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18 契約
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王家に嫁ぐにあたって、父とも企業間の契約をしなくてはならない。
契約書を作成して、父と話し合う。
研究所を作るために、最初に父にかなりの大金を借りた。それは、既に返済できている。
今まで親族ということで、曖昧だった部分を、はっきりさせて、そこに生まれる賃金も決めていく。
契約書は、かなりの枚数になった。
エステの学校は、父の領地にある。
講師は、クリュシタ伯爵家の侍女長で、その者を、専属の講師に雇い、その助手もクリュシタ伯爵家の侍女を数人講師として、雇うことにした。
学校の主は、わたくしの名前が使われているので、領地を借りることになる。そこに発生する料金を支払い、また講師の給料も支払わなければいけなくなる。
今まで黒字だけだった所が、けっこうギリギリになっていることが分かった。
エステ部門はかなり危ない橋を渡っていることに気づいた。
けれど、やっと軌道に乗ってきたところなので、今止めてしまうのは惜しい。
父の勧めで、研究所のあるわたくしの領地に建物を建てて、そこで運営をしたらどうかと勧められた。
一時的に建物を建てる資金はいるが、その後の資金は要らなくなる。
その方が結果的に賃金が少なくすむので、その手配もしなければならない。
今までは、領民を使った化粧品のお試しを、今度は、クリュシタ伯爵家に依頼することになる。その支払いも出てくる。
お試しをせずに、いきなり発売はできない。
王家に嫁ぐなら、全てを父の元に戻すことも考えたが、父がそれを反対した。
国王陛下が、仕事を続けてもいいと許可を出したことからも、わたくしの仕事は認めてもらっているということだと言った。
美の称号を戴いたわたくしの使命だとおっしゃったのだ。
エステ学校を無料にせずに、お金を取ったらどうかと話も出た。
王都で全てが働くわけではない。
話を聞きつけ、貴族の中には、エステの腕を身につけさせるために、使用人を入学させてくる者もいる。
入学の段階で、それを区別することは難しい。
奨学金制度を使えば、貴族街に働きに出たい者だけは無料で教えることはできる。
学校は1年制として、プロフェッショナルを育てることを目標とする。
髪が結えないなどと言う者などは無くさなければ恥だ。
クリマのような中途半端な者は、要らないのだ。
適性がなければ、途中で退学もある事も記しておく。
いろんな規則も作った。
わたくしは、一度、領地に戻り、エステ部門の講師になる者達と面談をした。
彼女たちはそこに喜びを見せた。
契約を交わして、領地に学校を建てる準備をした。
どうしても学びたいと貴族が言い出したら、授業料を取ることも考えて、金額も提示した。
定員は5名から若干名。それ以上だと、講師の手が足りなくなる。就職してから5年はお礼奉公をすることにした。直ぐに貴族にスカウトされないようにするためだ。将来侍女として働くこともできる完璧な女性を育てることを目標とした。
あっという間に時間が過ぎていく。
婚約発表の日が迫っている。
急いでタウンハウスの邸に戻ってきた。
王妃様から戴いたドレスを着てみる。
少し大きいが、醜くはない。
柔らかい生地で、着心地もいい。
白い生地だが、光の加減で虹色に輝く不思議な布だ。
髪留めは、領地で取れた真珠を使う。
お父様が、用意してくださった物だ。
試着を終えて、ドレスをかけておく。
侍女はまだ来ない。
契約書を作成して、父と話し合う。
研究所を作るために、最初に父にかなりの大金を借りた。それは、既に返済できている。
今まで親族ということで、曖昧だった部分を、はっきりさせて、そこに生まれる賃金も決めていく。
契約書は、かなりの枚数になった。
エステの学校は、父の領地にある。
講師は、クリュシタ伯爵家の侍女長で、その者を、専属の講師に雇い、その助手もクリュシタ伯爵家の侍女を数人講師として、雇うことにした。
学校の主は、わたくしの名前が使われているので、領地を借りることになる。そこに発生する料金を支払い、また講師の給料も支払わなければいけなくなる。
今まで黒字だけだった所が、けっこうギリギリになっていることが分かった。
エステ部門はかなり危ない橋を渡っていることに気づいた。
けれど、やっと軌道に乗ってきたところなので、今止めてしまうのは惜しい。
父の勧めで、研究所のあるわたくしの領地に建物を建てて、そこで運営をしたらどうかと勧められた。
一時的に建物を建てる資金はいるが、その後の資金は要らなくなる。
その方が結果的に賃金が少なくすむので、その手配もしなければならない。
今までは、領民を使った化粧品のお試しを、今度は、クリュシタ伯爵家に依頼することになる。その支払いも出てくる。
お試しをせずに、いきなり発売はできない。
王家に嫁ぐなら、全てを父の元に戻すことも考えたが、父がそれを反対した。
国王陛下が、仕事を続けてもいいと許可を出したことからも、わたくしの仕事は認めてもらっているということだと言った。
美の称号を戴いたわたくしの使命だとおっしゃったのだ。
エステ学校を無料にせずに、お金を取ったらどうかと話も出た。
王都で全てが働くわけではない。
話を聞きつけ、貴族の中には、エステの腕を身につけさせるために、使用人を入学させてくる者もいる。
入学の段階で、それを区別することは難しい。
奨学金制度を使えば、貴族街に働きに出たい者だけは無料で教えることはできる。
学校は1年制として、プロフェッショナルを育てることを目標とする。
髪が結えないなどと言う者などは無くさなければ恥だ。
クリマのような中途半端な者は、要らないのだ。
適性がなければ、途中で退学もある事も記しておく。
いろんな規則も作った。
わたくしは、一度、領地に戻り、エステ部門の講師になる者達と面談をした。
彼女たちはそこに喜びを見せた。
契約を交わして、領地に学校を建てる準備をした。
どうしても学びたいと貴族が言い出したら、授業料を取ることも考えて、金額も提示した。
定員は5名から若干名。それ以上だと、講師の手が足りなくなる。就職してから5年はお礼奉公をすることにした。直ぐに貴族にスカウトされないようにするためだ。将来侍女として働くこともできる完璧な女性を育てることを目標とした。
あっという間に時間が過ぎていく。
婚約発表の日が迫っている。
急いでタウンハウスの邸に戻ってきた。
王妃様から戴いたドレスを着てみる。
少し大きいが、醜くはない。
柔らかい生地で、着心地もいい。
白い生地だが、光の加減で虹色に輝く不思議な布だ。
髪留めは、領地で取れた真珠を使う。
お父様が、用意してくださった物だ。
試着を終えて、ドレスをかけておく。
侍女はまだ来ない。
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