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オブシディアン領で労働中
リストラ大作戦4
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鍛錬場に着き、コレットをペイッと放り投げる。
「ギャンッ」
と無様に鳴き、地面に這いつくばっている。
フリックが見たら、叱咤しながら追撃していただろう。
私は、優しいのでそんな事はしない。
「いつまで地面に寝そべっているの? 早く立ちなさい」
「ふざけんじゃないわよ! あんたが、私を放り投げたんでしょうが!! まずは、謝りなさいよ」
キーッとヒステリーを起こすコレットに、私は両手で耳を塞ぐ。
うるさくて仕方がない。
「うるさい」
「ギャーッ!!」
イラッとしたのだろう。
ファーセリアが、無数の火の玉をコレットに投げつけている。
それを紙一重で避けている彼女も凄いが、私の実験体を勝手に使われては困る。
「ファーセリア、私の魔法の実験で使うんだから横槍は止めて頂戴」
「外なら燃やしても良いのだろう?」
私の言葉に、ファーセリアは不満たらたらの様子。
確かに条件付きで、コレットを燃やしても良いと言った。
燃やす頻度が高いのは、如何なものか。
私とて、良心はあるんですよ。
「確かに許可したわね。でも、少し機嫌を損ねただけで燃やされる方は堪ったものではないと思うのだけど。せめて、もう少し頻度を落としたら?」
「フリックとかいう男は、コレットをいつもボロ雑巾のようにしていたぞ。フリックが良くて、私がダメな理由はない」
「フリックは、教育係だから良いの。大怪我を負わせてもいないでしょう。これから私の鍛錬に付き合って貰うのよ。ファーセリアは、手を出さないで頂戴。参戦したいなら、手加減が出来るようになってからね」
そう締めくくり、これ以上コレットをファーセリアに燃やさせないように釘を刺した。
ファーセリアは、グヌヌヌッと悔しそうに歯軋りをしている。
暫くすれば落ち着くだろうと思い、思考をコレットに切り替える。
「フリックは不在ですが、わたくしが直々に鍛えて差し上げますわ。さあ、お立ちなさい」
「意味わかんない! 何が鍛えてあげるよ。単に魔法の的にしたいだけでしょう」
ギロッと私を睨みながら、顔を真っ赤にして怒鳴るコレットに、私はパチパチと賞賛を贈った。
「あら、状況が理解できるようになるなんて少しは進歩したじゃないの」
「何ですって!?」
「人の言葉が理解できないのかと常々思っていたから、話が通じていることに感動すら覚えたわ。でもね、主に対する言葉遣いはなってなくてよ。後で、フリックに再教育されるでしょうから頑張って直しましょうね」
ニッコリと笑みを浮かべて地獄への片道切符を切ってあげると、コレットの顔色が悪くなる。
コレットも、フリックが相手だと分が悪いと悟っているのだろう。
フリックは、高レベルの暗殺者だからなぁ。
どういう経緯でアングロサクソン家で家令をしていたのかは知らないが、味方なら心強い存在だ。
その彼が直々にコレットを見ると言っているので、多分性格などは矯正されると思いたい。
しかし、如何せん目の前の彼女を見ていると無理なのではと思ってしまう。
「無駄話に時間を費やしてしまいましたね。わたくしとの鍛練の場合のみ、反撃して下さって構いませんわ。では、やりましょうか」
私は、そう言うと同時に水玉でコレットの顔を覆った。
詠唱しようにも水玉が邪魔をしているので、喋るどころか息も出来ないだろう。
さて、彼女はどうやって反撃するのだろうか。
1分、2分と待ってみたものの反撃してくる気配がない。
3分ほど経過してから、バタッとその場に倒れてしまった。
慌てて水玉を解除すると、息をしていなかったので取り合えず殴ってみたら、息を吹き返した。
フーッ、この程度で気絶しないで欲しいわ。
「ゲホゲホッゴホゴホッ」
鼻水を垂らしながら飲み込んだ水を吐く姿は、とてもではないが男性に見せられない顔をしている。
「あの一撃で戦闘不能になるなんて弱すぎますわ。避けるか、飲むか、対処法はあったでしょうに」
そう呟くと、コレットはギッと私を睨んで言った。
「やりましょうかの言葉と同時に攻撃してきたじゃない! 避ける暇を与えなかったでしょうが!! それに、何? 飲むって馬鹿なの? そんな方法でアレをどうにか出来るとすれば、ただの変人よ!」
フンガーッと鼻息荒く文句を垂れ流すコレットに、後者の対処方法を会得しているのがアルベルトだという事は言わないでおこう。
彼は、精霊の悪戯を逆手に取って習得していた。
酸欠が先か、水を全部飲まれるのが先か、下らない争いをしていた。
もしかすると、彼女もアルベルト同様に同じ悪戯を仕掛けられる可能性は高い。
どう克服するかは、彼女次第だ。
「飲んでどうにかした人はいますよ。後者の方法がお気に召さないのであれば、何等かの対策を講じるしかありませんよ」
私は、そう言いながらコレットを目掛けて最近完成した水と雷の複合魔法を放った。
「アババババババ」
出力は低めにしていたが、良い塩梅に感電しており、鑑定眼鏡では『状態異常:麻痺』と出ている。
魔力抵抗がそれなりに高くても、威力を押さえた複合魔法の前では無意味だったようだ。
「たった一回の実験で成功したとは断言できないわね。光の精霊、コレットの状態異常を解除して頂けないかしら? これでは訓練にもならないわ」
私の懇願で、光の精霊は渋々といった感じでコレットの状態異常を解除してくれた。
状態異常から解放されたコレットが私に文句を言おうとしている隙に、また感電させるを繰り返す。
最後の方は、ぐったりとして無抵抗になったので少しばかりやり過ぎたかと反省したが、次の日には私を見るなり食って掛かってきたので心配して損したと思ったのだった。
「ギャンッ」
と無様に鳴き、地面に這いつくばっている。
フリックが見たら、叱咤しながら追撃していただろう。
私は、優しいのでそんな事はしない。
「いつまで地面に寝そべっているの? 早く立ちなさい」
「ふざけんじゃないわよ! あんたが、私を放り投げたんでしょうが!! まずは、謝りなさいよ」
キーッとヒステリーを起こすコレットに、私は両手で耳を塞ぐ。
うるさくて仕方がない。
「うるさい」
「ギャーッ!!」
イラッとしたのだろう。
ファーセリアが、無数の火の玉をコレットに投げつけている。
それを紙一重で避けている彼女も凄いが、私の実験体を勝手に使われては困る。
「ファーセリア、私の魔法の実験で使うんだから横槍は止めて頂戴」
「外なら燃やしても良いのだろう?」
私の言葉に、ファーセリアは不満たらたらの様子。
確かに条件付きで、コレットを燃やしても良いと言った。
燃やす頻度が高いのは、如何なものか。
私とて、良心はあるんですよ。
「確かに許可したわね。でも、少し機嫌を損ねただけで燃やされる方は堪ったものではないと思うのだけど。せめて、もう少し頻度を落としたら?」
「フリックとかいう男は、コレットをいつもボロ雑巾のようにしていたぞ。フリックが良くて、私がダメな理由はない」
「フリックは、教育係だから良いの。大怪我を負わせてもいないでしょう。これから私の鍛錬に付き合って貰うのよ。ファーセリアは、手を出さないで頂戴。参戦したいなら、手加減が出来るようになってからね」
そう締めくくり、これ以上コレットをファーセリアに燃やさせないように釘を刺した。
ファーセリアは、グヌヌヌッと悔しそうに歯軋りをしている。
暫くすれば落ち着くだろうと思い、思考をコレットに切り替える。
「フリックは不在ですが、わたくしが直々に鍛えて差し上げますわ。さあ、お立ちなさい」
「意味わかんない! 何が鍛えてあげるよ。単に魔法の的にしたいだけでしょう」
ギロッと私を睨みながら、顔を真っ赤にして怒鳴るコレットに、私はパチパチと賞賛を贈った。
「あら、状況が理解できるようになるなんて少しは進歩したじゃないの」
「何ですって!?」
「人の言葉が理解できないのかと常々思っていたから、話が通じていることに感動すら覚えたわ。でもね、主に対する言葉遣いはなってなくてよ。後で、フリックに再教育されるでしょうから頑張って直しましょうね」
ニッコリと笑みを浮かべて地獄への片道切符を切ってあげると、コレットの顔色が悪くなる。
コレットも、フリックが相手だと分が悪いと悟っているのだろう。
フリックは、高レベルの暗殺者だからなぁ。
どういう経緯でアングロサクソン家で家令をしていたのかは知らないが、味方なら心強い存在だ。
その彼が直々にコレットを見ると言っているので、多分性格などは矯正されると思いたい。
しかし、如何せん目の前の彼女を見ていると無理なのではと思ってしまう。
「無駄話に時間を費やしてしまいましたね。わたくしとの鍛練の場合のみ、反撃して下さって構いませんわ。では、やりましょうか」
私は、そう言うと同時に水玉でコレットの顔を覆った。
詠唱しようにも水玉が邪魔をしているので、喋るどころか息も出来ないだろう。
さて、彼女はどうやって反撃するのだろうか。
1分、2分と待ってみたものの反撃してくる気配がない。
3分ほど経過してから、バタッとその場に倒れてしまった。
慌てて水玉を解除すると、息をしていなかったので取り合えず殴ってみたら、息を吹き返した。
フーッ、この程度で気絶しないで欲しいわ。
「ゲホゲホッゴホゴホッ」
鼻水を垂らしながら飲み込んだ水を吐く姿は、とてもではないが男性に見せられない顔をしている。
「あの一撃で戦闘不能になるなんて弱すぎますわ。避けるか、飲むか、対処法はあったでしょうに」
そう呟くと、コレットはギッと私を睨んで言った。
「やりましょうかの言葉と同時に攻撃してきたじゃない! 避ける暇を与えなかったでしょうが!! それに、何? 飲むって馬鹿なの? そんな方法でアレをどうにか出来るとすれば、ただの変人よ!」
フンガーッと鼻息荒く文句を垂れ流すコレットに、後者の対処方法を会得しているのがアルベルトだという事は言わないでおこう。
彼は、精霊の悪戯を逆手に取って習得していた。
酸欠が先か、水を全部飲まれるのが先か、下らない争いをしていた。
もしかすると、彼女もアルベルト同様に同じ悪戯を仕掛けられる可能性は高い。
どう克服するかは、彼女次第だ。
「飲んでどうにかした人はいますよ。後者の方法がお気に召さないのであれば、何等かの対策を講じるしかありませんよ」
私は、そう言いながらコレットを目掛けて最近完成した水と雷の複合魔法を放った。
「アババババババ」
出力は低めにしていたが、良い塩梅に感電しており、鑑定眼鏡では『状態異常:麻痺』と出ている。
魔力抵抗がそれなりに高くても、威力を押さえた複合魔法の前では無意味だったようだ。
「たった一回の実験で成功したとは断言できないわね。光の精霊、コレットの状態異常を解除して頂けないかしら? これでは訓練にもならないわ」
私の懇願で、光の精霊は渋々といった感じでコレットの状態異常を解除してくれた。
状態異常から解放されたコレットが私に文句を言おうとしている隙に、また感電させるを繰り返す。
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