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番外編 クリマ・オペラシオン子爵令嬢 私は華よ
7
私は晴れて、侍女に推薦された。
当主様が私を連れて、王都にやってきた。
「マリアーノに侍女を連れてきた。エステの学校で学んだ子だ」
確かに、あの後、一週間ほど、エステの学校で施術の練習をしたが、できるようになっただけだ。決して、上手ではない。
「お父様、ありがとうございます」
白い結婚詐欺事件で有名になった令嬢は、派手やかさのない、どちらかというと儚い令嬢だ。お顔立ちは美しいけれど、身につけているドレスは、正直に言って地味だ。使っている生地は良さそうだが、なんの飾りもない。
令嬢は17歳だと紹介された。
美しい肌をしている。
輝くような白い肌に、美しいお顔立ち。
お手入れはしっかりしているのだと分かる。
私を連れてきた当主様は、大きな箱を幾つか持ってきた。
その中は、全て化粧品のようだ。
「所長から預かってきた」
「お父様、とても助かります」
令嬢の助手は、元は侍女だったらしい。
パーティーで見初められて、結婚をしたという。
そういう出会いもあるようだ。
当主様と令嬢は、打ち合わせをしている。
研究所の所長からの伝言もあるようだ。
邸の令嬢の仕事部屋は、ゆったりと広く、大きな机が置かれていて、書架もあり、見たこともない変わったカバーが掛けられた本のような物がたくさん入っている。
この部屋は、異国のようなイメージを感じる。
この国にないものが、普通に置かれている。
その隣には、化粧品が並べられた棚が置かれている。
全て、お店で扱っている物かもしれない。
口紅の数が、ものすごく多い。
大きめな鏡台も置かれている。その鏡台もあるだけで美しい。
「クリマさん、クリマでいいかしら?」
「勿論、私は使用人でございますから」
男爵家から子爵家に嫁入りか……。
それでも子爵家で王都に別邸を持てるとは、素晴らしい。
実家より、資産の遣り繰りが上手いのだろう。
「私はエリナよ。侍女から助手にして戴いたのよ」
「はい」
エリナの方が年上なのに、肌が美しく、美人だった。
私が一番美しいと思っていたのに。
お化粧って、凄いのね。
「クリマも頑張りなさい」
「はい」
「説明するわ。この部屋の物は勝手に触ってはいけません。お店の契約書などが片付けられています」
「この本のような物は何でしょうか?」
「これは、書類を纏めています。ファイルという紙の書類を纏める物です」
「ファイル」
「お嬢様は、帝国に留学なさっていたので、帝国の品が多くあります」
「なるほど」
納得した。
帝国に留学できるほど、賢いのだろう。
これは、甘く見ていた。
語学は堪能なのだろう。
王太子妃に相応しいわね。
ミッション1は、イグレッシア王子のお茶会の相手を見ることだった。それは叶った。
ミッション2は、ちょっと引っかき回す。
私は当主様が帰宅してから、マイペースに過ごす事にした。
お茶を淹れて欲しいと言われたら、自己流で淹れるし、できない仕事はできないままで、背伸びはしなかった。
時々、わざと失敗した。
マリアーノ様もエリナも、戸惑っていた。
悪口も言われていたかもしれないけれど、どうでもよかった。
マリアーノ様がイグレッシア王子とお茶会をするときも、私は強引について行って、馬車から降りると、イグレッシア王子と学校時代の話をして、マリアーノ様を孤独にさせた。
それこそが目的だった。
これで怒らない女だったら、どこか頭がおかしいだろう。
案の定、マリアーノ様は怒って、一人で帰って行った。
イグレッシア王子は焦っていた。
マリアーノ様を追いかけて行こうとするのを、邪魔するように、馬車に乗り込んだ。
イグレッシア王子は、同じ馬車で行こうとはせずに、新しい馬車を準備して、二台の馬車でマリアーノ様を追いかけた。
さすが王子だ。
同じ馬車で行くなど、婚約者に関係を疑われてもおかしくはない。
その点は大きく評価した。
イグレッシア王子は、門前払いを受けていた。
可哀想に。
イグレッシア王子は何も悪くないのに……。
だから、私が口添えしてあげようとした。
めちゃくちゃ怒らせて、クビになってもいいと思ったのよ。
思った通り、マリアーノ様は苛々して怒っていた。
感情を逆撫でるように、もっと怒らせた。
私はクビになった。
別にクビになったって、元々、仕事はあるもの。
ちょっと長めの休暇を取っていただけですものね。
これで関係が終わるなら、王太子妃などになれやしない。
さあ、イグレッシア王子、仲直りして見せて。
マリアーノ様、イグレッシア王子を許してあげてね。
私は心の中で、応援していた。
どのように関係を戻したのか私は知らない。
どれくらい経ったのか、ラルムがお店に来て、婚約披露宴が行われると教えてくれた。
私には、招待状など届くはずもない。
だから、ラルムに来た招待状でパーティーに参加した。
クリスが私に贈ってくれた黄色いウエディングドレスを着て、ルルカの花のような髪飾りを付けて、私は入場してくる二人を見た。
仲よさそうで、私は微笑んだ。
結婚するなら、どんなトラブルでも乗り越えて欲しかった。
私は大声で叫んだ。
「イグレッシア王子様、婚約おめでとう。早く結婚して、第二夫人として、私を迎えに来て」
うふふ。
素敵なプレゼントよね。
イグレッシア王子は私を見て、不機嫌な顔をしたわ。
すぐに、私は騎士に捕らえられて、パーティー会場から追い出された。
それで、清々した。
「クリマ、いい加減にしないと、処罰されるぞ」
私を叱ったのは、ラルムだ。
ラルムはクリスの家に養子に入ったのだ。
クリスは一人っ子で、家督を継ぐ子が居なかったのだ。
そこで、叔父様は同じ伯爵家で幼馴染みだったラルムに声を掛けたのだ。
ラルムは次男だったから、家督は継げない。だから騎士団に入った。
養子に入る条件として、騎士団は退団して欲しいと言われた。
ラルムは、クリスの代わりに、クリスの家の家督を継いだ。
実は、私はラルムにずっと口説かれていた。
一緒にクリスの家に入ろうと。
その前に、私はやりたいことをやろうと思ったのだ。
私の肩を二度叩いて、私を慰めてくれたイグレッシア王子に、本当の伴侶ができるように見守っていたのだ。
「クリマはお節介だよ。あの二人は仲がいいって有名になるほどだったのに」
「悪い噂もあったわ」
私はクスクス笑う。
私を睨んだイグレッシア王子の顔を思い出すと、笑いが止まらない。
「それで、そろそろ結婚してくれるだろう?」
「クリスの家を一緒に守らせて。もう心残りはないわ」
「俺はずっとヒヤヒヤしていたよ」
昔、クリスと歩いたように、ラルムと手を繋ぐ。
そのままクリスの家に向かう。
叔父様と叔母様に、きちんと挨拶に向かうのだ。
きっとクリスも喜んでくれると思う。
ウエディングドレスで挨拶に向かった私達を見て、叔父様と叔母様は微笑んでくれた。
「クリスの家を一緒に守らせてください」
私は深く頭を下げた。
「クリマさん、クリスじゃないけれどいいの?」
「クリスの居ない時間を俺たちは、一緒に乗り越えてきたんだ。どうか、一緒になることを許して欲しい」
ラルムは私と一緒に頭を下げてくれた。
「許します」
「お義父様ありがとうございます」
ラルムは頭を下げる。
私も一緒に頭を下げた。
「すぐにでも、結婚式を挙げられそうね?」
「はい、クリスが贈ってくれたドレスです」
私はドレスがよく見えるように、くるりと一周回った。
「クリスらしいドレスだわ。まるでルルカの花のようだわ」
「すぐに式を挙げよう。クリマさんの実家にも手紙を書こう」
「お願いします」
私は、クリスの住んだ家でラルムと一緒に暮らすようになった。
今でも、テーブルのクリスの席には、ルルカの花が供えられている。
結婚の許可が下りてから三ヶ月後、私は正式にラルムと結婚した。
新しく家族になったクリスのご両親と、ラルムと一緒にクリスを思い出しながら、昔話もする。
クリスのお陰で、寄せ集まった家族だけれど、私はラルムの妻としても生きている。
一緒に領地管理もしている。
いつかクリスとしようとして学んでいたことが、生かされている。
私はクリスを好きなまま、ラルムも愛している。
ラルムへの刺繍も刺し始めた。
辛かった日々を乗り越えて、今は、こんな結婚もあってもいいと思えるようになった。
fin
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
番外編 クリマ・オペラシオン子爵令嬢 私は華よ
これにて、完結です。
貴族学校の話から始まりました。
クリマは、学校時代に好きだったクリスと結婚を前提にお付き合いをしていた。
そのクリマは、橋の崩落事故で、最愛の婚約者を亡くしてしまう。
一番悲しかった時に、一緒に居てくれたラルムとは、クリスを亡くした悲しみを一緒に乗り越えていきます。
クリマは、学校時代もクリスが亡くなった時も励ましてくれたイグレッシア王子に感謝しています。
いろんな噂を立てられているイグレッシア王子の恋人の顔を見てみたい。本当にイグレッシア王子に相応しいか確かめたい。
そんな思いを込めて、マリアーノ侍女になりました。
クリマは知恵が回るので、マリアーノの父親も騙してしまいます。
クリマに翻弄されたマリアーノは可哀想でしたけれど、クリマのお陰で、素直にイグレッシア王子との仲を前進させることができたのかな?
振り回されたイグレッシア王子は、冷や汗ものだったでしょう。
本文を書いているときに、裏設定まで浮かんできたので、クリマの話も書きたくなりました。
如何でしたでしょうか?
これにて、『安心してください。わたしも貴方を愛していません』完結致します。
最後までお付き合いくださった皆様、ありがとうございます。
楽しく書かせていただきました。
本編の最終話を投稿した後に、かなりの数のお気に入り登録者が減りました。
私の書き方が悪かったのか?
それとも内容をよく把握されずに、深く読まずに、上辺だけしか読まれていないのか?かなり悩みました。
2022/06/06に全文章を読み返し、改稿もしました。
後書きも書き加えました。
感想欄に、私が本当に伝えたかった事を的確に書いてくださった方がいて、すごく嬉しかったです。
最後までお付き合いしてくださった方は、私が伝えたかった事を理解してくださった方だと信じております。
メアリーの話を解放したあとに、またお気に入りの数がまた激減しました。
最終的に約400名ほど減りました。
メアリーの話は罰として書いていないので、この地区に連続殺人事件の犯人が潜伏しているのだと。
メアリーが生んだ子で、いずれ書きたいと思い、生まれの経緯を知った読者様がいたらいいかもしれないと思い書いた物です。
メアリーが生んだメアリーの話を書くときは、この経緯などは書かないつもりなので、裏設定になってきます。
感想などありましたら、お気軽にお書きください。
また、どこかで見かけたら、新作も読んでみてください。
新作は書いているのですが、仕上がりませんでした……。
次作も白い結婚関係の話です。
今度は違った白い結婚になる予定です。
白い結婚がマイブームなのです。
私は完結させてから投稿するので、題名も書けません。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。m(_ _)m
当主様が私を連れて、王都にやってきた。
「マリアーノに侍女を連れてきた。エステの学校で学んだ子だ」
確かに、あの後、一週間ほど、エステの学校で施術の練習をしたが、できるようになっただけだ。決して、上手ではない。
「お父様、ありがとうございます」
白い結婚詐欺事件で有名になった令嬢は、派手やかさのない、どちらかというと儚い令嬢だ。お顔立ちは美しいけれど、身につけているドレスは、正直に言って地味だ。使っている生地は良さそうだが、なんの飾りもない。
令嬢は17歳だと紹介された。
美しい肌をしている。
輝くような白い肌に、美しいお顔立ち。
お手入れはしっかりしているのだと分かる。
私を連れてきた当主様は、大きな箱を幾つか持ってきた。
その中は、全て化粧品のようだ。
「所長から預かってきた」
「お父様、とても助かります」
令嬢の助手は、元は侍女だったらしい。
パーティーで見初められて、結婚をしたという。
そういう出会いもあるようだ。
当主様と令嬢は、打ち合わせをしている。
研究所の所長からの伝言もあるようだ。
邸の令嬢の仕事部屋は、ゆったりと広く、大きな机が置かれていて、書架もあり、見たこともない変わったカバーが掛けられた本のような物がたくさん入っている。
この部屋は、異国のようなイメージを感じる。
この国にないものが、普通に置かれている。
その隣には、化粧品が並べられた棚が置かれている。
全て、お店で扱っている物かもしれない。
口紅の数が、ものすごく多い。
大きめな鏡台も置かれている。その鏡台もあるだけで美しい。
「クリマさん、クリマでいいかしら?」
「勿論、私は使用人でございますから」
男爵家から子爵家に嫁入りか……。
それでも子爵家で王都に別邸を持てるとは、素晴らしい。
実家より、資産の遣り繰りが上手いのだろう。
「私はエリナよ。侍女から助手にして戴いたのよ」
「はい」
エリナの方が年上なのに、肌が美しく、美人だった。
私が一番美しいと思っていたのに。
お化粧って、凄いのね。
「クリマも頑張りなさい」
「はい」
「説明するわ。この部屋の物は勝手に触ってはいけません。お店の契約書などが片付けられています」
「この本のような物は何でしょうか?」
「これは、書類を纏めています。ファイルという紙の書類を纏める物です」
「ファイル」
「お嬢様は、帝国に留学なさっていたので、帝国の品が多くあります」
「なるほど」
納得した。
帝国に留学できるほど、賢いのだろう。
これは、甘く見ていた。
語学は堪能なのだろう。
王太子妃に相応しいわね。
ミッション1は、イグレッシア王子のお茶会の相手を見ることだった。それは叶った。
ミッション2は、ちょっと引っかき回す。
私は当主様が帰宅してから、マイペースに過ごす事にした。
お茶を淹れて欲しいと言われたら、自己流で淹れるし、できない仕事はできないままで、背伸びはしなかった。
時々、わざと失敗した。
マリアーノ様もエリナも、戸惑っていた。
悪口も言われていたかもしれないけれど、どうでもよかった。
マリアーノ様がイグレッシア王子とお茶会をするときも、私は強引について行って、馬車から降りると、イグレッシア王子と学校時代の話をして、マリアーノ様を孤独にさせた。
それこそが目的だった。
これで怒らない女だったら、どこか頭がおかしいだろう。
案の定、マリアーノ様は怒って、一人で帰って行った。
イグレッシア王子は焦っていた。
マリアーノ様を追いかけて行こうとするのを、邪魔するように、馬車に乗り込んだ。
イグレッシア王子は、同じ馬車で行こうとはせずに、新しい馬車を準備して、二台の馬車でマリアーノ様を追いかけた。
さすが王子だ。
同じ馬車で行くなど、婚約者に関係を疑われてもおかしくはない。
その点は大きく評価した。
イグレッシア王子は、門前払いを受けていた。
可哀想に。
イグレッシア王子は何も悪くないのに……。
だから、私が口添えしてあげようとした。
めちゃくちゃ怒らせて、クビになってもいいと思ったのよ。
思った通り、マリアーノ様は苛々して怒っていた。
感情を逆撫でるように、もっと怒らせた。
私はクビになった。
別にクビになったって、元々、仕事はあるもの。
ちょっと長めの休暇を取っていただけですものね。
これで関係が終わるなら、王太子妃などになれやしない。
さあ、イグレッシア王子、仲直りして見せて。
マリアーノ様、イグレッシア王子を許してあげてね。
私は心の中で、応援していた。
どのように関係を戻したのか私は知らない。
どれくらい経ったのか、ラルムがお店に来て、婚約披露宴が行われると教えてくれた。
私には、招待状など届くはずもない。
だから、ラルムに来た招待状でパーティーに参加した。
クリスが私に贈ってくれた黄色いウエディングドレスを着て、ルルカの花のような髪飾りを付けて、私は入場してくる二人を見た。
仲よさそうで、私は微笑んだ。
結婚するなら、どんなトラブルでも乗り越えて欲しかった。
私は大声で叫んだ。
「イグレッシア王子様、婚約おめでとう。早く結婚して、第二夫人として、私を迎えに来て」
うふふ。
素敵なプレゼントよね。
イグレッシア王子は私を見て、不機嫌な顔をしたわ。
すぐに、私は騎士に捕らえられて、パーティー会場から追い出された。
それで、清々した。
「クリマ、いい加減にしないと、処罰されるぞ」
私を叱ったのは、ラルムだ。
ラルムはクリスの家に養子に入ったのだ。
クリスは一人っ子で、家督を継ぐ子が居なかったのだ。
そこで、叔父様は同じ伯爵家で幼馴染みだったラルムに声を掛けたのだ。
ラルムは次男だったから、家督は継げない。だから騎士団に入った。
養子に入る条件として、騎士団は退団して欲しいと言われた。
ラルムは、クリスの代わりに、クリスの家の家督を継いだ。
実は、私はラルムにずっと口説かれていた。
一緒にクリスの家に入ろうと。
その前に、私はやりたいことをやろうと思ったのだ。
私の肩を二度叩いて、私を慰めてくれたイグレッシア王子に、本当の伴侶ができるように見守っていたのだ。
「クリマはお節介だよ。あの二人は仲がいいって有名になるほどだったのに」
「悪い噂もあったわ」
私はクスクス笑う。
私を睨んだイグレッシア王子の顔を思い出すと、笑いが止まらない。
「それで、そろそろ結婚してくれるだろう?」
「クリスの家を一緒に守らせて。もう心残りはないわ」
「俺はずっとヒヤヒヤしていたよ」
昔、クリスと歩いたように、ラルムと手を繋ぐ。
そのままクリスの家に向かう。
叔父様と叔母様に、きちんと挨拶に向かうのだ。
きっとクリスも喜んでくれると思う。
ウエディングドレスで挨拶に向かった私達を見て、叔父様と叔母様は微笑んでくれた。
「クリスの家を一緒に守らせてください」
私は深く頭を下げた。
「クリマさん、クリスじゃないけれどいいの?」
「クリスの居ない時間を俺たちは、一緒に乗り越えてきたんだ。どうか、一緒になることを許して欲しい」
ラルムは私と一緒に頭を下げてくれた。
「許します」
「お義父様ありがとうございます」
ラルムは頭を下げる。
私も一緒に頭を下げた。
「すぐにでも、結婚式を挙げられそうね?」
「はい、クリスが贈ってくれたドレスです」
私はドレスがよく見えるように、くるりと一周回った。
「クリスらしいドレスだわ。まるでルルカの花のようだわ」
「すぐに式を挙げよう。クリマさんの実家にも手紙を書こう」
「お願いします」
私は、クリスの住んだ家でラルムと一緒に暮らすようになった。
今でも、テーブルのクリスの席には、ルルカの花が供えられている。
結婚の許可が下りてから三ヶ月後、私は正式にラルムと結婚した。
新しく家族になったクリスのご両親と、ラルムと一緒にクリスを思い出しながら、昔話もする。
クリスのお陰で、寄せ集まった家族だけれど、私はラルムの妻としても生きている。
一緒に領地管理もしている。
いつかクリスとしようとして学んでいたことが、生かされている。
私はクリスを好きなまま、ラルムも愛している。
ラルムへの刺繍も刺し始めた。
辛かった日々を乗り越えて、今は、こんな結婚もあってもいいと思えるようになった。
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番外編 クリマ・オペラシオン子爵令嬢 私は華よ
これにて、完結です。
貴族学校の話から始まりました。
クリマは、学校時代に好きだったクリスと結婚を前提にお付き合いをしていた。
そのクリマは、橋の崩落事故で、最愛の婚約者を亡くしてしまう。
一番悲しかった時に、一緒に居てくれたラルムとは、クリスを亡くした悲しみを一緒に乗り越えていきます。
クリマは、学校時代もクリスが亡くなった時も励ましてくれたイグレッシア王子に感謝しています。
いろんな噂を立てられているイグレッシア王子の恋人の顔を見てみたい。本当にイグレッシア王子に相応しいか確かめたい。
そんな思いを込めて、マリアーノ侍女になりました。
クリマは知恵が回るので、マリアーノの父親も騙してしまいます。
クリマに翻弄されたマリアーノは可哀想でしたけれど、クリマのお陰で、素直にイグレッシア王子との仲を前進させることができたのかな?
振り回されたイグレッシア王子は、冷や汗ものだったでしょう。
本文を書いているときに、裏設定まで浮かんできたので、クリマの話も書きたくなりました。
如何でしたでしょうか?
これにて、『安心してください。わたしも貴方を愛していません』完結致します。
最後までお付き合いくださった皆様、ありがとうございます。
楽しく書かせていただきました。
本編の最終話を投稿した後に、かなりの数のお気に入り登録者が減りました。
私の書き方が悪かったのか?
それとも内容をよく把握されずに、深く読まずに、上辺だけしか読まれていないのか?かなり悩みました。
2022/06/06に全文章を読み返し、改稿もしました。
後書きも書き加えました。
感想欄に、私が本当に伝えたかった事を的確に書いてくださった方がいて、すごく嬉しかったです。
最後までお付き合いしてくださった方は、私が伝えたかった事を理解してくださった方だと信じております。
メアリーの話を解放したあとに、またお気に入りの数がまた激減しました。
最終的に約400名ほど減りました。
メアリーの話は罰として書いていないので、この地区に連続殺人事件の犯人が潜伏しているのだと。
メアリーが生んだ子で、いずれ書きたいと思い、生まれの経緯を知った読者様がいたらいいかもしれないと思い書いた物です。
メアリーが生んだメアリーの話を書くときは、この経緯などは書かないつもりなので、裏設定になってきます。
感想などありましたら、お気軽にお書きください。
また、どこかで見かけたら、新作も読んでみてください。
新作は書いているのですが、仕上がりませんでした……。
次作も白い結婚関係の話です。
今度は違った白い結婚になる予定です。
白い結婚がマイブームなのです。
私は完結させてから投稿するので、題名も書けません。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。m(_ _)m
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最後の話は、クルマの悪戯のお話です。
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そして、やはりオピタル国の元侯爵であり、娘のやらかしで爵位剥奪の上、国外追放をされたカスカータ一家のその後のこと。
王都に出稼ぎ?に行った兄夫婦の思いとその後の生活のこと。
そして何より、メアリー・カスカータ元侯爵令嬢の産んだ娘のメアリーのこと。
赤毛と、カスカータ一族の印であるグリーンの瞳をもつ赤子。
隠居した元伯爵ペルルお爺さんの息子夫婦に養女としてもらわれ、インコンシェ王国の伯爵令嬢となった「メアリー」
陵辱のうえ生まれた、元カスカータ侯爵令嬢の娘「メアリー」の実の父親オグルは冷酷非道な殺人鬼。
その冷酷非道な殺人鬼の一家、トイフェ子爵家の者達。
当主ダイモン、その妻デモネ。娘アンヘル。そして嫡男のオグル。
オグル・トイフェ子爵令息は、既に何人も女性を殺しているようだし、アンヘル嬢も同罪かもだし。
インコンシェ王国にそろった元オピタル国の人々と、王国の人々。
因果が絡まり、ドロドロなことになりそうな気がするのです!
続編としてでなくても良いので、インテレッサ元侯爵一家とカスカータ元侯爵一家のその後を、インコンシェ王国内でのお話しとして読んでみたいです!!
感想ではなく、お願いとなってしまいました💦
糺の森の青楓様へ
読み直して下ってありがとうございます。
ほとんどの皆さんは、毎日読むか、纏めて読むかして一読して終わる方が多いので、作者が込めた思いまではくみ取ってくださらないので、二度でも読んでくださる方は貴重です。
インテレッサ元公爵令息はインコンシェ王国の貴族を殺して、名前を偽っていますが、多分、捜索が出されていると思います。
メアリーの子、メアリーのお話は、あまりに評判が悪かったので、草案はあるのですが、書いても読んでくれる方がいるのかしらと思い、寝かしております。
今回、リクエストを頂いたので、文章にしてみてもいいかもしれませんね。
ありがとうございます。m(_ _)m
tente様へ
クリマ編、コメントありがとうございます。
イグレッシア王子は、きっと今まで知っているクリマの姿に驚いたでしょう。
クリマは最初から、イグレッシア王子の婚約者の顔見る目的、なかなか進展しない恋愛にモヤモヤしていました。なので、ちょっと引っかき回すつもりで乗り込んで行っています。
(学校のノリのまま)
イグレッシア王子は学校を出ていないことを気にしていたマリアーノに、学校での楽しい話はできるだけ聞かせたくないと思うのです。
いつもは淑やかだったクリマの豹変に驚いたイグレッシア王子は、宥めようとしても会ってももらえない状態だったので、本編の通りに進んで行くのです。
本当は不敬にあたる……なので、ラルムはヒヤヒヤしながら、クリマの様子を見ていたと思います。
クリマは学校でも人気があったので、ラルムと結婚して伯爵夫人になっても社交界でうまくやっていけると思います。
パーティーなどで、クリマとマリアーノがばったり顔を合わせたときに、イグレッシア王子がうまく立ち回ってくれることを願っています。
その辺りも番外編で書けばよかったかなと、思ったりしました。m(_ _)m