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17 婚約
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わたくしは17歳になった。イグは21歳になった。
わたくしとイグレッシア王子は婚約をした。
婚約式は王家の応接室で行われた。それほどたいしたことは、していない。
参列者は、陛下と王妃様とイグレッシア王子とキエフシア第二王子とわたくしの父とわたくしだけだ。
素敵なドレスを着た王妃様の横に、軍服を着た陛下とイグレッシア王子とキエフシア第二王子が並んでいる。
普段よりも凜々しいお姿で、イグレッシア王子は少し頬を染めている。
まずは、陛下と王妃様はお祝いの言葉をくださった。父も祝いの言葉を口にした。
「マリア、よくわたくしの息子の手を取ってくれました」
王妃様は、喜んでくださった。
「イグレッシアのことを頼むよ」
国王陛下も、普通の父親と変わらぬ言葉を発した。
「兄さんが失敗したら、僕が求婚するつもりだったのに、よく仲直りできたよね」
キエフシア第二王子は、この間まで、わたくしがイグレッシア王子のことを拒んでいたことを言っているのだろう。
イグレッシア王子が、居心地悪そうにしているのを、王妃様が窘める。
「キエフ、往生際が悪いわよ。あなたも婚約者を決めなくてはならないのよ」
「暫くは、そっとしておいて」
傷心のキエフシア第二王子は、それでも、わたくしに「おめでとう」と言ってくださいました。
「これからは、姉上になるのだな」
「よろしくお願いします」
わたくしは、頭を下げる。
お父様はわたくしの結婚を喜んでいる。
13歳の時の白い結婚のトラウマが消えたわけではない。
イグレッシア王子は、トラウマを抱えたわたくしごと、抱えてくださったのだ。
「この先のことだが、婚礼は早めにしたい。イグレッシアも21歳になった。国務もしておる。伴侶がいないのが気になっていた。よいか?マリアーノ嬢」
「はい」
「仕事は続けても構わないが、公務を優先してくれ」
「はい」
「婚約披露宴は来月に行う。婚礼は半年後だ。お妃教育は、これから始める。婚礼後でも間に合うことは、婚礼後にする予定を組もうと思うが、王妃どうだ?」
「マリアは、基本的なことはできていますから、心配は要らないでしょう。外交について、少しだけ学んで戴きますわ」
「はい」
「そんなに、緊張しなくても大丈夫よ。マリアは女主人として、起業をしているのですもの、既に立派なレディよ」
「ありがとうございます」
その後、家族同士で食事をして、結婚の支度資金を戴いた。
「マリア、明日、デートをしよう」
「はい、お待ちしております」
イグレッシア王子は微笑むと、緊張してくるわたくしの手を握った。
「馬車まで送ろう」
「はい」
お父様は、暫く、タウンハウスの邸に留まって、わたくしの結婚の準備をしてくださるそうです。
「お嬢様、おめでとうございます」
タウンハウスの邸に務める者達は、その晩、お祝いを開いてくれた。
エリナも旦那様と一緒に参列して、祝ってくれた。
王妃様が婚礼に着てきたドレスをお土産に戴いた。
広げてみると、我が国の物とは生地が違う。
そして、光沢のある高価なドレスだ。
わたくしには、まだ次の侍女は見つからない。
わたくしが、いろいろ文句を付けていることもあるが、心を許せる者が見つからない。
お父様は、母の侍女をしていたメリスに声を掛けたようだ。
母を亡くした時に、メリスは伯爵家を出て、実家に戻ったが、それ以来、消息がつかめなかったが、実家に手紙を送ると、メリスから返事が来たと言う。
メリスは結局、結婚はしなかったそうだ。
侍女の時に身につけた裁縫の腕ひとつで、ドレスのリメイクや刺繍をして、収入を得ているという。
わたくしの侍女になってくれるという。
後継を育てるために、メリスの姪を連れて行くと手紙が来た。
メリスは男爵家の次女だったが、母が子供の頃から、母のお世話をしていたそうだ。
わたくしは、メリスのことは覚えているが、その後継者がどんな方なのか、とても不安だった。
学校を出ていないだけで、蔑まれる貴族社会の中で、わたくしを侮辱しない年頃の女の子はいるのかしら?
普通の貴族の女の子は、起業をしたりしない。
それを成し遂げて、成功を収め続けているわたくしは、かなりの収入を得ている。
それに、わたくしの美への追究は、まだ途中なのだ。
わたくしの心も支えてくれる、エリナのような侍女が欲しいのだ。
わたくしとイグレッシア王子は婚約をした。
婚約式は王家の応接室で行われた。それほどたいしたことは、していない。
参列者は、陛下と王妃様とイグレッシア王子とキエフシア第二王子とわたくしの父とわたくしだけだ。
素敵なドレスを着た王妃様の横に、軍服を着た陛下とイグレッシア王子とキエフシア第二王子が並んでいる。
普段よりも凜々しいお姿で、イグレッシア王子は少し頬を染めている。
まずは、陛下と王妃様はお祝いの言葉をくださった。父も祝いの言葉を口にした。
「マリア、よくわたくしの息子の手を取ってくれました」
王妃様は、喜んでくださった。
「イグレッシアのことを頼むよ」
国王陛下も、普通の父親と変わらぬ言葉を発した。
「兄さんが失敗したら、僕が求婚するつもりだったのに、よく仲直りできたよね」
キエフシア第二王子は、この間まで、わたくしがイグレッシア王子のことを拒んでいたことを言っているのだろう。
イグレッシア王子が、居心地悪そうにしているのを、王妃様が窘める。
「キエフ、往生際が悪いわよ。あなたも婚約者を決めなくてはならないのよ」
「暫くは、そっとしておいて」
傷心のキエフシア第二王子は、それでも、わたくしに「おめでとう」と言ってくださいました。
「これからは、姉上になるのだな」
「よろしくお願いします」
わたくしは、頭を下げる。
お父様はわたくしの結婚を喜んでいる。
13歳の時の白い結婚のトラウマが消えたわけではない。
イグレッシア王子は、トラウマを抱えたわたくしごと、抱えてくださったのだ。
「この先のことだが、婚礼は早めにしたい。イグレッシアも21歳になった。国務もしておる。伴侶がいないのが気になっていた。よいか?マリアーノ嬢」
「はい」
「仕事は続けても構わないが、公務を優先してくれ」
「はい」
「婚約披露宴は来月に行う。婚礼は半年後だ。お妃教育は、これから始める。婚礼後でも間に合うことは、婚礼後にする予定を組もうと思うが、王妃どうだ?」
「マリアは、基本的なことはできていますから、心配は要らないでしょう。外交について、少しだけ学んで戴きますわ」
「はい」
「そんなに、緊張しなくても大丈夫よ。マリアは女主人として、起業をしているのですもの、既に立派なレディよ」
「ありがとうございます」
その後、家族同士で食事をして、結婚の支度資金を戴いた。
「マリア、明日、デートをしよう」
「はい、お待ちしております」
イグレッシア王子は微笑むと、緊張してくるわたくしの手を握った。
「馬車まで送ろう」
「はい」
お父様は、暫く、タウンハウスの邸に留まって、わたくしの結婚の準備をしてくださるそうです。
「お嬢様、おめでとうございます」
タウンハウスの邸に務める者達は、その晩、お祝いを開いてくれた。
エリナも旦那様と一緒に参列して、祝ってくれた。
王妃様が婚礼に着てきたドレスをお土産に戴いた。
広げてみると、我が国の物とは生地が違う。
そして、光沢のある高価なドレスだ。
わたくしには、まだ次の侍女は見つからない。
わたくしが、いろいろ文句を付けていることもあるが、心を許せる者が見つからない。
お父様は、母の侍女をしていたメリスに声を掛けたようだ。
母を亡くした時に、メリスは伯爵家を出て、実家に戻ったが、それ以来、消息がつかめなかったが、実家に手紙を送ると、メリスから返事が来たと言う。
メリスは結局、結婚はしなかったそうだ。
侍女の時に身につけた裁縫の腕ひとつで、ドレスのリメイクや刺繍をして、収入を得ているという。
わたくしの侍女になってくれるという。
後継を育てるために、メリスの姪を連れて行くと手紙が来た。
メリスは男爵家の次女だったが、母が子供の頃から、母のお世話をしていたそうだ。
わたくしは、メリスのことは覚えているが、その後継者がどんな方なのか、とても不安だった。
学校を出ていないだけで、蔑まれる貴族社会の中で、わたくしを侮辱しない年頃の女の子はいるのかしら?
普通の貴族の女の子は、起業をしたりしない。
それを成し遂げて、成功を収め続けているわたくしは、かなりの収入を得ている。
それに、わたくしの美への追究は、まだ途中なのだ。
わたくしの心も支えてくれる、エリナのような侍女が欲しいのだ。
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