唯一の恋

綾月百花   

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1   欲求不満なのかな

3    兄弟でキスとかエッチってありですか?     改

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 季節は進みゴールデンウイークに入った。
 学校独自のカレンダーでゴールデンウイークは大連休になる。
 裕福な家庭の生徒が多くて、生徒はこぞって海外旅行に出かけていくからだ。
 両親が健在だった頃は、奈都も家族で旅行に出かけていた。国内だったり海外だったり、様々だった。
 母と一緒に入った露天風呂は、開放的ですごく気持ちがよかった。
 奈都は海外に行くより、露天風呂のついている旅館に行く方が好きだった。
 祖父や祖母も一緒に行けて、7人で出かける旅行は穏やかで優しい。
 海外旅行の時は祖父と祖母はついてこなかった。
 5人でいろんな場所に行った。フランスに行ったときは、セーヌ川のほとりを散歩した。ヌーヴル美術館は一日で回りきれなくて、エッフェル塔は市街を見渡せた。
 エジプトに行ったときは、初めてピラミッドを見た。
 見聞を広めるための旅行も楽しかった。
 だが、今は昔。
 楽しかったゴールデンウイークは奈都にとって、バイト三昧になった。
 亜稀はデート三昧だ。
 毎日デートの相手が変わっている。
 響介も仕事をしている。会社が休みになるので、長期休暇の間に小説を書き溜めている。響介の仕事は休みがあるようで、ないのと同じだ。
 いつもパソコンと睨めっこしている。
 ゴールデンウイーク中の奈都の仕事のシフトは、朝の8時から夕方の4時だ。
 兄弟の朝食を作って、奈都だけ早く摂る。洗濯も早めに終わらせて、庭に干していく。
 

 相変わらず、朝起きるとお漏らししている。
 シャワーを浴びて、下着を洗う。
 最近の悩みは、胸が少しふっくらしてきて、乳首がTシャツや服に擦れて、赤くなってしまって痛いくらいだ。
 太ったのかな?と奈都は体型を鏡に映す。
 以前と変わっていないような気もするが、やはり胸がふっくらしている。
(やっぱり太ったのかな?)
 奈都はとりあえず、ダイエットを始めた。
 仮性包茎だった下肢も、今ではしっかり捲れている。先端は敏感になっている。
 トランクスで擦れて痛いので、下着はボクサータイプの包み込むようなものに替えた。
 そうしたら、朝起きたらパンツは脱ぎ捨てられていた。
「850円になります」
「奈都ちゃん、バイト終わったらケーキおごってあげるよ」
 毎日、顔を出す松岡というお客さんだ。
 日に何度もコンビニにやってくる。
 ゴールデンウイークで仕事が休みになったのだろう。
 普段の日は会社帰りにお弁当やケーキ、たばこやお酒を買っていく。
 名前を知ったのは、振込用紙に名前が書いてあったからだ。
「今日も予定があるので、すみません」
「奈都ちゃんに会いに、日に何度も通ってるんだから、そろそろ付き合ってくれてもいいだろう?」
「金森さん、レジ変わるね。奥の洗い場片付けてきて」
「はい。お願いします」
 店長がやってきて、レジを変わってくれた。
「邪魔するんじゃねぇよ」
 松岡は不機嫌に凄んだが、店長はおっとり相手をする。
「お客様、850円になります」
「はいよ」
 奈都相手の時は現金払いをするお客は、店長相手だとスマホをかざして精算をする。
「ありがとうございました」
「奈都ちゃんがいなきゃ来る意味ねぇんだよ」
 コンビニの奥には調理場と事務処理をする机が置かれている詰め所がある。
 調理場の洗い場を綺麗に洗ってピカピカに磨いていると、店長がやってきた。
「奈都君のこと女の子と間違えているのかな?あの客、日に何度も来てくれてお店にとっては常連の上得意さんだけど、外で会ったときは、相手にならないように逃げるんだよ」
「はい。先ほどは代わっていただけて助かりました」
「ここにいると、声も聞こえるからね。困ったときはいつでも言いなさい」
「はい」
「そろそろ時間だよ。帰っていいよ」
「ほんとだ。ありがとうございました」
「そこはお疲れ様でしたでいいんだよ」
「はい。お疲れ様でした。それでは失礼します」
 ペコリとお辞儀をして、奈都は更衣室に入っていった。
 

 洗濯物を取り込んで、畳んでしまう。
 奈都の部屋のタンスに仕舞うと、各自の部屋に運ぶ。
 亜稀の部屋は、まるで実験室のようだ。
 ベッドの横にある出窓にはフラスコにアルコールランプ。ビーカーに試験管が並んでいる。
 試験管の中に一本クジャクの羽が刺さっている。海外旅行に行ったときのお土産だ。
 グリーンに着色された羽に赤色の目のような模様が美しい。羽根の先端は細く試験管の中に入っていてもくるくる動いてしまう。
 亜稀は昔から、科学が好きでいろいろコレクションしている。
 時々、簡単な実験もしているようだ。
 両親が健在だった頃は、火事を起こすなよと、よく注意されていた。
 今もピカピカに磨かれたそれらは、亜稀の趣味のコレクションなのだろう。
 タンスの前に、洗濯物を置くと部屋を出て行く。
「響ちゃん、洗濯物置いておくね」
 響介は部屋で仕事をしているので、声をかけて廊下に置いておく。
 床に置く瞬間に扉が開いた。
「奈都帰っていたのか」
「ゴールデンウイーク中はバイト4時までだから。買い物して帰ってきた。これからご飯作るから」
 手渡しで洗濯物をわたして、奈都はにこりと笑う。
「飲み物欲しかったら、持ってこようか?」
「いいよ。一緒に行くよ」
 洗濯物を素早くタンスに仕舞うと、響介が出てきた。
「今日は何を作るんだ?」
「なめことアオサのお味噌汁と筑前煮、お刺身が安くなってたからお刺身とほうれん草の白和え」
「毎日、頑張りすぎるな。この間みたいに疲れて倒れるぞ」
「響ちゃんは仕事があるし、亜稀は成長期だし」
「奈都も仕事してるだろう?たまには出前を取ってもいいし、外食をしてもいい。奈都は僕らの母親じゃないだろう。奈都は学生で亜稀と同じ高校生だ。学生らしいことをしなさい。亜稀は遊びすぎだが、奈都もたまには遊びに出かけたらどうだ?」
「どんなふうに遊んでいたのか、もう思い出せないんだ。家のことしなくなったら、やることがなくなっちゃう」
「好きな人はいないのか?」
「僕が好きなのは、響ちゃんと亜稀」
 響介の手が奈都の体を抱きしめる。
 奈都も響介の背中に腕を回す。
「僕もだよ。奈都と亜稀がいてくれたら、もう誰もいらない」
 ふわりと唇に唇が重なった。
(え?ええ?なんで?)
 しばらく触れていた唇が離れていく。
「響ちゃん、今のはなに?」
「キスだよ」
「キスだってわかってるけど、なんで?」
「したかったから」
「あ、あの・・・」
 どんなリアクションをしていいのかわからず、奈都は唇を押さえて、おろおろしてしまう。
「さあ、ご飯、作ってしまおう。今日は手伝うよ」
「あ、うん」
「ご飯は炊けているのかな?」
「これから」
「それならお米をとぐのは僕がしよう。奈都はおかずを作り始めて」
「うん」
 冷蔵庫を開けて、奈都は自分の顔が熱くなっているのに気づいた。冷蔵庫の冷気が気持ちよく感じた。


 これは夢。
 気持ちいい。
 キスは優しくて、舌と舌が絡まる。
 掌が胸を撫でている。
 先端がぷっくりと膨らんでいる。
 キスをしながら、先端を指先が挟んで胸を撫でている。時折、指先が先端を押し開くように爪を立てられる。
 今夜はいつもより激しい夢だ。
 動きがいつもより大胆だ。それでも気持ちいいのは変わらない。
 眠くて目は開けられない。
 キスが体を這う。
 胸まで辿り着いた唇が、胸の先端を食んだり突いたり、吸ったりしてくる。
「んっ」
 腰が揺れる。
 誰かの手が、体の中に入っている。
 撫でるように、優しく愛撫されている。
 体の奥が熱くて、濡れてくる。
 触られてもいない欲望が起ち上がっていく。
 体内から出たり入ったりしていた指が、入り口の襞を撫でている。閉じていた穴が開くような変な感じがする。指はヌメヌメと濡れたものが絡まる。
 何かを摘まれて、激しい快感が全身を貫いた。
「はぁ・・・ああっ」
 気持ちよくて、弾けた。
 弾けても、手は動いている。
 胸はずっと吸われたり噛まれたり先端が舌先に嬲られている。
 左右の胸が平等になるほど丹念に舐め嬲られる。
 ぽっかり空いた穴をマッサージされ、足が開いていく。
 気持ちよくて、体から力が抜けて、ふわふわと眠りの中を彷徨う。
 精液で濡れたお尻にも指先が忍び込んでくる。
 体内に入った指は。何本だろう。
 体内を擦られて、敏感な場所を嬲られて、また射精した。
「ああっ・・・」
 腰が痺れるような快感に、ふわりと意識が戻ってきた。
「だれ?」
 胸にある頭を抱いた。
 動きが止まった。
「眠い・・・」
「眠りなさい」
「んっ」
 すっと意識が吸い込まれそうになったとき、体の中から指が抜かれた。
 その刺激で奈都は目を開けた。
 暗闇の中で、響介と目が合った。
「響ちゃん」
「起こしてしまったね」
 手で胸に触れると、パジャマははだけられ、胸は濡れていた。
 パジャマのズボンは脱がされて、ボクサーパンツも脱がされていた。
「夢じゃなかったんだ?」
「僕が毎晩、抱いていた。奈都がパンツを替えてしまったから、脱がさないとできなくなった」
「響ちゃん、どうして?」
「奈都を愛しているんだ。抱かれるのは嫌だったか?」
「夢だと思ってた」
「起こさないように気をつけていたからね」
 開けていたパジャマを合わせてくれる。
「先に進んでもいいか?」
「響ちゃん、それって。どういうこと?」
「今夜も最後まで抱きたい」
 ふわりと響介が浴衣を脱いだ。
 均整の取れた体形をしている。亜稀と響介は同じくらいの身長だが、筋肉質の亜稀とは違い、響介は平均的な筋肉が綺麗についていて彫刻のように美しい。王子様のような綺麗な顔立ちに男らしい体は、勃起していた。響介は奈都の足と足の間に身を置いた。
「起きている奈都を抱くのは初めてだね。だけど、毎日抱いていたから痛くはないはずだよ」
「響ちゃん」
 響介がキスをしてきた。
 夕方の触れるだけのキスではなく、夢でされていた、絡みつくようなキスだ。
 足を抱えられ、本来性器ではない場所に響介が入ってくる。
「うそ・・・」
 響介が言うように、痛くはない。
 体が響介の形を覚えているのか、ゆっくり体の奥へ進んできて、体を抱きしめられた。
「僕の全部だ」
 頭を撫でられる。触れるだけのキスが降ってくる。
「奈都、愛してる」
 夢でも聞いたことがある。
「響ちゃん」
「今日は起こさないように気を遣わなくても、全力で抱いてもいいんだな」
 響介は幸せそうに笑っていた。
「響ちゃん、僕たち兄弟なのに」
 あまりに自然に響介の怒張した楔を受け入れられた。痛みもない。響介が次に何をしてくるのか体が知っている。
「兄弟で愛し合ってはいけないの?」
「わからないよ」
「奈都の体は、もう数え切れないほど抱いている。倫理を考えるなんて今更だ」
「そうかもしれないけど」
 響介は微笑んだ。
「始めるよ」と言うと、奈都の足を抱えた。
 大きく体を揺さぶられ、体の中を響介が激しく動く。
 勢いで、体が上に上がっていくのを、響介が抱き戻す。
「ああんっ、響ちゃん、怖い」
「毎夜、奈都は幸せそうな顔をしていた。抱かれることを喜んでいた」
「夢だと思ったから」
「今も夢だと思ったらいい」
「夢、夢なの?」
「夢だよ。目を閉じてごらん。いつもと変わらない」
 奈都は目を閉じた。
「あっ、あああっ、夢、これは夢」
 何度も奥を突かれて、何度も絶頂を迎えた。
「愛してる、奈都」
 何度も体位を変えて、何度も響介を受け入れた。
「響ちゃんっ」
 激しい快感に全身を貫かれ、悲鳴のような声をあげて、奈都は気を失っていた。


 翌朝、奈都が目を覚ますと、いつものようにパジャマを着ていた。そして、いつものように、ボクサーパンツだけが床に落ちていた。
 体を起こすと、いつもより体が怠く、腰が痛い。
「響ちゃん」
(あれは現実?それとも夢だったの?)
 奈都は立ち上がると、いつものように浴室に向かう。
 浴室の鏡には、今まで見たこともなかった赤い痕が、体中に散っていた。
「夢じゃなかったんだ?」
 赤い痕は、キスマークだろう。
 今まではなかった。
 毎晩夢を見ていても、いつも体に痕跡は残っていなかった。
 昨夜は起きてしまったから、夢が現実になってしまった。
 シャワーを浴びながら、浴室に座り込んだ。
「どうしよう」
 昨夜が初めてではなかった。
 もういつからかわからない前から、毎夜、抱かれていた。
 今まで気づかなかったことの方が奇跡だ。
「今更、どうしようもないか」
 体に異変は確かにあった。
 昨日、交わった後孔に触れる。
 そっと指を入れると、指を伝って白濁が流れてきた。
 昨晩は明け方近くまで抱かれていた。
 そう、いつもより激しかった。
 回数もきっと多かったから。
(響ちゃんが夢じゃないって、痕跡をいっぱい残したんだ)
 もう一度、しっかりシャワーを浴びて、浴室から出て行った。
 浴室の外には亜稀が立っていった。
 慌てて、タオルで体を覆う。
 キスマークは見られてはいけない。
「響介に抱かれたんだな」
「夢だよ」
「誰かわからないのか?」
 奈都は首を左右に振って、急いで下着を身につけTシャツを着た。
「首筋にもキスマーク見えてるよ」
「え?」
 急いで洗面台の鏡を見る。
「嘘」
「亜稀!からかわないで」
 奈都は背後にいる亜稀に怒った顔を見せた。それなのに、亜稀は奈都を抱きしめてきた。
「明け方、奈都の悲鳴を聞いて見に行ったんだ。奈都は響介に抱かれてた。俺だって奈都が好きなのに、響介に取られた。俺だって奈都を好きなんだ」
 抱きしめてくる腕の力は強くて、亜稀の苛立ちが伝わってくる。
「今日のバイトは俺が代わりに行く。奈都は休め。ほとんど寝てないだろう?」
「バイトは僕が行く。僕に任された仕事もある」
「任されてる仕事を教えろよ」
 そんな仕事はなかった。
 品出しをして、検品をして、レジを打つだけだ。
 なにも難しくはない。
「初めてじゃなかったから、大丈夫だよ」
「なんだって!」
「怒らないで。ただ気づかなかっただけなんだ。いつからかわからない。でも、初めてじゃないから。だから、大丈夫」
 いつもなんともないのに、体が怠い。
 体中が重い。
「でも、奈都、顔色が悪いんだ。また倒れたら」
 奈都は微笑む。
「それなら、朝食作って。ゆっくり着替えてくる」
「わかった。少しでも休め」
「うん」
 部屋に行くと、シーツか新しい物に替えられていた。
「響ちゃんが替えてくれたの?」
 ささやかな優しさが嬉しくて、布団に横になった。
 新しいシーツを撫でていると、眠くなってくる。
 いつの間にか眠っていた。
 静かに襖を開けて響介が入ってきた。
 掛け布団をしっかりかけて、廊下に出ると亜稀が仁王立ちで立っていた。

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