの上で転がされている気になるので避けたい。
「不足している人員は、此処に住まう者達から補えれば一番良いのだけど……」
最低でも貴族でないと、政治に関わることが出来ない。
アングロサクソン家の寄子で固めるのも、国内の勢力バランスを考えると避けたい。
かと言って、旧オブシディアン家の寄子を使うのもリスクがある。
「一度、フェディーラに相談しよう。フリックに裏付けを取って貰ったうえで採用という手もありね」
念には念を入れておきたい。
私は、早速オブシディアン領の膿を出すべく人員整理の相談をフェディーラへ持ちかけた。
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