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番外編 クリマ・オペラシオン子爵令嬢 私は華よ
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国葬が始まった。
クリスの側に居られないけれど、それは仕方がない事だと、ラルムは私に話した。
国務中の事故なので、国葬に変わった。
国葬になれば、クリスはまだ騎士団の一人なのだと。
国王陛下と王妃様、イグレッシア王子、キエフシア第二王子も参列している。
国王陛下が、事故で亡くなった騎士団員の名前を呼び、騎士団長が棺の上に、勲章を置いていく。
「大変な事故が起きたことを悲しく思う。犠牲者も無念だったと思う…………」
長い国王陛下のお話が終わると、この国の国歌がラッパで演奏された。
寂しい音だと思った。
イグレッシア王子が私の元にやって来た。
「クリマ、大丈夫か?」
「あまり」
「クリスの事は残念に思う。だが、クリマはまだ若い。直ぐには無理かもしれないが、新しい恋もして欲しい」
イグレッシア王子の手が、私の肩を二度ほど叩いた。
「この後、埋葬が行われる。最後の別れだ。しっかりお別れをするんだよ」
優しいお言葉に、また涙が流れた。
ラルムがクリスの棺の所に連れて行ってくれる。
私は最後にクリスを抱きしめた。
クリスのご両親は何も言わなかった。
ラルムも、クリスを抱きしめた。
子供の頃からの幼馴染みで親友だ。
悲しくないはずがない。
涙を我慢しているだけだ。
勲章は、伯爵様が持ち帰るようだった。
いつの間にか、私が刺した刺繍が広げられていた。それがクリスの胸元を隠している。
棺に花を手向けていく。
これが最後のお別れになるようだ。
順番に棺に蓋が閉められていく。
泣き声が大きくなっていく。
クリスの棺も蓋を閉められた。
もう会えないのね。
棺は一台ずつ馬車に載せられ、王都を巡回してから、騎士団の墓地に埋葬される。
歴代の英雄達と共に眠りにつくのだ。
馬車が巡回している間に、墓地に向かう。
既に棺が入れられるように、穴が掘られている。
馬車が順番に到着して、騎士達が運んでくる。
クリスは、土に埋められてしまった。
石碑までもう準備されていた。
クリスの名前が刻まれている。
ご両親が石碑にしがみついて泣いている。
私とラルムは、その様子を見ているしかない。
もう触れることもできないと思うと寂しかった。
国葬が終り、皆が帰っていく。
クリスのご両親が帰った後に、私はやっと石碑を抱いて泣いた。
これでお別れです。
縁談がなくなった私は、きっと平民に下れと言われるでしょう。
実家に帰るのが怖い。
もうここに来ることもできなくなるかもしれません。
「お嬢さん、そんなに泣いたら、クリスさんは、安心して旅立てませんよ」
不意に声がして、私は顔を上げた。
ラルムは、跪いている。
「そうよ、まだ若いのだから、きっとクリスさんは、貴方の幸せを願っているわ」
突然現れたのは、騎士を伴った陛下と王妃様でした。
「直ぐは無理かもしれないけれど、元気を出しなさい」
陛下は、イグレッシア王子がしたように、私の肩を二度ほど叩いて、王妃様を伴い戻って行かれた。
陛下の近衛騎士が、陛下を護衛している。
陛下と王妃様に声をかけられても、涙は止まらなかった。
やはり石碑に抱きついて、泣いていた。
約束のデートの翌週、ドレス屋から手紙が届いた。
『ご予約のドレスができあがっております』……と。
私はいつもクリスとデートをしていたときに見ていたお店に出向いた。
クリスとのデートの日が受渡日になったルルカの花のような黄色いドレスが仕上がっていた。
頼んだのはクリスだった。
取りに来られないときは、私の元に連絡をして欲しいと伝言まで残していた。
念のために試着してくださいと言われて、私はドレスを試着した。
ぴったりの寸法のウエディングドレスだった。
髪飾りまである。
私はドレスを着たまま泣いていた。
隣に立つクリスがいないのに、ドレスだけ有っても仕方がないのに。
私が欲しいのは、ドレスよりクリスなのに。
クリスの側に居られないけれど、それは仕方がない事だと、ラルムは私に話した。
国務中の事故なので、国葬に変わった。
国葬になれば、クリスはまだ騎士団の一人なのだと。
国王陛下と王妃様、イグレッシア王子、キエフシア第二王子も参列している。
国王陛下が、事故で亡くなった騎士団員の名前を呼び、騎士団長が棺の上に、勲章を置いていく。
「大変な事故が起きたことを悲しく思う。犠牲者も無念だったと思う…………」
長い国王陛下のお話が終わると、この国の国歌がラッパで演奏された。
寂しい音だと思った。
イグレッシア王子が私の元にやって来た。
「クリマ、大丈夫か?」
「あまり」
「クリスの事は残念に思う。だが、クリマはまだ若い。直ぐには無理かもしれないが、新しい恋もして欲しい」
イグレッシア王子の手が、私の肩を二度ほど叩いた。
「この後、埋葬が行われる。最後の別れだ。しっかりお別れをするんだよ」
優しいお言葉に、また涙が流れた。
ラルムがクリスの棺の所に連れて行ってくれる。
私は最後にクリスを抱きしめた。
クリスのご両親は何も言わなかった。
ラルムも、クリスを抱きしめた。
子供の頃からの幼馴染みで親友だ。
悲しくないはずがない。
涙を我慢しているだけだ。
勲章は、伯爵様が持ち帰るようだった。
いつの間にか、私が刺した刺繍が広げられていた。それがクリスの胸元を隠している。
棺に花を手向けていく。
これが最後のお別れになるようだ。
順番に棺に蓋が閉められていく。
泣き声が大きくなっていく。
クリスの棺も蓋を閉められた。
もう会えないのね。
棺は一台ずつ馬車に載せられ、王都を巡回してから、騎士団の墓地に埋葬される。
歴代の英雄達と共に眠りにつくのだ。
馬車が巡回している間に、墓地に向かう。
既に棺が入れられるように、穴が掘られている。
馬車が順番に到着して、騎士達が運んでくる。
クリスは、土に埋められてしまった。
石碑までもう準備されていた。
クリスの名前が刻まれている。
ご両親が石碑にしがみついて泣いている。
私とラルムは、その様子を見ているしかない。
もう触れることもできないと思うと寂しかった。
国葬が終り、皆が帰っていく。
クリスのご両親が帰った後に、私はやっと石碑を抱いて泣いた。
これでお別れです。
縁談がなくなった私は、きっと平民に下れと言われるでしょう。
実家に帰るのが怖い。
もうここに来ることもできなくなるかもしれません。
「お嬢さん、そんなに泣いたら、クリスさんは、安心して旅立てませんよ」
不意に声がして、私は顔を上げた。
ラルムは、跪いている。
「そうよ、まだ若いのだから、きっとクリスさんは、貴方の幸せを願っているわ」
突然現れたのは、騎士を伴った陛下と王妃様でした。
「直ぐは無理かもしれないけれど、元気を出しなさい」
陛下は、イグレッシア王子がしたように、私の肩を二度ほど叩いて、王妃様を伴い戻って行かれた。
陛下の近衛騎士が、陛下を護衛している。
陛下と王妃様に声をかけられても、涙は止まらなかった。
やはり石碑に抱きついて、泣いていた。
約束のデートの翌週、ドレス屋から手紙が届いた。
『ご予約のドレスができあがっております』……と。
私はいつもクリスとデートをしていたときに見ていたお店に出向いた。
クリスとのデートの日が受渡日になったルルカの花のような黄色いドレスが仕上がっていた。
頼んだのはクリスだった。
取りに来られないときは、私の元に連絡をして欲しいと伝言まで残していた。
念のために試着してくださいと言われて、私はドレスを試着した。
ぴったりの寸法のウエディングドレスだった。
髪飾りまである。
私はドレスを着たまま泣いていた。
隣に立つクリスがいないのに、ドレスだけ有っても仕方がないのに。
私が欲しいのは、ドレスよりクリスなのに。
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