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7 龍之介様と結婚します
2 龍之介の両親
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唯の部屋に戻ると、お客が来ていた。
達樹とみのりが、お茶を出したり軽食の準備をしたりしていた。
「父上、母上、こんな時間になんの用だ」
龍之介に手を引かれて、部屋に入った唯は畳に跪き頭を下げた。
「披露宴では声をかける時間がなかったからな」
「日を改めてくれ。唯が疲れている」
龍之介の態度が、いつもの龍之介らしくない。
まるで憎んでいるような態度に、唯は龍之介の手を掴んだ。
「龍之介様、ご紹介ください」
眉を顰めた龍之介は、「父と母だ」と簡単に教えてくれる。
「唯と申します。これからよろしくお願いします」
唯は深く頭を下げた。
「唯さん、記憶が残っていると聞いていましたが」
「すみません。すべて覚えているわけではないのです」
「……そうなのね」
龍之介の母親は寂しそうに微笑んだ。
「父の龍太郎と母の姫奈だ。前世では息子の龍磨が酷いことをしてすまなかった」
「もう終わったことです。今の私は幸せです」
「決して許される事ではない。今度こそ、私たちも唯さんを守ります」
「お願いします」
116年前の龍磨がしたことは、許されるようなことではなかった。
どこかで龍磨が生きているなら、助けてくれる人は一人でも多い方がいい。
「私、もう死にたくないんです。龍之介様とずっと一緒にいたい」
龍之介の両親は頷いた。
「龍之介と共に、守らせてくれ」
「龍磨の行方はわかったのですか?」
「すまない。気配を消しておる」
龍之介は眉を顰める。
唯の前では見せない顔だ。
テーブルの上に美しい料理が並べられていく。
披露宴の間、唯は食事をしなかった。
「唯、食事をしなさい。みのり、打ち掛けを脱がせてあげなさい」
唯の脇に控えていたみのりは、唯の手を取ると、襖の向こうに連れて行く。
「みのり、龍之介様はご両親にあんなに冷たいの?」
「前世で唯様を亡くしてから、二人の関係は悪くなりました。龍磨様が眠りから覚めたとき、逃がしてしまったので」
唯は頷いた。
「さあ、着替えましょう」
打ち掛けを脱がされ、披露宴の派手やかな着物を脱がされると、普段の着物に着替える。
凝った髪型は崩されて、一つに結ばれ、みのりの手作りのリボンで結ぶ。
派手な化粧も落としてしまいたいが、来客中なので、唯はそのまま襖を開けて、龍之介の隣に座った。
「披露宴の食事を取っておいてもらったから、食べなさい」
龍之介の両親の前で食べていいのか迷っていると、龍太郎が「食べなさい」と言ってくれた。
「すみません、いただきます」
唯は披露宴の料理を食べ始めて、頬が緩んでいく。
「おいしい」
色鮮やかで華やかな料理は、目で見て楽しめて、口にして美味しい。
幸せな顔をする唯を見て、怒っていた龍之介の顔が穏やかになっていく。
「お酒も飲むか?」
みのりが御神酒を持ってくる。
杯に少し注ぐと、龍之介は唯の口元に持っていく。
「お酒、飲んだことがありません」
「お祝い事だから、少し口にするだけでいい」
「はい」
龍之介から杯を受け取ると、少し入れられたお酒を飲んだ。
「甘いんですね。なんだか、頬が火照ってきます」
唯はニコニコと微笑む。
達樹とみのりは、龍太郎と姫奈にもお酒を出した。
「どうぞ、簡単なものしかありませんが」
みのりは奥のキッチンで酒の肴になる簡単な料理を作るとテーブルに並べて、二人に勧めた。
「いただくよ」
「美味しそうね」
龍太郎と姫奈は箸を取ると、祝いの料理を食べながら、酒を飲む。
龍太郎は龍之介の杯にお酒を注ぐ。
「唯さんも飲むか?」
「少しだけ」
龍太郎は唯の杯にお酒を注いだ。
頬を赤らめた唯は、前世と変わらず美しく、愛らしい。
おとなしく礼儀正しい。
今生では幸せにしてあげたいと思っている。
「お祝いの品を持ってきたのよ」
姫奈が風呂敷包みから、小さな箱を取り出した。
「ありがとうございます」
唯は受け取ると、龍之介を見上げる。
「開けてみなさい」
「はい」
包みを開けると、花のついたかんざしだった。
「綺麗、お花は宝石ですか?」
「私が龍太郎さんのお母様にいただいた物です。古い物をプレゼントされると幸せになれるそうです」
「そんなに大切な物を私が持っていてもいいのですか?」
「以前はわたす前に事件が起きてしまったので。お守りのつもりです」
唯はかんざしを持ったまま、頭を下げた。
「大切にします」
姫奈はホッとしたように微笑んだ。
「受け取ってもらえるか、心配だったんです」
年齢不詳の龍之介の両親と龍之介は、唯の微笑みを見て一緒に微笑んでいた。
達樹とみのりが、お茶を出したり軽食の準備をしたりしていた。
「父上、母上、こんな時間になんの用だ」
龍之介に手を引かれて、部屋に入った唯は畳に跪き頭を下げた。
「披露宴では声をかける時間がなかったからな」
「日を改めてくれ。唯が疲れている」
龍之介の態度が、いつもの龍之介らしくない。
まるで憎んでいるような態度に、唯は龍之介の手を掴んだ。
「龍之介様、ご紹介ください」
眉を顰めた龍之介は、「父と母だ」と簡単に教えてくれる。
「唯と申します。これからよろしくお願いします」
唯は深く頭を下げた。
「唯さん、記憶が残っていると聞いていましたが」
「すみません。すべて覚えているわけではないのです」
「……そうなのね」
龍之介の母親は寂しそうに微笑んだ。
「父の龍太郎と母の姫奈だ。前世では息子の龍磨が酷いことをしてすまなかった」
「もう終わったことです。今の私は幸せです」
「決して許される事ではない。今度こそ、私たちも唯さんを守ります」
「お願いします」
116年前の龍磨がしたことは、許されるようなことではなかった。
どこかで龍磨が生きているなら、助けてくれる人は一人でも多い方がいい。
「私、もう死にたくないんです。龍之介様とずっと一緒にいたい」
龍之介の両親は頷いた。
「龍之介と共に、守らせてくれ」
「龍磨の行方はわかったのですか?」
「すまない。気配を消しておる」
龍之介は眉を顰める。
唯の前では見せない顔だ。
テーブルの上に美しい料理が並べられていく。
披露宴の間、唯は食事をしなかった。
「唯、食事をしなさい。みのり、打ち掛けを脱がせてあげなさい」
唯の脇に控えていたみのりは、唯の手を取ると、襖の向こうに連れて行く。
「みのり、龍之介様はご両親にあんなに冷たいの?」
「前世で唯様を亡くしてから、二人の関係は悪くなりました。龍磨様が眠りから覚めたとき、逃がしてしまったので」
唯は頷いた。
「さあ、着替えましょう」
打ち掛けを脱がされ、披露宴の派手やかな着物を脱がされると、普段の着物に着替える。
凝った髪型は崩されて、一つに結ばれ、みのりの手作りのリボンで結ぶ。
派手な化粧も落としてしまいたいが、来客中なので、唯はそのまま襖を開けて、龍之介の隣に座った。
「披露宴の食事を取っておいてもらったから、食べなさい」
龍之介の両親の前で食べていいのか迷っていると、龍太郎が「食べなさい」と言ってくれた。
「すみません、いただきます」
唯は披露宴の料理を食べ始めて、頬が緩んでいく。
「おいしい」
色鮮やかで華やかな料理は、目で見て楽しめて、口にして美味しい。
幸せな顔をする唯を見て、怒っていた龍之介の顔が穏やかになっていく。
「お酒も飲むか?」
みのりが御神酒を持ってくる。
杯に少し注ぐと、龍之介は唯の口元に持っていく。
「お酒、飲んだことがありません」
「お祝い事だから、少し口にするだけでいい」
「はい」
龍之介から杯を受け取ると、少し入れられたお酒を飲んだ。
「甘いんですね。なんだか、頬が火照ってきます」
唯はニコニコと微笑む。
達樹とみのりは、龍太郎と姫奈にもお酒を出した。
「どうぞ、簡単なものしかありませんが」
みのりは奥のキッチンで酒の肴になる簡単な料理を作るとテーブルに並べて、二人に勧めた。
「いただくよ」
「美味しそうね」
龍太郎と姫奈は箸を取ると、祝いの料理を食べながら、酒を飲む。
龍太郎は龍之介の杯にお酒を注ぐ。
「唯さんも飲むか?」
「少しだけ」
龍太郎は唯の杯にお酒を注いだ。
頬を赤らめた唯は、前世と変わらず美しく、愛らしい。
おとなしく礼儀正しい。
今生では幸せにしてあげたいと思っている。
「お祝いの品を持ってきたのよ」
姫奈が風呂敷包みから、小さな箱を取り出した。
「ありがとうございます」
唯は受け取ると、龍之介を見上げる。
「開けてみなさい」
「はい」
包みを開けると、花のついたかんざしだった。
「綺麗、お花は宝石ですか?」
「私が龍太郎さんのお母様にいただいた物です。古い物をプレゼントされると幸せになれるそうです」
「そんなに大切な物を私が持っていてもいいのですか?」
「以前はわたす前に事件が起きてしまったので。お守りのつもりです」
唯はかんざしを持ったまま、頭を下げた。
「大切にします」
姫奈はホッとしたように微笑んだ。
「受け取ってもらえるか、心配だったんです」
年齢不詳の龍之介の両親と龍之介は、唯の微笑みを見て一緒に微笑んでいた。
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