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2 高校に行けるんですか?
10 花姫の生る木
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「みのり」
「はい」
裸で龍之介のあぐらの上にいると、龍之介がみのりを呼んだ。
「唯に着物を、散歩に出かける」
「はい」
「唯、立てるな?」
「はい、龍之介様」
唯の脇を持ち、抱き上げるようにして唯を立たせた。
みのりは淡々と最近贈られた着物を取り出してきた。
「唯様、失礼します」
鮮やかな花柄のピンクの単衣の着物に赤い帯を着けて、繊細で透けるピンクの羽織を羽織った。
「行ってらっしゃいませ」
みのりは深く頭を下げる。
「草履は預かるよ」
達樹の手から、龍之介は草履を取ると、袂の中にしまった。
しまったはずなのに、袂には何も入ってない。唯に触れる袂は柔らかく、何かが入っているようには見えない。
「龍之介様、草履を隠したんですね」
「その通りだよ」
龍之介は唯の手を取ると、自分の袂を触らせる。
「魔術みたい」
「魔術かな」
ひょいと唯を横抱きにすると、ぴょんと何かを飛び越えるように飛んだ。
下りた場所は、万年桜の下だった。
「わぁ、ずっとここに来てみたかったの」
大きな幹に大きな枝が張りだして、薄いピンクの花をいっぱいに付けている。
両手を上げて花に触れようとしても触れることはできない。それほど大きな木だ。
「触ってみたいのか?」
「ううん。高さを見ただけ」
「ここは神聖な場所だから、俺以外は入れない」
「そんなところに私を入れてもいいの?」
「唯に見せたいものがあるんだ」
龍之介は唯の手を取り、手を引いていく。
知らぬ間に足には草履を履いていた。
唯は、その不思議さに微笑む。
背丈は龍之介の背丈と変わらない木の前に連れてこられた。
「これは何の木?」
「この木は花姫が生る木だ」
「私はこの木から生まれたの?」
「そうだよ」
「今は生ってないのね?」
唯は木の回りを覗き込むように見る。
「俺が妻をと望んだ時、一年をかけて、実を生らす」
「生まれる花姫は一人だけ?」
「そう、願った翌年、やっと花姫が一人生まれる。生まれ落ちたとき、俺が名付ける。普通の花姫は白い花を付けるが、唯はピンクの花を付けて、蕾の時から霊気を放っていた。屋敷の周りや山に花が咲き乱れて始めた。俺の唯一人の花嫁だと決めて唯と名付けた」
「花を付けたときから、花嫁と決めていたの?変な花姫だったらどうするつもりだったの?」
唯はクスクスと笑う。
「俺は神だ。見ていればわかる」
「選んでくれてありがとう」
「16年育つのを待つのが、待ち遠しかった」
唯は幸せそうに微笑む。
「もう花嫁を願わないの?」
「俺には唯がいる」
「……龍之介様」
優しく抱きしめられて、口づけを交わす。
「今夜はここに泊まっていくといい」
ぴょんと跳び越えられて連れてこられたのは、地下神殿のような建物の中だった。
広い空間の中で、龍之介は青龍の姿に戻った。
唯は口をぽっかり開けて、その美しい神獣を見つめた。
「怖くはないか?」
「はい、龍之介様ですよね」
「そうだ。俺の腕の中で眠れ」
「はい」
唯は大きな神獣の腕に登ろうとしたが、手が届かなくて上がれなかった。
すっと爪のある手が唯を掬い上げた。
「龍之介様、背中に赤い傷があります」
「唯のための鱗を抜いた痕だ。痛くはないぞ」
「癒やしてもいいですか?」
「唯の霊気が減ってしまう」
「龍之介様が、また注いでくだされば治ります」
唯は青龍の背中によじ登ると、手を翳して、治れ、治れと念じる。
傷が癒えて、新しい鱗が生えてきた。
「とても綺麗な鱗です」
「唯、それ以上は止めなさい」
ポトンと腕の中に唯が落ちてきた。
「無理をしおって」
唯の霊気は半分を切っていた。
腕の中で気を失っている。
腕で唯を抱きしめて、霊気を送っていく。
唯はそのまますやすやと眠り始めた。
「はい」
裸で龍之介のあぐらの上にいると、龍之介がみのりを呼んだ。
「唯に着物を、散歩に出かける」
「はい」
「唯、立てるな?」
「はい、龍之介様」
唯の脇を持ち、抱き上げるようにして唯を立たせた。
みのりは淡々と最近贈られた着物を取り出してきた。
「唯様、失礼します」
鮮やかな花柄のピンクの単衣の着物に赤い帯を着けて、繊細で透けるピンクの羽織を羽織った。
「行ってらっしゃいませ」
みのりは深く頭を下げる。
「草履は預かるよ」
達樹の手から、龍之介は草履を取ると、袂の中にしまった。
しまったはずなのに、袂には何も入ってない。唯に触れる袂は柔らかく、何かが入っているようには見えない。
「龍之介様、草履を隠したんですね」
「その通りだよ」
龍之介は唯の手を取ると、自分の袂を触らせる。
「魔術みたい」
「魔術かな」
ひょいと唯を横抱きにすると、ぴょんと何かを飛び越えるように飛んだ。
下りた場所は、万年桜の下だった。
「わぁ、ずっとここに来てみたかったの」
大きな幹に大きな枝が張りだして、薄いピンクの花をいっぱいに付けている。
両手を上げて花に触れようとしても触れることはできない。それほど大きな木だ。
「触ってみたいのか?」
「ううん。高さを見ただけ」
「ここは神聖な場所だから、俺以外は入れない」
「そんなところに私を入れてもいいの?」
「唯に見せたいものがあるんだ」
龍之介は唯の手を取り、手を引いていく。
知らぬ間に足には草履を履いていた。
唯は、その不思議さに微笑む。
背丈は龍之介の背丈と変わらない木の前に連れてこられた。
「これは何の木?」
「この木は花姫が生る木だ」
「私はこの木から生まれたの?」
「そうだよ」
「今は生ってないのね?」
唯は木の回りを覗き込むように見る。
「俺が妻をと望んだ時、一年をかけて、実を生らす」
「生まれる花姫は一人だけ?」
「そう、願った翌年、やっと花姫が一人生まれる。生まれ落ちたとき、俺が名付ける。普通の花姫は白い花を付けるが、唯はピンクの花を付けて、蕾の時から霊気を放っていた。屋敷の周りや山に花が咲き乱れて始めた。俺の唯一人の花嫁だと決めて唯と名付けた」
「花を付けたときから、花嫁と決めていたの?変な花姫だったらどうするつもりだったの?」
唯はクスクスと笑う。
「俺は神だ。見ていればわかる」
「選んでくれてありがとう」
「16年育つのを待つのが、待ち遠しかった」
唯は幸せそうに微笑む。
「もう花嫁を願わないの?」
「俺には唯がいる」
「……龍之介様」
優しく抱きしめられて、口づけを交わす。
「今夜はここに泊まっていくといい」
ぴょんと跳び越えられて連れてこられたのは、地下神殿のような建物の中だった。
広い空間の中で、龍之介は青龍の姿に戻った。
唯は口をぽっかり開けて、その美しい神獣を見つめた。
「怖くはないか?」
「はい、龍之介様ですよね」
「そうだ。俺の腕の中で眠れ」
「はい」
唯は大きな神獣の腕に登ろうとしたが、手が届かなくて上がれなかった。
すっと爪のある手が唯を掬い上げた。
「龍之介様、背中に赤い傷があります」
「唯のための鱗を抜いた痕だ。痛くはないぞ」
「癒やしてもいいですか?」
「唯の霊気が減ってしまう」
「龍之介様が、また注いでくだされば治ります」
唯は青龍の背中によじ登ると、手を翳して、治れ、治れと念じる。
傷が癒えて、新しい鱗が生えてきた。
「とても綺麗な鱗です」
「唯、それ以上は止めなさい」
ポトンと腕の中に唯が落ちてきた。
「無理をしおって」
唯の霊気は半分を切っていた。
腕の中で気を失っている。
腕で唯を抱きしめて、霊気を送っていく。
唯はそのまますやすやと眠り始めた。
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