花姫だという私は青龍様と結婚します

綾月百花   

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8   花姫たちが襲われています

2   小花の新婚生活

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 やっと旦那様を受け入れられるようになった小花は、妊娠した。

 小花の旦那様は若い青龍で、名は真澄という。綺麗な新緑のような瞳の色をしていて、美しい鱗をしていた。

 鱗を煎じた薬を、毎日三回飲み、青龍の霊気を受け入れられる体質になるのに、かなりの時間を要した。半年かかった体質改善の間に、花嫁修業を行い。真澄とも仲睦まじく過ごしていた。

 真澄は清楚で優しい小花に一目惚れして、御嵩家の青龍様に頼んで小花を花嫁に欲しいとお願いした。

 花姫の生る木は御嵩家にしかない。

 良家の娘を花嫁にと、神社には参拝に来る者もいたが、小花を見た瞬間、真澄は花嫁には小花しかいないと思った。

 白無垢姿で到着した小花を見て、また小花に恋をした。

 そのまま地元で披露宴をして、小花を花嫁に迎えると紹介した。

 結婚は、小花の体質改善と指輪ができなくてはできない。

 花姫は結婚するまで処女でなければならない。小花に恋をしていても、手足も出せない。

 やっと口づけができるようになって、真澄は少しでも早く霊気に慣れるように小花に霊気を送るが、小花は真澄の霊気を与えすぎると、寝込んでしまう。


「真澄様、申し訳ございません」


 愛しすぎると寝込ませてしまう。


「私が無理をさせているんだよ。小花は悪くはない」

 やっと霊気酔いしなくなったのは、指輪ができあがった半年後だった。

 鱗から指輪を掘り出すには、熟練の龍神の力がないとできない。日本中でも数人しかいないため、どうしても順番待ちになってしまう。

 真澄は御嵩家にいる青波に頼んだ。

 青波は小花の身体検査もしてきた医師だったため、薬の調合もしてもらった。

 処女のまま花姫の蜜を舐めたとき、その甘さに真澄は喜んだ。

 胸から溢れる蜜は、真澄の霊力を上げていく。

 試しに下肢を舐めたら、もっと甘い。
 膜を傷つけないように気をつけながら、蜜を吸うと、小花は恥ずかしそうに身をくねらせた。

 やっと初めて小花を抱いたとき、存分に蜜を吸い、楔を入れると小花は失神してしまったが、少しずつ慣らしていった。

 妊娠は偶然だった。

 睦み合った翌日、小花のお腹の中に小さな霊気の塊を見つけた。

 小花に話すと、小花は頬を染めながら喜んでいた。


「この子を大切に育てます」


 小花は何の膨らみのないお腹を大切そうに抱えた。

 その愛らしさに、真澄はますます小花が好きになった。

 小花に付き人を付けていたが、小花は付き人と共に、料理を作り、真澄に食べさせた。

 真澄は神事の帰りに、果物を取りお土産に持って帰った。小花のために川で魚を捕り、持ち帰ったりもした。小花は喜び、それらを調理した。

 二人は幸せだった。

 大きな神社ではなかったし、社も新しくはないが、それでも小花は幸せそうに笑っていた。

 それなのに、ある日、突然、小花の姿が消えた。

 真澄は小花を探しに山へ入った。

 山菜を採りに行くときは、必ず付き人と共に出かけていたが、何かを忘れて、取りに戻ったのかもしれないかと思った。


「小花」


 真澄は心花を呼びながら山を歩いて行く。

 龍神の姿で探した方が早いかと思ったが、茂った森の中を探すのは気配しかわからない。

 どうしても見つけられなくて、龍神の姿で空から探した。

 山頂の方で、小花の気配を見つけた。

 もう暗くなった山の中は危ない。


「小花、何をしている?」


 龍神の姿から人の形に戻り、小花の姿を探して山道を歩いて行くと、小花は男に貫かれながら、花姫の蜜の滴る胸を食べられていた。

 目の前で起きていることが現実なのかわからず、真澄はじっと目をこらす。

 男が性器を抜くと、先端に赤子がついていた。


「あっ」


 苦しげな、小花の声がした。

 まだ生きている。

 男は赤子を手で掴むと、口の中に入れてしまった。


「何をしている?」


 男は振り向いた。目は赤く、大きく裂けた男の口の周りは血で濡れていた。

 ニヤリと笑った男は、小花の腹に噛みつき、手で腹を割いた。


「ぁぁ」


 腹からは腸がはみ出し、血が飛び散っている。
 
 あまりの惨劇に、真澄はそれが小花だと認められなかった。

 はらわたを貪った後、男は小花の胸に腕を突っ込んだ。

 心臓を掴むと、ためらいもなく腕を引き抜いた。倒れている体が、その衝撃で一度浮かび上がり地面に落ちた。男は赤い塊を貪った。


「小花なのか?」

「この花姫はうまかった」


 目を赤くした男は跳躍した。空を見上げるとその姿はもう消えていた。

 真澄は目の前に倒れている人の形の物に近づいた。

 裸の小花は口から血を流して、目を見開いたまま息絶えていた。

 片胸を食べられ、片胸には穴が空いている。

 腹は食べられていた。残されたのは小花の形をした亡骸だった。


「小花!」


 血で縁取りされた小花を抱き上げ、真澄は泣いた。

 小花はまだ生きていたのに、助けることができなかった。

 真澄は小花を抱き上げ、社に戻ると、血で濡れた小花を清め綺麗な着物を着せた。


「小花、助けられなくてすまない。なんて私は非力なんだ」


 真澄は小花を抱きしめ、泣きくれた。

 何日も激しい雨が降り、洪水を起こし山も崩れたが、雨は止まなかった。


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