かちこみっ!

もっけさん

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第9話 八神社運営とビルの改装工事

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 わかつ神社に採用した権宮司ごんぐうじいしずきじゅん禰宜ねぎ福重ふくしげ南朋なお権禰宜ごんねぎに織田一三かずふみ正樹まさき絢太けんたの両名。巫女に平野あずさ四十物谷あいものや瞳の両名を採用して働いて貰っている。
 採用した彼等にはそれぞれ特技があった。
 先ずはいしずきじゅんは税理士の資格を持っているので、副業でRavimラヴィムの税理も兼任して貰うことにした。
 福重ふくしげ南朋なおは酒類製造免許を持っていたので神社の離れでお神酒を作って貰う事にした。
 織田一三かずふみはグラフィックデザイナー・TOBIS2級、正樹まさき絢太けんたはWEBデザイナー、平野あずさはJTFほんやく検定(実用レベル英日)、四十物谷あいものや瞳はレジンアートデザイナー・UVレジンデザイナーの資格を取得している。
 正樹まさき絢太けんたを中心にわかつ神社のHPホームページを作って貰い、織田一三かずふみ、平野あずさYourTubeユアチューブの動画に英語の字幕を付けて流した。
 四十物谷あいものや瞳はレジンで根付を作って貰っている。
 神社は小さいが私達の縁切り・縁結びを知っている上流階級の人からの口コミで賑わっていると言える。
 「こんにちは、何か困ったことはないですか?」
 神社に顔を出すと
 「こんにちは、わかつさん。YourTubeユアチューブとホームページの影響か参拝者が増えてますよ。」
いしずきさんがにこにこと良い笑顔で答えてくれた。
 「わかつさん、祈祷や守りの授与を電子決済することは出来ませんか?」
 社務所から出てきた平野さんの言葉に
 「電子決済?う~ん、出来なくはないけど神聖さが無くならない?」
難色を示すと
 「海外のお客様で電子決済が出来たら良いと多数意見があったので。それに愛宕神社あたごじんじゃ日光二荒山神社ふたらさんじんじゃとか電子決済出来ますよ!うちも是非、電子決済導入しましょうよ!電子決済になればお釣りの間違いも無くなります!」
意気揚々とプレゼンしてくる。
 まぁ、お釣り間違いに困らなくなるのは良いな。
 「分かった。電子決済に移行しようか。それまでは従来通りで宜しく。」
 確かQR決済ゲートウェイサービスというのがあったはず。後で登録しておくか…
 他にも色々と彼等から神社運営に関して意見を交換しあったのだった。

 神社で用事を済ませて私は建築会社の鹿島組かしまぐみに向かった。
 「13時に予約をしたわかつ七五三なごみです。」
 「ご予約のわかつ様ですね。応接室に案内します。」
 受付のお姉さんが応接室に案内してくれた。
 緑茶と和菓子を出してくれたので有難く頂くことにした。
 「おお、若いお姉ちゃんじゃないか!俺は鹿島組かしまぐみの親方をしている霜月はるかだ。」
 宜しくと出された手を握り返し
 「わかつ七五三なごみです。今回はビル3棟をマンションに改装して欲しいんですよ。」
要望を伝える。
 「おう、どんなマンションにするか決まっているのか?」
 「中央区のビルは学生向けにしたいので1LDKの間取りでお願いします。中野区の2棟はファミリー向けの3LDKと単身者向けの1LDKでお願いします。あ、3棟の1階はRavimラヴィムの店舗にします。2階は社員の休憩場とロッカー、ミーティングルーム、商品管理室を作って下さい。マンションとの入口は別でお願いします。デザインは霜月親方に任せます。」
 「ふーん、ビルを3棟になると金が大分かかるぞ?お嬢さん、お金は大丈夫なのか?」
 霜月親方の心配に
 「前金の3000万今から振り込みますので確認して下さい。」
私はスマホを操作して前金3000万を振り込みした。
 「おーい、わかつさん名義で振り込みされてるかー?」
 事務員に確認する霜月親方に
 「3000万の振り込み確認取れましたー」
振り込み確認が取れたと返事がかえる。その言葉を聞いて霜月親方が
 「代金をぽんと出すなんてお金持ちだったのか…」
ボソっと呟いていた。異世界では金持ちだけど地球では金持ちではないよ。
 「ネット回線や水回りにエアコンなどの電化製品など諸々を合計した金額だがざっと3億6千万だな。正式な料金と契約書は後日になる。」
 「分かりました。あと宮大工を紹介して下さい。3棟のビルに社を建てるので腕の良い職人を紹介して欲しいです。」
 「腕の良い職人になると宮大工もみじを紹介してやるよ。あそこなら良い物を作って貰えるだろう。ちょっと待ってろ。」
 霜月親方は電話を掛け
 「おう、霜月だ。増山ますやまの爺さんはいるか?美味しい依頼を持ってきてやったぜ……」
宮大工の人と話し始めた。話始めて数分、私を見て
 「嬢ちゃん、ビル1棟につき社を建てるってことだが値段は決めているのか?」
お金の話をしてきた。不快に思わないのがこの男の持つ雰囲気のせいだろうか?
 「ビル1棟に付き1千万出します。それ以上は無理です。」
 小さいお社だったらもう少し値段を抑えられるだろうけど、夜刀神やとのかみ様と神使しんしの怒りを収めて貰う為ケチることは出来ない。
 私が提示した値段を先方に伝え話し合っているようだ。
 私は出されたお茶を飲んで喉を潤した。
 「嬢ちゃん、増山ますやまの爺さんが手掛けてくれるそうだ。」
 「それで構いません。宜しくお願いしますとお伝え下さい。」
 霜月親方は電話を終えて
 「お社の建設に関しては早くて2週間後だそうだ。ビルの改装に関しては1週間後から着手出来る。」
予定を教えてくれた。思ったより早く工事に取り掛かれるのでラッキーと思ったのは仕方ないと思う。
 「それでお願いします。」
 「3棟同時だらか工事の期間としては2年を見て欲しい。」
 「結構、掛かるんですね。」
 「全部20階だからな。ほい、前金の領収書だ。契約書は3日後には出来るからまた来てくれ。」
 私は領収書をバックに仕舞い
 「じゃあ、3日後の同じ時間に伺いますね。」
訪問の約束をして自宅に帰った。
 後日契約を交わしビル3棟の改装工事が始まったのだった。
 
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