花姫だという私は青龍様と結婚します

綾月百花   

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11   四神獣の誕生と花姫の解放

3   旦那様と結婚します

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 御嵩家は敷地内に三神獣の社を大至急で建てた。

 大至急で造っても、1週間や2週間で建つものではない。

 全国から宮大工を雇い、三神獣の要望を取り込んだ社を大至急造ってもらった。

 軽く一ヶ月が過ぎて、もう師走で正月間近だ。

 屋敷の中はカオス状態だ。

 玄武たちは久しぶりの高祖花姫と一緒にいられる時間を楽しんで、龍之介は近づかせてもらえない。

 白虎は猫の姿に戻り、唯の膝の上を占領している。

「龍之介様もいらして」と唯は誘うが、三神獣の中で一番若輩者の龍之介は玄武にあれこれ命令されて、雑用ばかりをさせられていた。

 龍星は高祖花姫の最初の子供だと、三神獣に構われすぎて、過労とストレスで胃潰瘍を作ったらしく、辰成に処置をされて、辰成の家に逃げていってしまった。

 唯は見舞いに行こうとしたが、龍之介に止められた。

 唯が動けば、三神獣も動く。彼らが行けば、辰巳の家も大騒ぎになってしまう。彼らに悪気はないが、ただの神ではなく、神を束ねる神獣であることもあり、発言一つ一つに威力があり雑談が雑談で終わらない。


 その神を束ねる神獣の仲間入りをした龍之介も、立派な神々の言葉に右往左往して、胃潰瘍ができそうなほど、疲れ切っていた。


「三神獣殿、社ができましたので、お引っ越しをどうぞ」


 龍之介はやっと社ができて、ホッとしていた。

 師走はただでさえ忙しいのに、それどころではない。


「東西南北を考えて作ったな?」

「もちろんです。北の玄武殿、南の朱雀殿、東の青龍、西の白虎殿。この通りに配置しました。ちょうど正月ですので参拝者も多く来るでしょう」


 彼らは社にも注文を付けていた。

 玄武は白と黒を基調とした配色で池か川が必要だ。

 白蛇を担いだ玄武は、亀と蛇の両方の属性が必要になってくる。

 山から湧き水の出る美しい場所に社を構えた。


「そうか、楽しみだな」


 玄武は嬉しそうに、新しい社に飛んでいった。

 朱雀は赤を基調とした社を希望した。

 明るい色の中にも神聖な雰囲気を醸し出す。木々の多い場所に社を造った。


「ここも高祖花姫様がいるし気に入ったのだが」

「リベルテ、我が儘を言っては駄目よ」


 唯に説得されて朱雀は飛んでいった。


「アンジュも社に行きましょう。きっと気に入るわ」


 白虎は見た目には重厚な建物だが、私室はもふもふの毛布やクッションが大量に置かれている。

 唯に、全身をもふもふに撫でられて、白虎は喜んで駆けていった。


「やっと静かになった」


 龍之介はやかましかった屋敷が急に静かになって、倒れるように唯にしがみついてきた。


「ようやく唯に触れられる」

「ごめんなさい。彼らも悪気はないと思うの。ただ私が心配だっただけで」

「わかっておる」


 龍之介は1ヶ月半ぶりに唯に口づけをした。

 唯は高祖花姫として目覚めてから、唯は思い浮かべるだけで衣装を替えることができるようだ。靴がないと言っていた唯は、庭に出て自分で作ってしまった。

 履物は底板が木でできており、膝の下まで蔦で美しく編まれている。

 長い髪を木の枝で器用に留めている。シンプルな姿だが、その姿が美しい。


「龍星を迎えに行かなくちゃ」

「その前にもう一度、口づけさせてくれ」


 龍之介は唯を抱きしめて、深くキスをすると唯の甘い花姫の香りを存分に味わった。

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