3 / 50
1 欲求不満なのかな
2 弟の素行が悪すぎます 改
しおりを挟むバイトを終えて、スーパーに買い物に行く。
その途中で、亜稀が彼女とファーストフード店に座っているのを見つけた。
顔を近づけてささやき合っている。
彼女が亜稀にキスをした。
胸がドキドキした。二人で立ち上がると、店から出て人通りの多い歩道を歩いて行く。
奈都は亜稀の後をなんとなく追っていた。
人通りは少なくなって、ホテル街に入って行った。
彼女の腕が、亜稀の腕に絡みついて、彼女の体が、体格のいい亜稀の体にもたれかかっている。
二人は自然にホテルに入っていった。
奈都は亜稀の鞄に入っていたコンドームを思い出した。
(今からエッチするんだ・・・)
奈都はホテルの建物を見上げていた。
亜稀が女の子を抱く姿を想像して、それを自分に置き換えてみた。
奈都は無理だと思った。
裸の女の子の姿を想像しても、下半身も疼かないし、実際、女の子の中に自身のモノを挿入できるとも思えなかった。
奈都は自分の小さな性器にコンプレックスを抱いている。
学校のトイレも、いつも個室を使っているほど、他人に見られたくない。
そんな自分に女の子を抱けるはずもない。
抱きたいとも思えない。
男としては失格だ。
振り返ると知らない男性が、奈都の腕を掴んだ。
「いくらだ?」
「え?」
ギラついた目が値踏みするように体を舐める。
足の先から髪の先端まで、嫌らしい目に捉えられた。
(食われる)
本能的にそう感じた。
背筋が震えるほど恐怖がこみ上げてきた。
「いくらで抱かせてくれる?」
両手を掴まれて、キスをするように顔を近づけてきた。
「いやっ」
「かわいい、いい匂いがする」
「抱かれません」
掴まれた腕を振り払って、今歩いてきた道を走って戻っていく。
男が奈都の後を追いかけてきた。
腕を掴まれ、奈都は悲鳴を上げた。
「いやぁー」
悲鳴を上げた体を、強く抱きしめられて、その腕の中でもがく。
水の中で溺れるように暴れる体を、しっかり抱きしめられて、聞き慣れた声が耳元でした。
「奈都、お兄ちゃんだ。どうかしたのか?遅いから迎えに来た」
「響ちゃん」
振り向くと、追いかけてきた男が立ち止まって、じっと奈都を見ていた。
響介の視線も奈都の視線を追いかける。
奈都を見ながら、男は歩き出した。
隣を通り過ぎていく。
「私立城南学園か」
にやりと嗤った顔が、怖かった。
「あの男に何かされたのか?」
涙を拭かれて、響介に抱きついた。
(学校名知られちゃった)
制服を着ているのだから、見ればわかる。
「なんでもない。腕を掴まれて、追いかけられた」
「なんでもなくはないだろう?」
「もう大丈夫。響ちゃん来てくれたし」
何度も深呼吸をして、慣れ親しんだ響介の香りを吸い込んで、体を離した。
「買い物途中で絡まれたのか?」
「ちがう。あ、買い物してない」
スーパーは閉まっていた。
「今日は遅い。何か食べていこう。買い物は明日、一緒について行く。いいな?」
「響ちゃん、ごめん」
「謝らなくていいから」
二人で食事を摂って、帰りにコンビニでお弁当を1個と牛乳と食パンを買って帰って行った。
家に帰ると亜稀が帰っていた。
「ご飯は?」
響介がコンビニ弁当をテーブルの上に置く。
「奈都が襲われかけた。買い物くらい亜稀がしろ」
亜稀の顔色が変わる。
「無事なのか?」
「逃げたし、響ちゃんが来てくれたから」
「だからバイト辞めろって言っただろう」
亜稀の言い方に腹が立った。
奈都は亜稀の顔を見上げた。
「亜稀、今までどこで何してたの?」
「図書館で勉強だよ」
「繁華街の先にあるホテルが図書館だったなんて、初めて知った」
「奈都、後をつけていたのか?」
「たまたま見かけただけ。そのうち女の子に背中刺されるよ」
それだけ言うと、奈都は部屋に戻ってパジャマを持ってお風呂場に行った。
男に触れられた腕が気持ち悪い。
ボディーソープをたっぷりつけて、体を洗って湯船に入る。
亜稀が何をしてようが関係ないはずなのに、悲しくてたまらない。
その日、熱を出した。
翌日のお弁当の下ごしらえをしようとして、台所で倒れてしまった。
響介が寝室に運んでくれて、亜稀が体温計を持ってくる。
体温計の数値を見て、響介がアイスマクラを持ってきてくれる。
「だから言ったのに。奈都はもともと体が弱いのに、無理するから」
亜稀は怒っていた。
「亜稀は黙って部屋に戻りなさい。今夜は僕が奈都を看てるから」
翌日、学校を休んだ。
熱を出していたからか、朝起きてもパンツは濡れてはいなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる