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37 大量な手紙(3)
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「遅い!」
すごみある声に、俺と娘は飛び上がる。
陛下と王妃様は、かなりご立腹のようだ。
俺は娘を引っ張り、床にひれ伏す。
「いったいどこから、ここに参ったのだ?それとも呼び出しが不服だったのか?」
「申し訳ございません。いいえ、その様なことはございません。娘の準備に時間がかかったのでございます」
陛下は怒っておいでだったので、俺はとにかく低姿勢で、頭を下げまくる。
「女性は身支度に時間がかかるが、王妃でもこれほどは、時間を掛けない。己の娘に、しかと教え込め。国王、王妃が呼び出したら、即刻、参るようにと」
「畏まりました」
俺はまた床に頭を擦りつけるように、頭を下げた。
「本日はどのような要件で呼び出しを?」
こんな時は、早く要件を聞き出し、さっさと帰った方が利口であろう。
イグレッシア王子の足音が、コツコツと鳴り、近づいてくるのが分かる。目の前で止まったイグレッシア王子は、何かを俺たちの頭の上にバラバラと撒いた。いや、落とした?
咄嗟に頭を庇ったが、それほど痛みがあるわけではなかった。
目の前に視線を落とすと、それは手紙であろうか?封筒がたくさん落ちている。
一つを取り、読もうとしたとき、隣にいる娘が「読まないで」と俺の手元から手紙を奪う。
娘は封筒をかき集めている。
「その手紙は、メアリー殿が書かれた手紙ですね」
「えっと、えっと、どうだったかしら?」
イグレッシア王子は、一つの封筒を手に取ると、朗読を始めた。
マリアーノ・クリュシタ伯爵令嬢殿へ
『先日は王妃様のお茶会で失礼しました。仲直りをしたいと思います。お茶会に来ていただけませんか?
メアリーより』
短い文章が、並んでいる。二枚目の便箋は招待状と書かれている。
「これは何ですか?」
「謝罪文です」とメアリーは答える。
「どこに謝罪が書かれているか?」
イグレッシア王子は、便箋を指先で弾きながら尋問する。
「それに、毎日、同じ物が送られてくるのは、嫌がらせか?この頃は日に三通から四通くるが?」
メアリーは「お返事がもらえなかったので、届いていないのかと思いまして」と最後の方はごにょごにょと言葉にならない。
「返事は二通ほど、マリアーノが出しておるが、それは届いていないのか?」
「えっと、えっと、届いていませんわ」
「私が書いた手紙はどうだ?」
「えっと、えっと、届いていません」
「それが誠ならば、この土地の郵便の調査をせねばならないが、嘘をついておらぬのか?」
「嘘はついておりません」
「嘘なら、王家を騙して、国家を揺るがしたと処罰を与えるが、本当に嘘ではないのか?」
我が娘は、頭を抱えて、首を振っておる。
「……嘘ではありません」
絞り出したような声で答えた声は、悲鳴のような声になっている。
「では、カスカータ侯爵、其方の家に参って、手紙が本当にないのか確かめさせてもらう。万が一、手紙が出てきた場合、私の婚約者に対しての嫌がらせ、そして侮辱罪、脅迫罪、加えて、王家を侮辱した罪もあったな」
「王太子殿下、暫く、お待ちください」
俺は、隣で蒼白な顔色になっている娘の体を揺すった。
「メアリー、きちんと答えなさい。手紙は届いているのだろう?正確に答えなければ、大変な罰が与えられる。ここは間違うな。よく考えて答えなさい」
メアリーはしゃくり上げる。
「本当は届いています。嘘を言ったりして、ごめんなさい」
幼子のような謝罪の仕方に、俺は頭を抱えたくなった。
泣いているが、これは嘘泣きだ。演技をするなら、もう少し上手く演技をしてくれたら、フォローの仕方もあるが、あまりにも滑稽で、王妃様は扇子を広げて、お顔を隠していらっしゃる。
「娘よ、それは泣いているのか?それとも笑っておるのか?涙が出ておらんが」
とうとう、呆れた陛下が、声を発した。
「ひっ!」
メアリーの体が、ビクンと跳ね上がった。
その後は、ブルブルと震えている。
「嘘か本当かどちらだ?」
イグレッシア王子は、どうやらメアリーに対して相当、ご立腹のようだ。
声からもその眼差しからも、怒りがにじみ出ている。
普段より、声が低い。滑舌がいいので、聞き取りにくいことはないが、それがまた恐ろしい。
その上、青い瞳が氷のように鋭くなっている。
「手紙は届きました!」
「では、その手紙にはなんと書いてあった?」
「忘れました」
俺はガクリと力が抜けた。
なんと情けない。カスカータ侯爵家の恥だ。
「では、私から直接申し上げる。私の婚約者のマリアーノは、あなたに会うつもりはない。謝罪とは言えない文のために、謝罪は受けていない。許すも何もない。散々嫌がらせをしたあなたが主催のお茶会は参加しない。理解できたか?」
「はい」
「また手紙が送られてきたら、其方は国外追放にいたす」
「国外追放?今日、もう出してしまったわ」
俺は頭を抱えたくなった。
我が娘ながら、あまりにお粗末で、王太子殿下に言われずとも、侯爵家から追放したくなった。
「では、手紙は其方が受け取り、私と私の伴侶となるマリアーノに見せることなく、自分で持ち帰れ」
「王太子殿下、大変失礼な手紙を出していたようで、私も今知りましたが、恥ずかしく思います。我が娘には、必ず罰を与えます」
俺は王太子殿下に頭を下げると、次に、この騒動に巻き込んだ陛下と王妃様にも頭を下げた。
「カスカータ侯爵、次はないと言ったな?」
陛下の言葉に、俺は背筋が震えた。
「爵位を取り消す。目障りだ、この国から出て行け」
「陛下、それだけはお許しください」
俺は、必死に頭を下げた。
「一週間以内に邸から出て行け。一週間後に邸を焼き払う。さっさと出て行け」
「どうか、お許しを」
王妃殿下が退出されて、陛下も退出された。
残されたイグレッシア殿下に救いを求めるように、見上げるが、「さっさと拾え」と言われるだけであった。
その後、メアリーが書いた手紙を全てかき集め、謁見の間から出た俺たちは、メアリーが書いたという手紙が届くまで、王宮の出入り口に立たせてもらい、手紙を回収した。
なんと四通も書いてあって、俺は娘の顔を睨んだ。
メアリーは肩を窄めただけだった。
現在の状況が理解できているのか、その顔色からは判断できない。
馬車に移動すると、俺は娘の頬を打った。
「お父様は酷いわ」
「どうして、そう問題を起こす?おまえが考えなしだから、お家が取り潰しになったのだ。分かるか?爵位取り消しに国外追放だ。これから、どうして、食べていくつもりだ?」
メアリーは手紙を抱えたまま、俯いた。
「ただ仲直りをして、結果的にライアンが許されたらいいと思ったのよ」
「謝罪なら素直に、謝りなさい。メアリーには素直さはなくなったのか?どうせ、仲直りして、マリアの商品を融通利かせてもらおうとか私欲が紛れていたのだろう?だから、素直に謝れないのだ」
メアリーは、膨れっ面になった。
当たらずといえども遠からずということだろう。
ライアンの名前を出せば、叱られないとでも思ったのかもしれない。
どこで、こんなに捻くれてしまったのか?
情けない。
こんな娘の貰い手のないことが、よく分かった。
世間は、俺よりも娘のことをよく知っているのだ。
だから、釣書も受け取ってもらえず、釣書も来ないのだ。
子供の頃から仲がよかったライアン殿にも見放されてしまったのだ。
この娘のせいで、侯爵でもなくなった。
猶予は1週間だ。
早く、邸に戻り、金に換えられる物は早々に金に換えて、住処も探さねばならない。
すごみある声に、俺と娘は飛び上がる。
陛下と王妃様は、かなりご立腹のようだ。
俺は娘を引っ張り、床にひれ伏す。
「いったいどこから、ここに参ったのだ?それとも呼び出しが不服だったのか?」
「申し訳ございません。いいえ、その様なことはございません。娘の準備に時間がかかったのでございます」
陛下は怒っておいでだったので、俺はとにかく低姿勢で、頭を下げまくる。
「女性は身支度に時間がかかるが、王妃でもこれほどは、時間を掛けない。己の娘に、しかと教え込め。国王、王妃が呼び出したら、即刻、参るようにと」
「畏まりました」
俺はまた床に頭を擦りつけるように、頭を下げた。
「本日はどのような要件で呼び出しを?」
こんな時は、早く要件を聞き出し、さっさと帰った方が利口であろう。
イグレッシア王子の足音が、コツコツと鳴り、近づいてくるのが分かる。目の前で止まったイグレッシア王子は、何かを俺たちの頭の上にバラバラと撒いた。いや、落とした?
咄嗟に頭を庇ったが、それほど痛みがあるわけではなかった。
目の前に視線を落とすと、それは手紙であろうか?封筒がたくさん落ちている。
一つを取り、読もうとしたとき、隣にいる娘が「読まないで」と俺の手元から手紙を奪う。
娘は封筒をかき集めている。
「その手紙は、メアリー殿が書かれた手紙ですね」
「えっと、えっと、どうだったかしら?」
イグレッシア王子は、一つの封筒を手に取ると、朗読を始めた。
マリアーノ・クリュシタ伯爵令嬢殿へ
『先日は王妃様のお茶会で失礼しました。仲直りをしたいと思います。お茶会に来ていただけませんか?
メアリーより』
短い文章が、並んでいる。二枚目の便箋は招待状と書かれている。
「これは何ですか?」
「謝罪文です」とメアリーは答える。
「どこに謝罪が書かれているか?」
イグレッシア王子は、便箋を指先で弾きながら尋問する。
「それに、毎日、同じ物が送られてくるのは、嫌がらせか?この頃は日に三通から四通くるが?」
メアリーは「お返事がもらえなかったので、届いていないのかと思いまして」と最後の方はごにょごにょと言葉にならない。
「返事は二通ほど、マリアーノが出しておるが、それは届いていないのか?」
「えっと、えっと、届いていませんわ」
「私が書いた手紙はどうだ?」
「えっと、えっと、届いていません」
「それが誠ならば、この土地の郵便の調査をせねばならないが、嘘をついておらぬのか?」
「嘘はついておりません」
「嘘なら、王家を騙して、国家を揺るがしたと処罰を与えるが、本当に嘘ではないのか?」
我が娘は、頭を抱えて、首を振っておる。
「……嘘ではありません」
絞り出したような声で答えた声は、悲鳴のような声になっている。
「では、カスカータ侯爵、其方の家に参って、手紙が本当にないのか確かめさせてもらう。万が一、手紙が出てきた場合、私の婚約者に対しての嫌がらせ、そして侮辱罪、脅迫罪、加えて、王家を侮辱した罪もあったな」
「王太子殿下、暫く、お待ちください」
俺は、隣で蒼白な顔色になっている娘の体を揺すった。
「メアリー、きちんと答えなさい。手紙は届いているのだろう?正確に答えなければ、大変な罰が与えられる。ここは間違うな。よく考えて答えなさい」
メアリーはしゃくり上げる。
「本当は届いています。嘘を言ったりして、ごめんなさい」
幼子のような謝罪の仕方に、俺は頭を抱えたくなった。
泣いているが、これは嘘泣きだ。演技をするなら、もう少し上手く演技をしてくれたら、フォローの仕方もあるが、あまりにも滑稽で、王妃様は扇子を広げて、お顔を隠していらっしゃる。
「娘よ、それは泣いているのか?それとも笑っておるのか?涙が出ておらんが」
とうとう、呆れた陛下が、声を発した。
「ひっ!」
メアリーの体が、ビクンと跳ね上がった。
その後は、ブルブルと震えている。
「嘘か本当かどちらだ?」
イグレッシア王子は、どうやらメアリーに対して相当、ご立腹のようだ。
声からもその眼差しからも、怒りがにじみ出ている。
普段より、声が低い。滑舌がいいので、聞き取りにくいことはないが、それがまた恐ろしい。
その上、青い瞳が氷のように鋭くなっている。
「手紙は届きました!」
「では、その手紙にはなんと書いてあった?」
「忘れました」
俺はガクリと力が抜けた。
なんと情けない。カスカータ侯爵家の恥だ。
「では、私から直接申し上げる。私の婚約者のマリアーノは、あなたに会うつもりはない。謝罪とは言えない文のために、謝罪は受けていない。許すも何もない。散々嫌がらせをしたあなたが主催のお茶会は参加しない。理解できたか?」
「はい」
「また手紙が送られてきたら、其方は国外追放にいたす」
「国外追放?今日、もう出してしまったわ」
俺は頭を抱えたくなった。
我が娘ながら、あまりにお粗末で、王太子殿下に言われずとも、侯爵家から追放したくなった。
「では、手紙は其方が受け取り、私と私の伴侶となるマリアーノに見せることなく、自分で持ち帰れ」
「王太子殿下、大変失礼な手紙を出していたようで、私も今知りましたが、恥ずかしく思います。我が娘には、必ず罰を与えます」
俺は王太子殿下に頭を下げると、次に、この騒動に巻き込んだ陛下と王妃様にも頭を下げた。
「カスカータ侯爵、次はないと言ったな?」
陛下の言葉に、俺は背筋が震えた。
「爵位を取り消す。目障りだ、この国から出て行け」
「陛下、それだけはお許しください」
俺は、必死に頭を下げた。
「一週間以内に邸から出て行け。一週間後に邸を焼き払う。さっさと出て行け」
「どうか、お許しを」
王妃殿下が退出されて、陛下も退出された。
残されたイグレッシア殿下に救いを求めるように、見上げるが、「さっさと拾え」と言われるだけであった。
その後、メアリーが書いた手紙を全てかき集め、謁見の間から出た俺たちは、メアリーが書いたという手紙が届くまで、王宮の出入り口に立たせてもらい、手紙を回収した。
なんと四通も書いてあって、俺は娘の顔を睨んだ。
メアリーは肩を窄めただけだった。
現在の状況が理解できているのか、その顔色からは判断できない。
馬車に移動すると、俺は娘の頬を打った。
「お父様は酷いわ」
「どうして、そう問題を起こす?おまえが考えなしだから、お家が取り潰しになったのだ。分かるか?爵位取り消しに国外追放だ。これから、どうして、食べていくつもりだ?」
メアリーは手紙を抱えたまま、俯いた。
「ただ仲直りをして、結果的にライアンが許されたらいいと思ったのよ」
「謝罪なら素直に、謝りなさい。メアリーには素直さはなくなったのか?どうせ、仲直りして、マリアの商品を融通利かせてもらおうとか私欲が紛れていたのだろう?だから、素直に謝れないのだ」
メアリーは、膨れっ面になった。
当たらずといえども遠からずということだろう。
ライアンの名前を出せば、叱られないとでも思ったのかもしれない。
どこで、こんなに捻くれてしまったのか?
情けない。
こんな娘の貰い手のないことが、よく分かった。
世間は、俺よりも娘のことをよく知っているのだ。
だから、釣書も受け取ってもらえず、釣書も来ないのだ。
子供の頃から仲がよかったライアン殿にも見放されてしまったのだ。
この娘のせいで、侯爵でもなくなった。
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